MacBook Airが羨ましい反動か、はたまたG4 Cubeへの郷愁か、近頃「Mac mini」が気になります。Apple Store整備済み製品の場合、かなりオトクにGETできるようですし。そういえば、2年ほど前、米国の某社からMac mini対応デュアルモニタアダプタがアナウンスされていましたが、いまだ見かけません。ニーズはあると思うのですがねえ。
さて、今回は前回に続き「iPod touchの有償アップデータ」について。簡易テキストエディタの「メモ」や、世界主要都市の天気予報を表示する「天気」もいいが、やはり実用性&ニーズが高いのは「メール」だろう。そこで今回は「メール」、特に添付ファイルのプレビュー機能にターゲットしてお伝えしたい。
「メール」のQuick Look的機能を検証する
有償アップデータに含まれる「メール」は、POP3 / IMAP 4に対応したメールクライアント。機能はiPhone 1.1.3収録のものと変わりないようで、Gmailアカウントは自動的にIMAP 4で接続されるなど、同様の変更点が確認できる。携帯電話回線を利用したインターネットアクセスの有無という根本的な差異はあるが、基本的には同じものという理解でよさそうだ。
添付ファイル横の「>」をクリックすればプレビュー開始 |
「メール」を利用して気に入ったのが、添付ファイルをプレビューする機能。画面をつまむ(ピンチ)してテキストを拡大 / 縮小する機能は、すでにSafariで体験しているため新味に乏しいが、このプレビュー機能はMicrosoft WordとExcelで作成したファイルに対応している点が新しい。
ちなみに、Leopard付属の「Apple Mail」にも同様のプレビュー機能がある。添付ファイルがサポートされたファイル種の場合、[クイックルック]ボタンが表示され、クリックすることで添付ファイルをプレビューできるという仕組み。こちらは、公然とQuick Lookを名乗っている。
ここで疑問が。「メール」のプレビュー機能はQuick Lookそのもの(コードベースが共通)なのだろうか、という疑問だ。そこで、1つの実験を行ってみた。
WordとExcelはOK、メールの「プレビュー機能」
手元にあるWord 2008ファイル(.docx)は、ほぼオートシェイプだけで作成したイラストが収められているが、これをLeopardのQuick Lookで表示すると、レイアウトが完全に崩れた形で表示される。「メール」のプレビュー機能も同様に崩れれば、コードベースは共通と推測できる ー WordとExcelのQuick LookプラグインはAppleが開発している ー というわけだ。
予想は的中。件のWord 2008ファイルを「メール」でプレビューすると、LeopardのQuick Lookとまったく同じデザインの崩れを確認できた。Excel 2008ブックについても確認してみたが、どちらもグラフオブジェクト上の日本語が表示されないという点で一致していた。
同じコードベースのQuick Lookプラグインが動作するということは、そもそも同じOS Xベースのシステムで共通項が多いことをあわせると、Leopard用に開発したプラグインもiPod touchで動く可能性が高い。Finderがないぶんメールのプレビュー機能は重宝されるはずで、iPhone / iPod touch SDKが公開された暁にはQuick Lookの移植に注目する開発者が増えるかも……というのはいささか楽観的だろうか。
PDFのプレビューに問題あり
一方、表示結果が異なるものもある。Word 2008から出力したPDFを、LeopardのQuick Lookと「メール」のプレビュー機能とで見比べたところ、前者は特に問題を確認できなかったが(Preview.appで表示したときと同じ)、後者ではところどころ日本語が表示されない問題があることが判明した。
たとえば、Word文書に挿入したコメント文(図形オブジェクト上に文字が表示される)は、「メール」では図形は表示されるものの肝心の日本語が表示されない。Adobe InDesign CS 3.0.1から出力したPDFについては、地の文章そのものが表示されなかった。問題は「メール」のプレビュー機能にあるのか、iPod touch側のPDF描画用エンジンにあるのかは不明だが、ただソースコードをリビルドすればiPod touchで動くわけではないことは確かだろう。