出ましたねえ、新しいiMac。アルミ化は想定の範囲内でしたが、キーボードが予想以上にイイ感じです。特にワイヤレスタイプが。キータッチについては好みとか慣れとかあるでしょうが、私はこのデザインに惚れちゃいました。横から見ると、またイイんですよ。久々の"一目惚れアイテム"、一日も早くGETしようと思います。

さて、今回は「.Mac」について。アルミ化されたiMacにiLife '08そしてiWork '08と、立て続けに発表された新製品群の中でも、正直なところ地味な扱いを受けている感は否めないが、なかなかどうして無視できない存在に変貌を遂げている。iPhoto 7との連携機能を含め、リニューアルされた.Macの概要をお伝えしてみよう。

容量の増えた「iDisk」

今回のリニューアルにおける主な変更点は、iDisk標準のストレージサイズが512MBから10GBへと一気に増量されたこと。無料で数GB使用可というオンラインストレージサービスが珍しくない現在、高解像度の静止画を100枚ほど置けばマンタン、というiDiskは正直見劣りしていたが、これで動画にも十分使える容量となった。転送速度については後述するとして、少なくとも容量増は手放しで喜んでもいいだろう。

標準のストレージサイズが20倍に増えた「.Mac」

これで他のオンラインストレージを使わずに済む?

データ転送容量も見直され、毎月100GBまでに拡大された。ストレージサイズのように20倍とはいかず10倍に留まったが、トラフィックの多いサイトを運営しているユーザの場合、従来の10GB/月と比較するとかなり余裕が出てくるはず。バックアップソフトのBackup.appも、活躍する場面が増えることだろう。

データ転送速度も気になるところ。この点ではあまり評判の芳しくない.Mac、一気に巻き返すか? ……と思いきや、約52MBのファイルのダウンロードが5.6秒(約9.28MB/秒)、アップロードが3分19秒(約261KB/秒)という結果に終わった。筆者の仕事場ではNTT東日本のBフレッツ(マンション / VDSL方式)を使用しており、常に下り45Mbps/上り25Mbps程度はマークしていることを考えると、まだまだ満足はできない。テストする環境によっても異なるのだろうが、世界中のすべてのユーザが納得するレベルを追求してほしいものだ。

そのiDiskだが、8月9日の時点では、何もしないことには容量は512MBのまま。一度.MacのWebサイトにログインして、「アカウント設定」の画面から、iDiskとMailに容量を割り当てる作業を行わなければならないのだ。システム環境設定の「.Mac」ペインに表示されるディスク容量が512MBのままではないか、と憤る前に確認しておこう。

噂のウェブギャラリーを試す

iDiskの容量アップもいいが、要注目はiPhoto 7に追加された新機能「ウェブギャラリー」。システム環境設定で.Macアカウントを登録さえしておけば、対象の写真を選択し、iPhoto 7の画面右下に配置された地球のボタンをクリックするだけで.Macに公開できるというものだ。一般的なブラウザで表示できるため、iPhotoユーザしか利用できなかったPhotocastingに比べ大きな進歩といえる。

写真を選択してボタンをクリックすれば、ウェブギャラリーへのアップロードが始まる

アップロード開始時には、アクセス権も設定できる(アップロード後も変更可能)

写真はアップロードごとに「アルバム」としてまとめられ、ツールバーにエントリが登録される。アルバムに写真を追加したければ、目的のエントリまで写真をドラッグ & ドロップすればOK。友人知人にウェブギャラリーの存在を知らせる場合には、エントリを選択して[友人に知らせる]ボタンをクリックすると、Apple Mailが立ち上がりあとはメールアドレスを入力するだけという状態までお膳立てしてくれる。

お楽しみは、ブラウザでウェブギャラリーにアクセスしてから。iPhotoの機能を絞り込んだような雰囲気のインタフェースが現れ、拡大 / 縮小やスライドショー、iTunesのCover Flow風の写真表示機能などなど、これまでの"画像を見る"ではなく、"アルバムを手にとる"ような感覚で写真を鑑賞することができるのだ。

もっともオーソドックスな表示モードの「グリッド」。クリックすれば拡大表示できる

Cover Flow風に写真を表示できる「回転トレイ」。からあげの美味しさも伝わろうというもの

調べたところ、この機能にはJavaScriptのフレームワーク「SproutCore」が使われていることを確認。そのサイトに記載された情報によれば、Appleはバックエンドに WebObjectsを使用しているとのこと。調べ始めたばかりでこれ以上の情報はないが、また新たな情報を入手次第お伝えしようと考えている。