新Mac Proが発表されました。クアッドコアのIntel Xeon 3.0GHzが2基で8コア、"Core Duo"はもちろん、トリオもカルテットもクインテットも余裕でしのぐオクテットですよ!! このまま行けばオーケストラ……とはならないか、さすがに。
さて、今回は「Google Desktop for Mac」について。つい数十時間前に発表されたこのツール、使用目的と機能がハッキリした画像編集ソフトやワープロ・表計算とは異なり、導入すればこう変わる / これだけ便利になるという利点が分かりにくい。かなりの駆け足だが、デスクトップ機能標準装備の我らがTigerでどのような使い方ができるのかを考えてみたい。
Google Desktop for Macでできること
Google Desktopは、一言でいえば「検索機能を備えたデスクトップガジェットの親玉」。Webとローカルを対象にした検索機能に加え、時計やカレンダーなどのアクセサリ類(Googleガジェット)を実行するためのAPIが提供される。Windows版は、2005年8月にv2、2006年は2月のv3と5月のv4、そして今年3月のv5(いずれもβ版公開時)とバージョンアップを重ね、Google CalendarなどGoogleが提供するサービスと連携するための機能も強化されている。
今回リリースされたMac版は、バージョン番号が「1.0.0.155」。この1点だけ見れば、Windowsより機能的に遅れているかもなどと早とちりしそうだが、実装はWindows版と大きく異なる。バージョンの「1」は、初のMac版という意味合いで使われているのだろう。
決定的な違いは、Googleガジェットに対応しないこと。ご存知のとおり、TigerにはDashboardというデスクトップアクセサリ実行環境があるほか、Konfabulatorから名を変えたYahoo!ガジェットというオルタナ系(こちらが元祖という意見も聞こえてきそう)もある。両者に遠慮したのか、Googleガジェットおよび操作用のインタフェース(サイドバー)は、Mac版では省略されている。
デスクトップ検索機能にも差がある。Microsoft Office(Excel / Word / PowerPoint)で作成したファイル、音楽 / 映像ファイルに付帯するアーティスト名などメタ情報への対応では同等だが、ZIP書庫内の検索には対応しない。メッセージ全文検索に対応するメールソフトの種類も異なり、Mac版ではApple MailとMicrosoft Entourageのみだ。
なお、インデックスの作成に数時間ほどかかることと、インデックスファイルがそれなりの容量になる点は要注意。/Library/Google/Google Desktop/Indexディレクトリ以下に作成されるインデックスファイルは、総ディスク容量56GB / ホームフォルダの使用量約15GB / ディスク残り容量約9GBという筆者のMacBookの場合で、約625MBという大きさだ。一方のSpotlight(/.Spotlight-V100)は約525MB、検索範囲が異なるため単純に比較はできないものの、Spotlightのほうが若干少ない。特にディスク容量が乏しいノート型機の場合、Spotlightに不満がなければ、敢えてGoogle Desktopを導入する必要はないかもしれない。
インデックスファイルはそれなりの"場所をとる"ので注意 |
表: Google Desktop 5(Windows版)との機能比較
Mac | Windows | |
Web検索 | ○ | ○ |
デスクトップ検索 | ○ | ○ |
Quick Find | ○ | ○ |
Google Gadget | × | ○ |
セキュリティ機能 | × | ○ |
GoogleガジェットをOS Xで動かす
今回のGoogle Desktop for Macでは見送られたガジェット実行環境だが、OS Xで実行できないことはない。一般的なGoogleガジェットは独立したWebページの構造を持ち、IFRAMEでGoogle Personalized Homepage(Googleの個人用ポータル、要ログイン)へ配置しているに過ぎないため、それをブラウザのサイドバーに表示してしまおう、という仕掛けだ。
利用するのは「IGoogle Sidebar 1.3」。このアドオンをFirefoxにインストール、再起動すればGoogleガジェットをOS Xで利用できるようになる。すべてのGoogleガジェットがサポートされているわけではないが、Googleマップ検索やGoogle Calendarについては、Firefox 2.0.0.3 / IGoogle Sidebar 1.3の組み合わせで動作を確認している。デスクトップ検索はSpotlightで十分、Google Desktopのガジェットだけ使いたい、という向きにはお勧めの方法だ。