スマートフォン向けの決済サービス「Google Pay」で、10月9日より電子マネー「QUICPay」が利用できるようになった。Google Payで利用できる非接触型の電子マネーとしては、Suica、楽天Edy、nanaco、WAONに次いで5つ目で、後払いにも対応する電子マネーとしては初めてとなる。

Google PayでQUICPayを使うには?

Google PayでQUICPayを使うには、おサイフケータイ(6.1.5以上)対応かつAndroid5.0以上の端末が必要。アプリをダウンロードして、対応するクレジットカードなどを支払元として登録すれば、主要なコンビニをはじめとする全国のQUICPay加盟店で、ケータイをかざすだけで決済が可能になる。

Google PayのQUICPayに対応するクレジットカードなどは、現在のところジェーシービー(グループ会社含む)、ジャックス、Kyashが発行するもののみ。ジェーシービーは「ANA JCBプリペイドカード」および各銀行が発行するJCBブランドのデビットカードも対象となる。Kyashはアプリで即時発行できるプリペイドカードだが、VisaまたはMastercardのクレジットカードを紐づけて自動チャージができるため(詳細は第85回の記事参照)、Kyashを介せばジェーシービーとジャックス以外のクレジットカードでも、実質的に利用できることになる。

  • JCBは、ジェーシービーおよびグループ会社が発行するクレジットカード、JCBブランドのデビットカード、「ANA JCBプリペイドカード」が対象

ただし、ジェーシービーのデビットカードや、「ANA JCBプリペイドカード」、Kyashを登録した場合は、「QUICPay+」に対応する店舗のみ利用可能。加盟店の多くは「QUICPay+」対応店だが、ENEOS、阪急阪神百貨店、LOFTなど非対応の加盟店も。大手チェーンの対応状況はQUICPay公式サイトに掲載されているので、デビットやプリペイドで使う場合はチェックしておくといいだろう。

  • QUICPayには「QUICPay」と「QUICPay+」の2種類があり、「QUICPay」加盟店は1回あたりの利用上限が2万円となる

なお、おサイフケータイ対応の端末では、これまでも対応する11社のクレジットカードを登録すればQUICPayを利用できたが、登録できるカードは1端末につき1枚のみで、手続きも設定情報を郵送で受け取る必要があった。しかし、Google Payではネット上だけで1分ほどあれば設定が完結でき、QUICPay払いで利用できるカードを10枚まで登録可能(Google Pay自体には何枚でも登録可能)。QUICPay払いに利用するカードは、端末上で簡単に切り替えられる。

  • 登録されているカードは一覧で表示され、QUICPay払いに使うカードの切り替えも簡単にできる

10%キャッシュバックのキャンペーンも開催

QUICPayへの対応開始にともない、キャンペーンもスタートしている。ジェーシービー発行のカードを登録した場合は、2018年11月15日までにGoogle PayのQUICPayで支払った金額の10%をキャッシュバック(上限5,000円)。事前のエントリーが必要で、一部キャンペーン対象外のカードもあるので、詳しくは公式サイトで確認してほしい。

  • 「JCB一般カード」「JCBゴールド」をはじめ、JCBオリジナルシリーズのカードは最短で申し込み当日に発行、地域によっては翌日に届く

ジャックスのカードを登録した場合は、2018年12月31日までにGoogle PayのQUICPay を合計1,000円以上利用すると、対象者内で100万円分の「Jデポ」が山分けとなる。こちらも事前にエントリーが必要。山分けとなった「Jデポ」はカード利用代金に充当できる。

  • 上段左から「インヴァストカード」、「REX CARD」、下段左から「Reader’s Card」、「Andromeda Card」。「REX CARD」は赤い券面のデザインも発行されている

また、ジャックスが発行するカードの中でも「インヴァストカード」「REX CARD」「Reader’s Card」の3種は、2018年12月31日までのGoogle PayのQUICPay利用に対して、還元率がアップするキャンペーンを実施している。「インヴァストカード」は0.75%、「REX CARD」と「Reader’s Card」は0.5%分の「Jデポ」が上乗せされ、いずれも通常利用時の還元率と合計すると1.75%の高還元となる。このほかにも、ポイントがGoogle PayのQUICPay利用代金に自動的に充当される「Andromeda Card」も新たに発行を開始している。

Kyashのキャンペーンは行われていないが、Kyashにはショッピング利用額の2%がキャッシュバックされる制度があり(一部対象外取引あり)、QUICPayでの支払い分も対象となる。前述の自動チャージを設定していれば、紐づけたクレジットカードのポイントも貯まるため、通常利用時では最も高い還元率で利用できるだろう。

  • Kyashはアプリをダウンロードして必要情報を入力すれば、即時バーチャルVisaカードを発行可能。申し込みをすればリアルカードも郵送で届く

ただし、Kyashには利用上限があり、QUICPayで支払えるのは1回あたり3万円まで。また、KyashのVisaカードでの利用額も含め、24時間あたり5万円(バーチャルカードは3万円)まで、1カ月あたり12万円まで、カード有効期限内は100万円までと、それぞれ上限が設けられている。

Google Pay全体のキャンペーンも開催中

先に紹介したキャンペーンはカード会社が提供するものだが、これとは別にGoogle Pay全体のキャンペーンも行われている。2018年11月23日までは、Google Payでの支払い1回につき1回分の抽選権を獲得でき(1日5回が上限)、最大5,000円分のGoogle PlayクレジットやGoogle Home Miniが当たる。

  • Google Payで支払うと抽選権が獲得できる

2018年12月31日までは、友人などに招待コードを送り、その友人が招待コードを適用してGoogle Payで500円以上の買い物をすると、自分と友人に各500円分のGoogle Playクレジットがもらえるキャンペーンも行われている(合計5,000円が上限)。

Google Payを始めるなら、キャンペーンが行われている今がチャンス。Androidユーザーはぜひこの機会を活用してほしい。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。