「JCBカード」という言葉には2つの意味があり、ひとつは「株式会社ジェーシービーが発行するカード」で、もうひとつは「国際ブランドJCBがついたカード」。前者の場合はすべて後者に当てはまるが、後者の場合は必ずしもJCBが発行するカードとは限らず、JCBのグループ会社やJCBとパートナー契約を結ぶ会社が発行するカードも含まれる。

JCBカードの見分け方(カード画像はイメージ/JCBサイトより転載)

今回は国際ブランドとしてのJCBのサービスのなかから、代表的なものを紹介したいと思う。国際ブランドとしてのJCBのサービスは、国内で発行されたJCBのロゴがついているカードであれば、発行会社を問わず利用可能だ。ただし、サービス内容によっては、デビットカードやプリペイドカード、一部のクレジットカードでは利用できない場合もある。

ジェーシービーが発行するJCB一般カード

まず知っておきたいのが、海外旅行時の各種サービスだ。手荷物の空港宅配、レンタカーやWi-Fiのレンタルなどで割引を受けられるほか、主要な都市を対象とした「JCB優待ガイド」を掲載店に提示すれば、レストランやショップを中心に優待を受けられる。なお、同様の優待は「たびらば」のアプリやウェブサイトでも利用可能。また、渡航前に「JCBプラザコールセンター(日本)」に電話をすれば、JCB加盟店のレストラン、エステ、オプショナルツアーなどの予約手配もしてくれる。

JCB優待ガイド(イメージ)

海外でいざというときに助かるのが、世界60カ所に設置された海外サービス窓口の「JCBプラザ ラウンジ」と「JCBプラザ」だ。どちらも観光情報の案内やレストランなどの予約手配、カード紛失・盗難時のサポートなどが受けられ、Wi-Fiも無料で利用可能。すべて日本語で対応してもらえる。ロサンゼルス、ホノルル、グアム、パリ、ソウル、台北、香港、シンガポール、バンコクの9都市に設置された「JCBプラザ ラウンジ」なら、ドリンクサービスや傘のレンタル、荷物の当日中一時預かりサービスなどもある。

JCBプラザ ラウンジ・バンコク

JCBプラザ ラウンジ・ホノルル

このほかにも免税店での割引をはじめ、世界各地でさまざまなキャンペーンを随時開催。グアムでは100カ所以上のスポットで無料Wi-Fiを提供、バリ島ではリゾートエリアを巡回するクラクラバスの一部路線が乗車無料、ハワイでもワイキキ・トロリー(ピンクライン)の乗車が無料となるキャンペーンが人気だ。

日本国内でも各種優待が利用できるが、毎年定番のキャンペーンとなっているのが、JCBが公式スポンサーとなっている東京ディズニーランドとユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の貸し切りイベント。キャンペーン期間中の利用金額に応じた抽選が行なわれ、2017年はディズニーランドがクリスマス前の12月1日に開催予定で計1万4,000名を招待。USJはハロウィーンイベント初日の9月8日に開催予定で計1万名を招待。1等が当選した場合は、オフィシャルホテルにも宿泊できる。

もうひとつ、ぜひ知っておきたいサービスが「チケットJCB」。コンサートや演劇などのチケットが購入できるサイトで、一部の公演に関しては前方席の保証、JCB会員限定の貸切公演や割引など、特典付のチケットも用意されている。チケットを購入する際は、一般のプレイガイドの前に「チケットJCB」をチェックすると、思わぬラッキーが見つかるかも。なお、サイトは毎週木曜日に更新される。

なんとなくVisaやMastercardを使っているという人も、1枚はJCBブランドのカードも持っておくと、きっと役立つことがあるだろう。年会費無料で持てるカードも数多く発行されており、発行会社の一覧はJCBブランドサイトの「カードのお申し込み」から確認できるので、自分に合ったJCBカードを探してみよう。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。

※写真と本文は関係ありません