一般的なクレジットカードの申し込み条件は、電話連絡の取れる日本国内在住の満18歳以上(高校生を除く)で、外国人でも申し込みできるが、ほとんどの場合は日本人が使うことを前提にサービスが設計されている。一方で、数は少ないものの在日外国人を対象に発行されているカードもあるので紹介したい。
約20言語以上に対応の「GTNエポスカード」
エポスカードは在日外国人向けの生活総合支援サービスを手掛けるGTN(グローバルトラストネットワークス)と提携して「GTNエポスカード」を発行している。
家賃保証や携帯電話などGTNのいずれかのサービスを利用中で、かつ在留期限まで2カ月以上あれば申し込み可能。多言語サポートを受けられることが特長で、アジア各国を中心に、英語、スペイン語、ポルトガル語なども含む約20言語以上に対応している。
分割払いやリボ払い、キャッシング(別途審査あり)も利用でき、年会費は無料。カードの機能は原則的に「エポスカード」と同じで、ショッピング利用に応じてエポスポイントが貯まる。通常は200円につき1ポイントが貯まり、1ポイント=1円相当になる。
年4回開催される「マルコとマルオの7日間」期間中は、マルイ・モディおよびマルイのネット通販で10%オフ。全国1万店以上の提携施設で、割引などの優待も受けられる。
海外旅行傷害保険も自動付帯しており、カードを持っているだけで傷害死亡・後遺障害時に最高500万円を補償。海外旅行中に偶然の事故で賠償責任が生じた際は、最高2,000万円の補償も受けられる。
行政書士に無料相談できる「Weibo Card」
ライフカードは中国最大のSNSであるWeibo(微博)の日本総代理業務を運営するZホールディングスと提携し、今年5月27日から「Weibo Card」を発行。日本人はもちろん、在日外国人も日本語が理解でき、在留期間が3カ月以上残る在留カードを保有していれば申し込みできる。
年会費無料の「Weibo Card」、年会費1,650円の「Weibo Card Plus」、年会費1万1,000円の「Weibo Card Gold」の3種類があり、いずれも分割払いやリボ払い、キャッシング(別途審査あり)も利用可能。行政書士相談サービスを付帯していることが最大の特長で、ビザ取得・更新の相談など、日本国内における外国人の在留に係る全般に対して、ライフカードが提携する行政書士事務所に無料で何度でも電話相談ができる。
また、「Weibo Card Plus」と「Weibo Card Gold」は、中国人ネイティブスタッフによる賃貸物件紹介サービスも利用可能。物件探しや電気・ガス・Wi-Fiの手配代行を頼めるほか、仲介手数料の割引も受けられる。
ポイントプログラムも充実しており、通常は1,000円利用につき1ポイント(100円の利用でも0.1ポイント)だが、初年度は1.5倍になる。2年目以降も前年のショッピング利用額に応じてポイント付与率がアップし、前年50万円以上利用でポイント1.5倍、100万円以上で1.8倍、200万円以上で2倍。さらに、誕生月の利用はポイント3倍、年間50万円以上利用で300ポイントのボーナスもある。
ポイントはAmazonギフト券やVプリカなどへ交換した場合、1ポイント=5円相当になるため、通常は0.5%還元、初年度は0.75%還元、誕生月は1.5%還元。年間50万円以上利用のボーナスを獲得した場合や、ポイント交換先によっては、さらに還元率がアップする。なお、誕生月と他のポイントアップは重複適用されないため、誕生月は前年の利用額にかかわらずポイント3倍で固定となる。
「Weibo Card Plus」は海外最高2,000万円、国内最高1,000万円を補償する旅行傷害保険を付帯。ともにカードを保有しているだけで適用される自動付帯となる。「Weibo Card Gold」であれば、旅行傷害保険は海外・国内ともに最高1億円の補償となり、さらにショッピング保険や国内主要空港でのラウンジサービスも利用できる。
デポジットで利用可能枠が決まる「Nexus Global Card」
Nexus Cardが発行する「Nexus Global Card」は、事前に支払ったデポジット(保証金)に応じて利用可能枠を決められるクレジットカード。デポジットを預けることにより、一般的なカードより発行できる可能性が高いことも特長となっている。
申し込みには在留カードが必要で、公式サイトは9カ国語に対応している。年会費は2.200円。分割払いやリボ払いも利用できるが、キャッシングは利用できない。
デポジットは5万円から30万円まで5万円単位で選択でき、カードはデポジットを支払ってから発行される。デポジットは原則として支払いには利用できず、毎月の支払いはコンビニ払い、もしくは登録した銀行口座からの引き落としとなる。デポジットはカード解約時に所定の手続きをすることで、約2カ月後に返金される。
以上、3社の在日外国人向けクレジットカードを紹介した。それぞれ特徴や対応言語が異なるので、出身地などに合わせて自分に合ったカードを選択してほしい。