10月1日より経済産業省による「キャッシュレス・消費者還元事業」の制度がスタートした。消費者還元事業の対象店では最大5%の還元を受けられるようになったが、現在「楽天ペイ」では対象外の店でも5%の還元が受けられるキャンペーンを展開中だ。その仕組みを解説しよう。
キャッシュレス・消費者還元事業は対象店舗で最大5%還元
まず「キャッシュレス・消費者還元事業」について説明したい。これは同制度の対象となる中小・小規模事業者が経営する店舗で、楽天ペイ(アプリ決済)を含む対象のキャッシュレス決済サービスを使って支払うと、5%または2%の還元が受けられるというもの。
還元率は店舗によって異なり、フランチャイズチェーン傘下の中小・小規模店舗などでは2%、それ以外は5%となる。還元方法は利用する店および決済サービスによって異なり、決済時に還元額が即時充当される場合と、後日決済サービス事業者から還元される場合がある。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の期限は2020年6月まで。なお、決済サービス事業者によって、還元の上限が設定されている場合がある。
楽天ペイ利用で街での支払いは一律5%還元に
この「キャッシュレス・消費者還元事業」を受けて、10月1日より楽天ペイで開催されているのが、一律5%の還元を受けられる「【第1弾】楽天ペイアプリのお支払いで最大5%還元」キャンペーンだ。楽天ペイはネットでの支払いにも利用できるが、このキャンペーンの対象となるのは、QR/バーコードを使った街での支払い(スマホ決済)のみとなる。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の5%還元対象店舗で利用した場合は、同制度により利用額の5%が、利用月の翌々月末日に楽天スーパーポイントで還元される。上限は1回の支払いにつき2万5,000ポイントまで。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の2%還元対象店舗で利用した場合は、同制度により利用額の2%が、利用月の翌々月末日に楽天スーパーポイントで還元される(1回の支払いにつき1万ポイントが上限)。さらに楽天ペイのキャンペーンとして利用額の3%が、2019年12月末頃に楽天スーパーポイント(2020年1月末日が有効期限の期間限定ポイント)として還元される。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象外店舗で利用した場合は、楽天ペイのキャンペーンとして利用額の5%が、2019年12月末頃に楽天スーパーポイント(2020年1月末日が有効期限の期間限定ポイント)として還元される。
また、「キャッシュレス・消費者還元事業」対象店舗でも、決済時に2%の即時割引が受けられる大手コンビニは、楽天ペイのキャンペーンでは制度対象外店舗と同じ扱いになる。つまり店頭で2%が割引された金額に対して、さらにキャンペーンでの5%還元も受けられるため、合計で約7%還元となる。
楽天ペイのキャンペーンで還元されるポイントは、期間中合計3,000ポイントが上限。すべて3%還元を受けた場合は合計10万円、5%還元なら合計6万円利用分までとなる。キャンペーンは12月2日9時59分まで開催され、キャンペーンの対象となるには楽天ペイ公式サイトでのエントリーが必要。期限内にエントリーすれば、エントリー前の利用分も還元対象となる。
また、楽天ペイでは通常、街での支払いは200円利用につき1ポイントの還元があるが、本キャンペーンの期間中は実施されない。
支払い元に「楽天カード」を設定すれば6%還元
楽天ペイは登録したクレジットカード(Visa、Mastercard、楽天カード)、楽天スーパーポイント、事前にチャージした楽天キャッシュのいずれかを使って(または併用して)支払いを行う仕組みとなっている。どの方法で支払ってもキャンペーンの対象となるが、クレジットカードで支払った場合は、別途クレジットカード利用に対するポイントも貯まる。
たとえば「楽天カード」は利用額に対して1%の楽天スーパーポイントが貯まるため、楽天ペイの支払い元に設定すると、本キャンペーン期間中は合計6%の還元を受けられることになる。前述した即時割引を受けられるコンビニでは、合計約8%還元だ。
楽天ペイの加盟店は急速に増加しており、現在は大手コンビニやドラッグストアなど、日常的によく使われる店でも利用可能となっている。
なお、今回のキャンペーンは第1弾とされており、12月2日以降も同様の還元施策を実施する可能性があるとのこと。このほかに並行して行われているキャンペーンもあるので、こまめに最新情報はチェックしておこう。
■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)
普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。