2019年7月23日より、ダイナースクラブが新サービス「コンパニオンカード」を開始した。対象となるのは「ダイナースクラブカード」と「ダイナースクラブ プレミアムカード」の会員で、それぞれ2枚目のカードとしてMastercardブランドのカードが無料で利用できるようになる。

これにより、もし利用した店がダイナースクラブでの支払いに対応していなくても、Mastercardに対応していれば、「コンパニオンカード」を使って支払いが可能となる。請求やポイントは1枚目のカード利用分と合算されるため、1つのアカウントでダイナースクラブとMastercard、2つの国際ブランドを利用できることになる。

また、「コンパニオンカード」を発行することで、新たに利用できる優待などのサービスもある。以下に詳しく解説しよう。

「TRUST CLUB プラチナマスターカード」の特典が利用可能に

「ダイナースクラブカード」の会員が申し込みをすると発行できる「ダイナースクラブ コンパニオンカード」は、同じ三井住友トラストクラブから発行されている「TRUST CLUB プラチナマスターカード」と基本的に同一となる。

  • 「ダイナースクラブカード」と「ダイナースクラブ コンパニオンカード」

「TRUST CLUB プラチナマスターカード」を単体で保有した場合とは一部サービス内容が異なるが、「ダイナースクラブ コンパニオンカード」では日本を含む世界100カ国、100万カ所でWi-Fiに接続できる「Boingo Wi-Fi」を無料で利用可能になる。また、Mastercardの優待プログラム「Taste of Premium」のなかから8特典が利用でき、全国約200店のレストランで所定コースを2名以上で利用すると1名分が無料になる「ダイニング by 招待日和」などが含まれる。

一方で、旅行傷害保険などは「ダイナースクラブカード」の付帯保険が適用される。カード利用で貯まるポイントに関しては、「ダイナースクラブカード」は100円につき1ポイントだが、「ダイナースクラブ コンパニオンカード」は200円につき1ポイントとなる。つまり、ダイナースクラブとMastercardの両方が使える店では、「ダイナースクラブカード」で支払ったほうが得になる。

「TRUST CLUB プラチナマスターカード」は通常年会費3,000円[税別]だが、「ダイナースクラブ コンパニオンカード」として保有する場合は無料。なお、「ダイナースクラブカード」自体の年会費は2万2,000円[税別]で、27歳以上が申し込みの目安となる。家族会員も同様に「ダイナースクラブ コンパニオンカード」を無料で発行できる。

Mastercardの最上位カードが保有できる

「ダイナースクラブ プレミアムカード」に自動で付帯される「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」は、Mastercardの最上位クラス「ワールドエリート」に分類される「TRUST CLUB ワールドエリートカード」となる。

  • 「ダイナースクラブ プレミアムカード」と「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」

「TRUST CLUB ワールドエリートカード」を単体で保有した場合とは一部サービス内容が異なるが、「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」では前述の「Boingo Wi-Fi」が無料で利用できるほか、世界1,000カ所以上の空港ラウンジを同伴者1名まで無料で使える「ラウンジ・キー」も利用できる(2019年9月より登録可能)。また、Mastercardの優待プログラム「Taste of Premium」のなかから18特典が利用でき、国際線利用時に手荷物を往復各3個まで無料宅配できるサービス(羽田・成田・中部・関西の4空港が対象)や、前述した「ダイニング by 招待日和」などが含まれる。

コンシェルジュや旅行傷害保険などは「ダイナースクラブ プレミアムカード」のサービスが適用される。カード利用で貯まるポイントに関しては、「ダイナースクラブ プレミアムカード」は100円につき2ポイント(2019年9月16日以降の利用分は変更予定)だが、「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」は100円につき1ポイントとなる。

「TRUST CLUB ワールドエリートカード」は通常年会費13万円[税別]だが、「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」として保有する場合は無料。「ダイナースクラブ プレミアムカード」自体の年会費は13万円[税別]で、招待制となっているため、保有するにはまず申し込み可能なダイナースクラブのカードを使う必要がある。なお、家族会員も同様に「ダイナースクラブ プレミアム コンパニオンカード」を無料で発行できる。

冒頭でも触れたが、「コンパニオンカード」を発行できるのは、「ダイナースクラブカード」と「ダイナースクラブ プレミアムカード」のみ。「銀座ダイナースクラブカード」や「ダイナースクラブ ビジネスカード」、ANAやJAL、BMWなど、企業と提携したダイナースクラブカードでは発行できない。

ちなみにダイナースクラブのカードは、日本ではJCBと提携しているため、JCB加盟店であれば一部店舗を除いて基本的に利用可能。海外でもディスカバー加盟店であれば、一部を除いて基本的に利用できる。ダイナースクラブが使える店で「コンパニオンカード」を使ってしまうと、ポイント的には損をしてしまうので、上手な使い分けを心がけよう。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。