利用額が銀行口座から即時引き落としとなるデビットカードは、後払いのクレジットカードと比べると、還元率は見劣りするものが多い。しかし、利用状況次第では1.5~2%に達する高還元で利用できるデビットカードもあるので紹介したい。
最高2%還元のソニー銀行「Sony Bank WALLET」
ソニー銀行のVisaデビット付キャッシュカード「Sony Bank WALLET」は年会費無料で、国内でのショッピング利用に対して現金でキャッシュバックを受けられ、優遇プログラム「Club S」のステージに応じて還元率が0.5%から2%まで変動する。ステージは4段階あり、主な優遇特典は以下となる。
このほかにもステージごとに為替コスト、外貨定期預金金利、仕向け外貨送金手数料無料回数の優遇があるので、外貨預金などをしている人は公式サイトでチェックしてほしい。
「Club S」のステージは月末の残高や取引状況によって判定され、翌々月の1カ月間に適用される。ステージアップは毎月判定されるが、ステージダウンの判定は3月末と9月末の年2回のみ。一度ステージアップすると、最長6カ月間は維持できる。ステージの獲得条件は以下の通り。
詳しい計算方法などは公式サイトで確認してほしいが、例えば3月末に300万円の残高があれば、5月から11月まではシルバーを維持できる。誰もが達成できる条件ではないが、資金に余裕がある人はぜひ活用してほしい。
「Sony Bank WALLET」のキャッシュバックは月20万円が上限。2%還元の場合でも月1,000万円利用相当なので、よほど大きな買物をしない限り心配する必要はないだろう。なお、「Yahoo! かんたん決済」と「TBオークション」の利用分に関しては、1加盟店あたり月4万円が上限となる。
海外利用分についてはキャッシュバックの対象外となっているが、米ドルやユーロなど10通貨に関しては外貨払いが可能。同社の外貨普通預金口座に対象通貨を預金していれば、同一通貨でのショッピングに対しては、外貨普通預金口座から代金が引き落とされる。
外貨残高不足の場合は、不足分が円普通預金口座から同社の為替レートで自動的に充当されて引き落とされる。また、対象通貨の口座が未開設の場合、対象外の通貨でショッピングする場合は、円普通預金口座からの支払いとなる。その際はVisaが定める為替レートに対して1.76%の手数料が必要となるので、海外でショッピングするなら対象通貨の口座を開いておいたほうが、ほとんどの場合で手数料は安く済む。
GMOあおぞらネット銀行は3カ月100万円利用で1.5%還元
GMOあおぞらネット銀行のVisaデビット付キャッシュカードは年会費無料で、国内外でのショッピング利用に対して現金でキャッシュバックを受けられるが、1テックま君~4テックま君の4段階に分かれたカスタマーステージに応じて、還元率が0.6%から1.5%まで変動する。ステージごとの優遇内容は以下となる。
カスタマーステージは利用状況に応じて決まり、毎年1月、4月、7月、10月から各3カ月間適用。ステージ判定は適用開始月の前月20日23時59分に行われる。ステージの判定条件は以下の通り。
詳しい計算方法などは公式サイトで確認してほしいが、3カ月で100万円は使うという人であれば、確実に1.5%還元を維持できる。なお、海外でのショッピング利用もキャッシュバックの対象となるが、Visaが定める為替レートに対して3.02%の手数料が必要となる。
デビットカードは原則審査不要で発行でき、今回紹介した2枚はともに15歳以上で申込可能。どちらもキャッシュカード一体型で、GMOあおぞらネット銀行のカードにはVisaのタッチ決済の機能も付いている。ちなみに、ソニー銀行からは年会費3万2,400円の「タカシマヤプラチナデビットカード」も発行されており、こちらは国内タカシマヤ(一部除く)では3〜10%、それ以外の国内ショッピングでは2%のタカシマヤポイントが還元され、コンシェルジュサービスなども利用可能だ。
(※クレジットカードの用語などは以下を参照)
『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』
■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)
普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。