MANOIシリーズの場合、その特徴の1つになっているのが外装のデザインだ。KHRシリーズのように、ロボットは素のままで売られているものも多いが、この独特の愛嬌のあるボディからMANOIを選ぶ人も多いだろう(特にPF01などは)。前回完成したフレームだけでもMANOIは動くが、MANOIであるためには外装は必須だ。
切るには気合いと時間が必要
とはいえ、AT01の外装(ボディカバー)は数が多く、カットするだけでも大変だ。塗装も含めると、1日がかりになると考えたほうがいい(カットで1日、塗装で1日と考えるくらいのほうが楽だ)。
外装はラジコンやロボットでは一般的な「ポリカーボネート」という素材で作られており、軽くて丈夫なのが特徴だ。しかし丈夫な分、これをカットするにはちょっとコツがいる。KHR-2HVのときは外装も2つしかなかったので普通のハサミを使ったが、少しでも楽をするために、MANOIでは専用のハサミを購入したほうがいいだろう。特に、曲線を切るときには非常に楽だ。
カットするのはどのパーツからでも良いが、最初はうまくいかない可能性もあるので、慣れないうちは簡単そうなパーツや目立たない場所のパーツからやるのがいいだろう。SMALL FACEの場合、ヘッドインナーカバーやショルダーインナーカバーなどは外からは見えないので、これからカットしてもいい。ちなみにこの2つはどうせ外部から見えないので、塗装する必要もない。
各パーツの不要部分をカットしていくのだが、場所によって、ハサミとカッターを使い分けるのがコツだ。京商のサイトで紹介されているが、カッターで軽く切り込みを入れてから折り曲げて切り離す方法は非常に有効なので、直線的な部分はこれがオススメ。曲線的な部分は前述の曲面ハサミを使おう。
塗装は個性の出しどころ
次は塗装となるが、下準備として、外装パーツを中性洗剤で洗っておくことを忘れずに。ポリカーボネートの場合、塗装面は内側となるので、洗うのも内側だ。カット作業のときについた指紋などの汚れは綺麗に落としておこう。良く乾かせば塗装の準備は完了。
塗装には、ホビーショップなどで販売されているポリカーボネート専用のスプレーを使用する。筆者の場合、今回はKONDO CUPにも出ることを考え、チームカラーである「PS8 ライトグリーン」(タミヤ製)をメインに選んだ。一気に厚塗りするとムラができるので、何度かに分けて薄く塗り進めるのがコツだ。
1色だけでもいいのだが、MANOIは外装がポイントの1つであるので、個性を出すためにカラーを組み合わせるのもいい。その場合は、ちょっと面倒だが「マスキング」という作業が必要になる。マスキング用のテープを使って塗り分ける作業で、これを色の種類だけ繰り返す必要がある。
塗り分けで注意する点は、濃い色から塗装することだ(そうしないと表の色に影響が出る)。最初、チェストカバーの首周りは黒くしようと考えていたのだが、そうすると首周り「以外」をマスキングする必要がある。それはちょっと面倒だったので、今回、楽をするためにシルバーに変更。こうすると、最初に塗るのはライトグリーンになるので、首周り部分「だけ」をマスキングすれば良いのだ。
パーツによっては、さらに穴開けが必要なものもある。直径は2mm、3mm、6mmの3種類があるので、キリやドリルなどを使って穴を開ける。筆者の場合、2mmと3mmはドリルを持っていたが、6mmはないので一旦3mmで開けてから、リーマで穴を大きくしていった。
ホームポジション設定は念入りに
外装パーツを取り付ける前に、AT01のホームポジションの設定を行う。最初に電源を入れると下の写真のようなポーズになると思うが、付属ソフト「HeartToHeart3」のトリム調整機能を使って、直立状態に持って行く。またマニュアルにあるとおり、サーボのリバース設定も忘れずに。
最初に電源を入れた状態。足を見てほしいが、このようにくっついた状態はサーボに負担がかかるので、こうなっていたらすぐにトリム調整機能で離そう |
アングルゲージなどを見ながら、トリム調整で直立姿勢に。リバース設定にしたサーボはまた位置が変わるので、トリム調整をやり直す必要がある |
このホームポジションは、ロボットの基本となるポーズで、全てのモーションに影響を及ぼす。安定した動作のためには非常に重要なので、ここはじっくりやってほしい。特に、前後のバランス、左右対称などには注意して進めよう。サンプルの歩行モーションを実行してみて、転倒せずに歩ければ、まぁ大丈夫だろう。