夏といえば……

今年もこの季節がやってきた。女子の肌の露出が増える、暑い夏が。

もちろん、「好きで露出してるんじゃない! 暑いから仕方ないんだ!! 」という意見もあるだろうけど、中には確実に「わかってて露出している」女子もいるのである。これみよがしに、見せつけてくるのである。別に俺に見せつけたいわけではなく、隣にいるイケメンにアピールしているのは明白であり、おこぼれ的に眼福にあずかっている自分としては偉そうなことは言えないのであるが、しかし今回は言わせていただきたい。

露出すればいいってもんじゃないぞ!

と。

いや、露出が強力な武器なのは間違いない。スカートからすらりと伸びた脚にはどうしたって目が行くし、しゃがんだときのジーンズとTシャツの間から見える肌には目が吸い寄せられるし、ちょっと深めに開いた胸元から谷間がのぞいたりしたら、その日一日は神に感謝して過ごすことになるのは間違いない。

女性の肌が見えることが我々にとって大いなる喜びなのは認めよう。だが、認めた上であえて言おう。

肌が見えてりゃいいってもんじゃないのだ!

これを俺は「水着と下着」理論と呼んでいる。つまり、「下着と水着はほぼ同じ面積しか体を覆っていないのに、人前に出ると下着は恥ずかしくて、水着は恥ずかしくない」というアレである。

なぜ恥ずかしくないのかというと、水着は「人前に出るもの」なのに対して、下着は「人前には出ないもの」だからだ。これは男目線だと、普通は見せないものが見えるから嬉しいのであって、見えて当たり前のものが見えても何も嬉しくないのだ。それは、見えている肌の面積の問題ではない。寄せてあげた胸元を堂々と見せてアピールされるよりも、ほんの一瞬のぞいたおパンティーの方がはるかに価値があるのだ。あ、おっぱい星人は別にしてね。

で、これはなぜなんだろうと。

なぜ俺は見せつけられる露出より、偶然の露出を好むのかと。三日三晩寝ずに考えた結果、結論が出た。

「物語」である。

見せつけられる露出には「物語」がないのだ。強いていうなら「目の前の男を落としたい、あるいは男に肌を見せることで視線を引き付けたい」という見え透いた目的しか感じないのだ。

しかし、ふとした瞬間に遭遇した偶然の露出はそうではない。「見せるつもりはなかったのに、見えてしまった」という物語がすでにそこにはある。偶然は想像力をかきたて、妄想を呼ぶ。

露出には起承転結が必要なのだ。何でもかんでも、いつでもどこでも露出していたら、そこには起も承も転も結もない。ぜんぶ「結」でしかない。つまりは、ちゃんと物語になっていることが重要なのだ。

ということで、女性が意中の相手にアピールしたいとき効果を発揮する正しい露出について考えてみよう。

1.ハプニング型

パンチラに代表されるハプニング型の露出は、俺のような非モテでも唯一遭遇する可能性のあるイベントだ。「見せつけ」を一切感じない突発的なハプニングは、それ自体が物語性を帯びていて価値が高い。ハプニング型なので意図して発生させるのは難しいが、それすらもコントロールするテクニックがある。それについては後述する。

2.フェス型

夏といえば夏祭りである。そして夏祭りといえば浴衣である。浴衣は別に露出度が高いわけではないのだが、その代わり、髪型などを変えることでうなじが見えたりといった日常生活とは違った露出に出合う可能性がある。露出の価値とは肌面積ではない。普段見えない肌が見えることだ。

3.レアケース型

夏だからといって毎日のように露出していては、肌の価値が目減りしてしまう(涼しい格好をするなということではない)。露出するのは"たまに"だからいいのだ。ダイヤモンドだって女剣士カナンだって希少だから価値が出るのである。露出はいわばファイナルウエポンだ。ここぞというときに使えば、破壊力は絶大である。

さて、1のハプニング型だが、実はこれをコントロールする方法がある。「未必の故意」を使うのだ。未必の故意とは、「意図したわけではないが、もしかしたらそうなるかもしれないとは思っていた」という意味の法律用語だ。

これをパンチラに当てはめてみると、こうなる。

「ローライズなジーンズをはいて行くと、しゃがんだりしたときにパンツが見えてしまうかもしれない。その可能性はわかった上で、しかしあえてローライズジーンズをはいていく」。

つまり、「見えてしまうかどうか」ははっきりしないわけだ。「意図したわけではない」から、わざとらしい露出にはならない。しかし、見える可能性が十分にあるので、ハプニング型の露出イベントが発生する可能性はあるのだ。

この未必の故意ならぬ、未必の露出を使えば、効果的に「物語」を生み出しながら露出を演出できるはずだ。そして何度も言うが、イケメンの隣にいる非モテでもおこぼれを享受できるありがたいイベントでもある。

全員がWin-Winになれるこのテクニック、女子の皆さんはぜひ使ってほしい。

※画像は本文と関係ありません。