これから年始にかけて就職活動が活発化し始めるなか、皆さんは自分が今後働くかもしれない企業を、どのように調べていますか?ナビサイトで条件を入れて調べたり、TVやSNSなどの広告でお馴染みの企業の採用サイトを調べたり、”就職人気企業ランキング”を参考にしたり、大学の先輩やゼミ・研究室の就職実績から見当をつけたり……というケースが多いのではないでしょうか。
この記事では、社員・元社員の「生の声」で理想の企業が探せるクチコミ情報プラットフォーム「OpenWork」でスコアが高い、つまり、実際に働いたことがある社員・元社員が評価をする企業を、各業界別にランキング形式で紹介しつつ実際のクチコミも紹介します。 「就職人気企業ランキング」では読み取れなかった、前から気になっていた会社や名前も知らなかった会社で実際に働く先輩社員の生の声を読んで、新しい出会いを見つけてみてくださいね。
今回は、「OpenWork」のスコアより、入社の競争倍率が高い「マスコミ業界」を掘り下げます。
「マスコミ業界」は主に「出版」「新聞」「放送」の区分に分かれており、いずれの区分においても高収入かつ華やかな仕事ができるイメージもあり、就活生からの人気が高い業界です。しかしながら、新卒採用の枠が少ないこと、他業界と比べ選考スケジュールが早期戦であること、作文試験などのユニークな選考に向けた独自対策を要することを踏まえ「就職難易度」の高い業界としても知られています。
また、マスコミ業界全体としても昨今のインターネットメディアの台頭に伴う紙媒体/TV離れを踏まえ、時流に即した業態変化が求められている最中でもあります。今回は、マスコミ業界の成長環境や組織風土を、社員・元社員のクチコミから分析していきます。
実際に働いた社員が評価する、「マスコミ業界」企業の総合評価ランキング
まずは、実際に「マスコミ業界」で働いてきた先輩たちは組織にどのような評価をつけたのでしょうか? まずは、8つの評価スコアから算出した「総合評価」のスコアが高いTOP10企業をランキングしました。
※この記事ではOpenWork上の業界区分「放送、出版、新聞、映像、音響業界」を「マスコミ業界」と称します。
マスコミ業界1位は「日本テレビ」という結果になりました。TOP10を見渡すと、テレビ局や出版社など、多様な業態の企業がランクインしています。
特にテレビ局や出版社は激務で縦割りのイメージが残っていますが、それぞれの社員クチコミを見ていくと、労働環境の改善に取り組んでいることや、若手でもチャレンジ・成長できる環境があることがうかがえました。
「自由な風土で企画などだれでも応募でき、非常に活発に社員の上下なく発言できる環境である。上下関係の古い体制は少し残るもののコンプライアンスは非常に高く、研修などでも常時行われており、社内環境はどんどん良くなっている状態である」(管理職、男性、日本テレビ放送網)
「レーベル企業の中ではかなり業務体系改善に乗り出しており、代休・有給の消化奨励日があるなど改革に乗り出していたイメージ。今はもっと良くなっている可能性が高い。部長や上司、先輩との相性にもよるが、現場仕事が多い分直接現場にいって直接帰ることもでき、ワークライフバランスは整えやすかった。(音楽宣伝、女性、ポニーキャニオン)
「担当クライアントを100社前後担当し、それぞれにヒアリング・課題設定・課題解決案の考案・提案・取材・制作・効果振り返りと必要な行程をすべてかかわることができるため、激務ではあるが成長できる環境。いい意味で小規模な会社であるため、上司や先輩が成長を丁寧にサポートしてくれる。また、営業としての成果や後輩教育にとりくんでいればキャリアアップも図りやすい。(営業、女性、リクルート北海道じゃらん)
「社員数が少ない分、他部署にも顔見知りの社員が多くプロジェクトの推進などはしやすい。近年働き方改革の影響もあり、残業なども少なくなってきており、一昔前と比べれば格段に働きやすい環境になっていると思う。(ディレクター、男性、讀賣テレビ放送)
「新人の頃から扱う教材規模が大きく、非常に小規模のものでも、年間売り上げが三万部くらいになります。早くて、3年目には教材やサービス責任者となることができるので、実務経験だけでなく、マネジメントの考え方を知ることができます。(課長、男性、ベネッセコーポレーション)
総合評価スコアTOP1は日本テレビ、テレビ局社員の声には変化スピードに対する懸念
マスコミ業界1位の日本テレビを始め、毎年新卒採用の競争倍率が高いことで知られるテレビ局。ここからは主要キー局やNHKの社員の声を見ていきましょう。日本テレビ以外のテレビ局の評価はそれほど高くはなく、年功序列や古い体質への不満、ワークライフバランスの課題など、厳しいクチコミが多く見られます。インターネットメディアの台頭や、映像コンテンツの視聴スタイルが大きく変わる今、放送局としてのビジネスモデルを見直さなければという危機感を持つ声も見られました。
「昔からのテレビビジネスだけでなく新たなチャレンジを数多く行っている。正直、まだまだ過去の成功体験から抜け出せない古い風土も残っているが、中途採用も積極的に行って新しい人材を確保しつつ、外部のノウハウを積極的に社内に展開しようとしているのは間違いない。テレビCMの広告収入が収益の柱であるのはまだ変わっていないが長期的には配信事業などの比率を高めていくべく様々な取り組みが進んでいる。(事業、男性、日本テレビ放送網)
「テレビ放送を軸に制作編成営業を中心とした組織体制だが事業部門やラジオ放送、プラットフォーム運営に加え近年では国内へのコンテンツ販売を専門に担当する部門も新たに設置されるなど経営は多角的に展開している。文化的にはかつて制作部門を中心に多く見られた体育会的な上下関係の色合いも大分薄くなり、風通しの良い企業文化が根付いていると思われる。(海外事業、男性、TBSテレビ)
「強み:圧倒的なコンテンツ制作能力。テレビ放送という形でなく、ネット配信という形になっても十分通用するだけのコンテンツ制作能力とコンテンツ量がある。 弱み:テクノロジーのリソースが少ないので、ネット配信になってどれだけ稼げるか未知数。もっとこの分野のリソースを増やす必要があるだろう。あとコンテンツ制作以外のセグメントが乏しく、もっと事業の幅を広げないと危険だと思う。事業展望:ネット配信がいずれ主力業務になっていくのでは。テレビ放送を通じた高齢者向けのコンテンツから、ネット配信を通じた若年層にリソースを大胆にシフトしていけば、十分展望はあると思う。(報道、男性、テレビ朝日)
「強み:なんといってもNHKという看板。他社の取材には応じないけれど、うちの取材には、と考えてくれる人も多い。弱み:放送法に守られている一方で、放送法に縛られているというのも事実だと思う。いまやテレビを持たない人も多くなっていて、ネットでいかに発信するかという考えも強くなってきているが、できることとできないことの差も大きい。事業展望:受信料といった仕組みを大きく変えていかなければならないのは内部でも強く思われているが、世の中の反応を見るに簡単なことではない。けれど、テレビ・放送だけではこのままではやっていけない、変わらなければという声は中でも相当強い。(記者、男性、日本放送協会)
変革期を迎えているマスコミ業界。自分に合う組織で活躍するには
今回はマスコミ業界を紹介しました。就活では人気業界で「狭き門」とされていますが、コンテンツへの接触スタイルが大きく変わった今、時代に合わせた変革が求められています。各社が旧来型のメディアからの脱却を模索する中、新しい視点によるビジネスが創出できる可能性も秘めていると言えます。
そういった変化を楽しめるのか、それを挑戦と捉えられるのかが、マスコミ業界を志望するにあたっての鍵になるかもしれません。OpenWorkにある「先輩の声」を上手に活用して、企業研究・選考対策をしてみてくださいね。
OpenWorkとは?
「OpenWork(オープンワーク)」は、実際に働いた経験に基づく社員・元社員の声を共有しているクチコミ情報プラットフォームです。その会社で働いていた先輩社員はOpenWorkにクチコミを投稿する際、8つの評価(待遇面の満足度、社員の士気、風通しの良さ、社員の相互尊重、20代成長環境、人材の長期育成、法令順守意識、人事評価の適正感の8項目で数値評価)を付け、8カテゴリのクチコミから合わせて500字以上を投稿します。
企業の社員・元社員から情報を収集しているWEBサイトとしては、国内最大規模のクチコミ数と評価スコア(1,380万件超)が蓄積されており、会員数は約515万人(2022年10月時点)となっています。またOpenWorkを就活時に活用した22卒学生は24.9万人。おおよそ毎年就活生は50万人いるとされているため、単純計算では就活生の2人に1人が活用しているサービスです。
就活生の多くは、自分が気になった企業の評価や社員クチコミを調べる企業研究にOpenWorkを活用するケースが多いのですが、先述した8つの評価スコアを元に調べることで、OpenWork上で自分が求める・大切にしたい事を軸に検索をかけて、企業を探すことができます。