独立起業から悠々自適なリタイア生活まで、さまざまな夢を叶えてくれる1億円ですが、あなたは自分が実際に"1億円を作れる"と考えたことはありますか?

現在日本で1億円以上の資産を持つ人はおよそ302万人、決して少ない数字ではありません。日本最大級のお金の学校「ファイナンシャルアカデミー」が、普通のサラリーマンでも「月5万円で1億円を作る方法」についてお伝えします。

1億円を作るための方法として、前回までに「貯蓄×資産運用」が有効だとお伝えしてきました。では、この「資産運用」をどのように行っていったらいいのでしょうか。

今回は、買う価値のある資産をどのように見極めたらいいか、ギャンブル、投機、投資の3つの違いを理解しながら、勉強していきたいと思います。

  • 買う価値のある資産はどう見極める? ギャンブル・投機・投資の違い

その選択に「再現性」はある? ギャンブル、投機、投資の違い

実は資産運用は、やり方によって、ギャンブルにも、投機にも、投資にもなります。そして、1億円を作るために行うべきことは、「投資」としての資産運用。何をもって「投資」と言えるのかは、「再現性」があるかどうか、にかかっています。

まず「ギャンブル」とは、運用先を選ぶ上での基準がない状態のことを言います。運用先の良し悪しを判断するための知識がないので、資産が増えてもなぜ増えたのか、資産が減ってもなぜ減ったのかわかりません。再現性がないのです。

例えば投資信託で運用先を選ぶ際、窓口のコンシェルジュに言われるがままに商品を選んでしまったり、雑誌の「注目株特集」で紹介されている株式を何も考えずに買ってしまったり、直感や運頼みで資産を購入してしまった場合も「ギャンブル」になります。

次に「投機」です。これは選ぶ基準はあるのですが、知識に偏りがあり、一時的な価格の値動きでしか判断できていない状態を言います。偶然の現象に対する知識、短期的にしか使えない知識に頼っているなど、再現性はあるものの、再現性が低い状態になります。

たまにインターネットなどで見かける「わずか1週間で○○円儲かるマル秘投資術」といったような、ものすごく短期間で莫大な成果を出すような手法は、投機にあてはまるケースも多いのが実情です。

最後に「投資」についてですが、これは再現性のある方法で判断している状態を言います。

資産運用の世界にも、「青信号は渡ってOK、赤信号は渡ると事故につながる」といった誰でも同じ判断ができる指標や知識が存在します。この明確な判断基準を知ってこそ、資産運用が「ギャンブル」や「投機」ではなく「投資」になるのです。

宝くじで考える「期待値」

誰でも同じ判断ができる指標や知識には、さまざまなものがありますが、まずは判断基準の一つ、「期待値」について知っておくといいかもしれません。商品を購入した場合に、どれくらいのリターンが期待できるかをはかる指標です。

宝くじを例に考えてみましょう。1等は3億円の1枚300円のジャンボ宝くじ。3億円は13本、1億円の前後賞が26本と、億万長者がなんと最大39人も生まれる計算になるのですが、この宝くじをもし全部買い占めたとしたら、いくら払っていくら当たるのでしょうか。

全部でいくら当たるかと言うと、1等の3億円から、7等の300円までを全て足すと、194億9,870万円となります。買うのにいくらかかるかと言うと、1億3,000万枚売られているので1枚300円とした場合、390億円となります。

この「390億円出して、195億円当たる」ということを「期待値」で表すと0.5(50%)。つまり宝くじは、300円投資したら150円しか戻ってこない商品だということが分かります。

言い換えれば、「得られるリターンは低くて、資産をなくすリスクが高い状態」。300円出して150円しか戻ってこない投資があるとしたら、みなさんはトライするでしょうか。

しかもこの期待値は面白いことに、繰り返すごとに再現性が高くなるという特徴があります。

わかりやすく説明すると、宝くじを1枚だけ買った場合は、はずれたら0円ですが、当たった場合は最高額で3億円、最低額でも払った分と同じ300円が入ってきます。ですが、2枚、3枚、100枚、1,000枚と買う枚数を増やしていくと、どんどん期待値通りの金額に寄っていき、つまるところ、1億3,000万枚全部買えば、ちょうど出したお金の50%になるということです。

そういった意味では、宝くじは買えば買うほど、確実に損をするということが分かってしまいます。再現性を考えると、宝くじの見え方も、少し変わってきますよね。

「期待値1.0以上」のものには、買う価値がある

この期待値を今度は、株式投資で考えてみましょう。例えばA社の株が10万円で買えるとします。そのA社の株は、1年後、0円になる可能性が20%、20万円になる可能性が80%とします。

これを期待値で考えてみると、まず想定される利益が0円×20%+20万円×80%で16万円です。元本は10万円ですから、16万円÷10万円で期待値は1.6(160%)となります。

さて期待値160%のこの会社の株、買いますか? 買いませんか?

これは"買ってもいい"と判断ができます。さらに、このような銘柄を5種類、10種類と持っておくと結果がより期待値に近づき、再現性を持って10万円を16万円、100万円を160万円にしていくことができるわけです。

つまり、期待値1.0以上であれば買う価値があり、期待値1.0以下であれば買う価値はなく、期待値1.0以上のものに、繰り返し投資し続けるとそれだけ再現性もあがる、ということです。

資産運用が、ギャンブルでも投機でもなく「投資」として行えるかどうかは、運でも勘でもなく、こういった再現性のある知識を持って行動できるかにかかっています。1億円を作ってきた人たちは、こういった知識を持って行動してきた人たちなのです。

次回は気になる「リスク」について学びを深めましょう。

ファイナンシャルアカデミー

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」。2002年の創立以来、東京校・大阪校・ニューヨーク校・オンライン校を通じて18年間で延べ57万人が、貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から、資産運用、キャリア形成、人生と社会を豊かにするお金の使い方までを学んでいる。現在、株式投資スクールや不動産投資スクールなど各スクールとあわせて、無料で学べる「ゴイチ(月5万円で資産1億円を作るセミナー)」「サンサン(月3万円で3,000万円を作るセミナー)」等、様々なセミナーも提供している。