前回は「結婚できない女」を説明し、これまでに"結婚しない" (本音は"結婚できない"!? )という未婚化が進んでいる背景を理解してもらえたことでしょう。今回は、ついに結婚できる男・女になるための答えを山田塾長が教えてくれます。異性と1回も交際したことがなくても、数カ月後には幸せな結婚をしているかもしれません!

母親が24歳の娘を連れてきた時の話

「私まだ結婚なんて興味ないからお見合いなんてせーへん!」と言っていた娘だったが、初めてのお見合いで「私、今日の人と結婚するわ!」と言い出した。

山田塾長「え? あんた結婚せーへんのんちゃうの?」
娘「今日の人がいいねん」
母親「あかん、あかん! まだまだ他にも紹介してください」

また別の人を紹介したところ……

娘「前の人はやめて、今日の人と結婚するわ」
母親「あかん、あかん!もっともっと紹介してください」

3人目。身長158cm、高卒、電気工事の仕事で年収400万円という男性を紹介した。

娘「前の人もやめて今日の人と結婚するわ」
母親「あんた誰でもいいんか!」
娘「最初の人は楽しかったし、すごく話をしてくれた。2番目の人は、楽しいし、すごく気を遣ってくれた。3番目の人は楽しくて気も遣ってくれて、なんか私のお父さんとお母さんを大切にしてくれそうやってん」
山田塾長「わ~、この娘はいろいろ相手を見てるんや。かしこい娘や」

それでも母親が「もっといい人おれへんの?」と言うので、もう1回誰かに会わせようとしたら、娘は「もう会わへん」ときっぱり。「お母さん、1回会ってみ」と母親を諭して、娘が彼を実家に連れて行ったところ、母親は「3番目の子でいいですわ」とあっさり折れた。それで、すぐ結婚。今では3人の子供に恵まれて、母親も「彼は重宝してるわ~。パソコン壊れても、ビデオ壊れても修理してくれるし、すご~く豆な人」と満足げな様子。

結婚への1番の近道はたくさんの相手に「会う」

山田塾長「結婚できる人の特徴の一番は『いろいろな人と会う労力を惜しまない』ってことやねん。会員になったからって行動しないで決まるなんてことはないからね。自分の好みのタイプの人だけに会いたいなんて"自分オンリー"な考えの人は相手には受け入れられないで」

筆者「結婚できる男性というのはどんな人ですか?」

山田塾長「男性は話上手でなくてもいいんや。誠実に行動さえできれば。それが"原石くん"。 原石くんはエリートと同じくらいアイテムを持っているのに、会話力がない、お金の使い方を知らない、リード力もない、写真もぼ~っとして見えるから、選ばれにくい。だからこそ磨いてやれば、石ころもピカ~っと光るかもしれない。お断りされても、その度に一歩一歩確実にコミュニケーションが上手に取れるようになる。話し下手ならデートは水族館やお笑いがあるところとか、『かわいい』『きれい』っていう単語だけで一緒に笑えて場がもつスポットへ行けばいい。カウンター越しにマジックを披露してくれるマジックバーなんかもいいで。カウンター席に隣同士で座って、目の前でマジシャンがカードの手品で『じゃあ彼とって』『彼女とって』と、『彼』『彼女』という言葉を使われているうちに交際を意識するもんや」

筆者「なるほど。周りからの影響で恋愛が進展することってありますよね」

「今日はCコースまでいけた!」--デート1回ごとに賢くなる"原石くん"

山田塾長「お金の使い方についても、1回目は割り勘にしたと聞いて、原石くんに『お金は全部出しなさい。相手が出すと言っても絶対に受け取らないように』と話をしたら、2回目は全部支払うようになった。3回目はお金の支払い方もスマートになって、『僕の知っているお店に行きましょうか?』と行く場所も選べるようになって徐々に磨かれていく。それだけでなく仲人のアドバイスをしっかり実行した男性に対し、女性は『人の話をちゃんと聞くことができるし、融通も利く男性なんだな』という印象が生まれるねん」

筆者「『私のために頑張ってくれているのかな』と思うと、より嬉しいですね」

山田塾長「原石くんは具体的に1回目のお茶は『ここ』っていうお店が決まったら、2回目はまずここに行こうかっていう場所を1カ所ずつ決めていく。デート1回ごとにAコース、Bコース……と決めていったら、『今回はCコースまでいけた』、『今回はBコースまでだった……』と喜びも反省もできる。自分のテリトリーの中に彼女を連れて来たら、どこに何があるかもわかるやん。初めての場所に連れて来たら、『どんなとこやろ』って自分でも緊張するやん。1つずつ賢くなってテリトリーができたら、なんでも自分でやっていけるようになる」

筆者「原石くんの成長は見事ですね!」

山田塾長「女性も原石くんを見つけたら磨かなきゃ。原石くんは目の前の女性が今、どこに行きたいかなんてわかるはずがない。うまく誘えるはずがない。そんな時には女性は『今日は暑いですね。私は水族館なんて神秘的で好きですよ』とか、それとなく男性が誘いやすい方向に持っていく。食事でも『和食とイタリアンどちらが好きですか?』と話を振って、男性が『イタリアン』と言えば、『あ~、私もイタリアンが好きですよ、一緒ですね』と選択させる誘導作戦もOK。同調してあげるのも原石くんに自信がつく一歩やねん」

「男の人っていい人ばかり」--惚れっぽい"原石ちゃん"

筆者「では、"原石ちゃん"というのもいますか?」

山田塾長「今まで男性と付き合ったことがないタイプ。化粧っけがなく、お洒落もダサい、写真でも笑顔が出せない。でも素直さと思いやりと料理なんて作らせると抜群なのが、原石ちゃん。しっかりした奥さんになるで」

筆者「どういうふうに磨かれますか?」

山田塾長「付き合ったこともない、惚れられたこともないから、男性が優しくしてくれたらすぐ惚れてしまう。後は高いエステに行くよりも女性ホルモンでどんどん磨かれていく。ある原石ちゃんは今、最高5人の男性と付き合ってるで!」

筆者「すごい!」

山田塾長「26歳の素直な女の子で、交際経験がないから紹介する男性は彼女にとってみんな"いい人"になる。『男の人ってこんなにいい人ばかりで、私、誰を選んでいいかわからへん!』って。持ち前の素直さで相手のいい面を見つけるから、すぐ恋愛対象に見えてくる。他の女性に断られている男性にとっても嬉しい。そろそろ『一番、○○さんが好きって言ってくれるから○○さんにしようかな』と言っている。すっかり幸せの絶頂期やな。今まで出会いがなかっただけ」

筆者「お見合いで結婚できて、美しくもなれるなんて一石二鳥ですね!」

山田塾長「お見合いでは原石くん、原石ちゃんがたくさんいる。ちょっと普通では恋愛できないかもしれないけど、お見合いでたくさんの異性に出会っていくと、本来の素直さで素晴らしく変身してくれる。あっという間に結婚してくよ。相手を見て『嫌だ』『タイプじゃない』とシャッターを下ろすような人は結婚なんてできない。"化石"になる前に行動しないと!」

筆者「"化石"とは恐ろしいですね」

(イラスト : 櫻井輪子)

山田由美子(やまだ・ゆみこ)氏プロフィール

仲人(日本仲人協会加盟)。「山田結婚相談所 お見合い塾」主宰。1958年4月2日、大阪府生まれ。
20歳で結婚生活~28歳で離婚。30歳を目前にお見合い活動を開始し、1年間で80人もの男性とお見合いを経験し、2年目に結婚。「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」を経て、1997年に仲人業として独立し、「山田結婚相談所★お見合い塾」を開業して今年で12年目に入る。基本姿勢は「昔ながらの仲人業」で、結婚に悩める会員の背中を日々、ユニークな熱血アドバイスで押しまくり、成婚へ多数導き、仲人こそ天職と実感する。その結果、日本仲人協会で10年連続「成婚最優秀賞」を受賞している。現在は東京にも進出し、仲人が管理するネットお見合い会員を募集中。全国で仲人も育成し、指導に当たっている。9月26日全国の書店で著書「本気で結婚したい人のお見合い活動マニュアル」(飛鳥新社刊/1260円)を刊行した。
公式サイトは「やまだ結婚相談所」。公式ブログ「婚活 応援ブログ=仲人のため息」も必見だ。