前回は、自分から結婚相手を見つけにいかなくては、気づけば年齢だけ増えて出会いは減っていたという"結婚できないスパイラル"に陥るという最近の結婚事情についてお伝えしました。そこから脱出すべく「婚活」が盛り上がってきていますが、就職活動と同じで結婚相手を選び、選ばれるためにまず必要なのは自己分析。今回は「結婚できない男」の3タイプについて山田塾長が説きます。女性に選ばれないタイプのままでは出会いの数だけ増やしても意味がありません。読者の皆さんがこのタイプに入っていないことを願いつつ……、間違いから学んで「結婚できる男」になりましょう。

あるエリート男性の話

お見合いの日の夜、男性は仲人へ「OKです!」との返事。しかし、一方の女性からは全く連絡がなく、翌日「すいません、疲れ果てて爆睡していました」と仲人へ電話があった。
女性「彼、すご過ぎるんです…」
山田塾長「なにが! ?」
女性「彼は会社のエリートで、私と別れた後も仕事に行くって言うんです。休日出勤もあるみたいだし。そんな多忙なのに、英会話教室にも通ってるって聞いて……、本当にすご過ぎるんです」
初めてお見合いを経験した女性にとって、延々と自慢話を聞かされたことが苦痛だったようだ。

相手の気持ちに鈍感な「自分の気持ち一直線系」

山田塾長「結婚ができない男には3パターンあって、この実話に登場する男はまさに『自分の気持ち一直線型』の典型例。男性からするとそれなりの年収や学歴などのアイテムを持っているのに、いざプロポーズしたら断られて『なんで? 』ということになる」

男性「今日のお見合い相手は、すごく楽しんでくれました!」
山田塾長「良かったね~、どうやって楽しませたん? 」
男性「お茶は○○でして、○○展を見て、その次は観覧車に乗って、夜ご飯を食べて、それから夜景を見に行ったんですよ~! 」……と嬉しそう。

ところが彼女に聞くと、「めっちゃしんどかった~! 耐えられへんかった」とのこと。 彼女は、ひょっとしたら彼のいいところが見つかるかもしれないと期待して、ずるずるとついていってしまったという。 そのことを彼に伝えると、「嫌だったらなんでそこまでついてくるの? 」と落ち込んでいた。

山田塾長「この場合も相手への気遣いがない『自分の気持ち一直線型』やと言えるね。お見合いの日は彼女、ヒールを履いていたのに、あちこち連れまわされてどんだけ足が痛かったことか……そういうことが解らないまま自分が一生懸命になる」

筆者「女心が解らないという程度じゃないですね」

"エリート難民"になったら結婚できないまま一生漂流!?

山田塾長「『自分はこれだけの男だから、これだけの女じゃないと』っていい女ばかり選んでも女性の気持ちがついていかないから断られる『身分分不相応型』もなかなか結婚できないね。年収も学歴もあってプライドがしっかりしているのはええけど、自分を過大評価し過ぎていることに気が付かないまま、歳をとったらみじめやね。結局、今まで誰も選んでくれていないんやからなぁ。若い時は綺麗・可愛い女性が押し寄せてきたんだろうけど、その時に決められへんかったのにいつまで経っても同じ条件で考えてる。いわゆる"エリート難民"やね。」

筆者「難民ですか……」

彼女のことを母親に相談するなんて! パラサイト親子が急増中

山田塾長「そして、もうどうしようもないのが『結婚勘違い型』。はっきり言ってマザコンってことや。『僕はお母さんとも家族とも仲が良くて何でも話すんです』と、彼女のことを母親に話すのは大間違い! 良いことは言ってもええけど、彼女の悪口は友達にも絶対言ったらあかん! あんたの周りはあんたの味方ばかりやからな。私ら仲人のような第3者に言ったらいいんや。実際にこんな話があったんやわ」

無事結婚も決まって結婚式の衣装を見に行く段階で、彼女が「着たいウェディングドレスがあって、それ着たらあかん?」と言った。なんでも、昔結婚しようと思った時にあつらえたのだとか。結婚はその後破談となったという。

仲人として「昔のことをなんで正直に言うの? それで彼を傷つけているのが解らない?」と言ったものの、もう彼に伝えてしまって後の祭り。彼も「いいよ」と言ってくれ、彼女もそれで終わったと思っていた。

ところが、彼は母親にそのことを伝えてしまった。母親からは「なんて失礼な女性なんですか! 昔の彼の結婚式で着る予定だったドレスを着るって礼儀知らずにもほどがある!」とごもっともなお叱りがきた。

母親が結婚に大反対なのに対し、彼は「なんでやろ?」という様子だった。

山田塾長「当たり前やろ! お母さんは息子の味方。彼女とは同姓であくまでも息子の嫁とは女同士の戦いなんや。男性のこれから守るべき相手は彼女なんや。その彼女の悪口を言って母が黙ってるはずないやん」

筆者「夫になる自覚が全くないですね……。親離れはいつ!? 」

山田塾長「親離れ子離れできていない"パラサイト親子"が増えてるね。2人のことに関して母親の意見は要らない。母親と息子の間に嫁が入れない。息子と嫁がうまくやっていてこそ、その間に母親が入る方が幸せだと感じないやろか? 」

山田塾長「女性にも多いんやで、パラサイト親子……。デートをして帰ってきて母親に『今日はどうやったん?』って聞かれると、女性は男性の嫌なところを伝えてしまう。『お金に細かい』とか『変な癖がある』とか……つい話してしまう。お断りをしようと思っているのならOK。だけど、本人がお付き合いをしていくうちに気に入っていっても、母親は前に聞いたことを忘れへん。『あんた大丈夫か~??』ってね」

筆者「結婚できない負のスパイラルを起こしている張本人は、パラサイト親子ですね」

山田塾長「お見合いする時点で、将来の同居の話が出てくるのもあかん! 彼女にとっては、その時点では彼の親は他人や。他人と一緒に住むなんて考えると、自分の親としか住んだことがない女性が多い中で無理やろ。夫婦になって子供ができて、親が孫を可愛がるうちにだんだんと家族の形になって、初めて夫の親のことも考えていけるようになるんやわ」

筆者「だんだん深い話になってきましたね」

山田塾長「これから誰と家族になっていくかを考えてほしいもんやわ。男性は、これからの奥さんとなる人の悪口を言わない。女性も、旦那さんになる人の気になる部分を言わない。自分の親に言うのが決して仲が良いとは言わない。どうせ言うんやったら……相手の親に言うもんやで!!」

(イラスト : 櫻井輪子)

山田由美子(やまだ・ゆみこ)氏プロフィール

仲人(日本仲人協会加盟)。「山田結婚相談所 お見合い塾」主宰。1958年4月2日、大阪府生まれ。
20歳で結婚生活~28歳で離婚。30歳を目前にお見合い活動を開始し、1年間で80人もの男性とお見合いを経験し、2年目に結婚。「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」を経て、1997年に仲人業として独立し、「山田結婚相談所★お見合い塾」を開業して今年で12年目に入る。基本姿勢は「昔ながらの仲人業」で、結婚に悩める会員の背中を日々、ユニークな熱血アドバイスで押しまくり、成婚へ多数導き、仲人こそ天職と実感する。その結果、日本仲人協会で10年連続「成婚最優秀賞」を受賞している。現在は東京にも進出し、仲人が管理するネットお見合い会員を募集中。全国で仲人も育成し、指導に当たっている。9月末には著書「本気で結婚したい人のお見合い活動マニュアル」(飛鳥新社刊)が刊行される。
公式サイトは「やまだ結婚相談所」(左は随時作成中。元々のサイトは「山田結婚相談所 お見合い塾」)。公式ブログ「お見合い稼業★仲人のため息」も必見だ。