オールドレンズにハマってからマニュアル撮影の楽しさを知った筆者です。オートフォーカスに頼らないスタイルなら、マウントが異なるレンズも選び放題。このすばらしい世界にロマンを見るか、沼を見るかということでしょう。今回はソニーのミラーレス機(NEX-5N)を使い、キヤノン、富士フイルム、ニコンのオールドレンズをご紹介します。
各社レンズの特徴
キヤノンのオールドレンズには、FLマウント(1964年~)、FDマウント(1970年~)などの系統があります。筆者はオークションサイトで「FD 50mm F1.4 S.S.C.」を2,200円で購入。これは1973年に発売された標準レンズで、解像度の高さと発色の良さが特徴です。
オールドレンズを始めたばかりのころに3,400円で購入したのが、富士フイルムの「EBC FUJINON 55mm F1.8」でした。明るい色がしっかりと出る1970年代のレンズです。現代にも受け継がれている富士フイルムの絵心が感じられます。
オールドレンズには個体差もあります。コーティングのはがれ、カビ、キズがあったりすると普通はマイナスイメージですが、そのレンズにしか出せない描写が楽しめるということでもあり。これもオールドレンズ沼の前向きな考え方です。それにこうしたレンズは安いですしね。
筆者が2,700円で購入したニコンの「New NIKKOR 50mm F1.4」(1974年発売)には「キズ、カビ跡、薄いくもりあり」という説明がありました。たしかに開放で撮ると、遠くに見える信号機や人物のシルエットがにじみ、まるで夢のなかにいるかのような写りになります。一般的に大口径のオールドレンズは、開放でにじむことが多いとされています。
開放ではホンワカした雰囲気になる筆者のオールドニッコールも、絞るとシャキッとした違う顔をのぞかせます。1本で表現の違いをあれこれ楽しめるなんてお得です。
アダプターについて
アダプターにも触れておきましょう。これはオールドレンズに限りませんが、カメラ本体のマウントとは異なるマウントのレンズを使う場合、マウント変換アダプターが必要になります。たとえば、マイクロフォーサーズ規格のカメラでニッコールレンズを使う場合、「NIK - M4/3」のアダプターが必要です。
アダプターを使うとマウントが変換されるほか、フランジバックの長さも調整されます。フランジバックとは「レンズのマウント面」から「ミラーレス機のイメージセンサー」までの距離のこと。メーカーによって長さが異なり、たとえばニコン「Z」なら16mm、富士フイルム「X」なら17.7mm、ソニー「E」なら18mm、キヤノン「RF」なら20mm、マイクロフォーサーズなら「約20mm」などと決まっています。
時と場合によっては、アダプターを2つ重ねて使うことも可能です。筆者が常用しているのは、M4/3(マイクロフォーサーズ)マウントをソニーのEマウントに変換する「M4/3 - NEX」アダプター。完全な動作を保証するものではありませんが、いまのところ所有するM4/3用のアダプターは、すべてコレひとつでソニーのEマウントに変換できています。
こっちのレンズにアダプターをかませてカメラに装着して……、やっぱりあっちのレンズにしようかな……、などとガチャガチャやっていると、小さいころに変形ロボットで遊んでいた記憶がよみがえります。心の奥底で、こんな部分にもオールドレンズの楽しみを見出しているに違いありません。