効率性や利便性より機能やデザイン、なにより「自分が好きになれるもの」を大切にするのが暮らし系YouTuber・奥平眞司さんのモットー。時間をかけて選んだ身の回りのアイテムは、どれも暮らしを彩り、毎日を楽しく過ごすのに欠かせないパートナーばかりだ。そんなお気に入りの中から、最近購入したオススメの品の魅力を本人がつづった。
使い勝手バツグンの理科室の椅子
学生時代を過ごした校舎にはそれぞれお気に入りの場所があったかと思います。僕の場合、それは「理科室」です。理科実験が好きだったせいもありますが、古びた木の実験台の手触り、棚に並ぶフラスコやビーカーの美しさ、薬品のほのかな匂いなど、独特のたたずまいを好ましく感じていました。我が家のキッチンもよく見れば、木製の調理台にガラスの保存容器と、なんとなく理科室を思わせる雰囲気です。
そんな僕にとって、「理科室の椅子」が見逃せるはずありません。リサイクル品も扱う吉祥寺の雑貨屋さんで通りすがりに見かけ、思わず足が止まりました。2、3回は確かめに行って一応は悩んだのかな、それでも「やっぱり買おう」と。調理台のそばに置くと一気に〝理科室感〟が漂って、むかし理科室が好きだったなと、ありありと思い出しました。料理もひとつのワクワクする実験です。それまでもキッチンの〝理科室化〟が進んでいたのですが、この椅子を迎えて一気に加速しました(笑)。
もちろん僕の好みを差し引いても、使い勝手はバツグンです。真ん中につかめる穴があるので移動もしやすく、キッチンでの作業用にリビングの来客用に、あるいは踏み台にと活躍しています。2つの椅子を縦に重ねれば、スタンディングのパソコンデスクとしても便利。コンパクトなので収納の場所もとらず、まさに1人暮らしのベストアイテムです。理科室感にこだわりがない人は、自分好みにペイントしてもいいですね。
歩くのが楽しくなる普段使いのシューズ
ほかに今年買ってよかったと感じるモノは、まず普段履き用の靴です。それまでジョギング用のシューズを別にすると普段使いは3足ほど持っていたのですが、結局はお気に入りばかり使ってしまうので、サンダルを残してお散歩や買い物用は思いきって1つに。いろいろと調べたうえで、ブランドのランニングシューズに決めました。
この靴の良さは、とにかくクッション性に優れていること。普通のスニーカーに比べてかなりミッドソールが厚いので、心地よく足にフィットします。今まで履いていたスニーカーは硬めだったから、最初はあまりの違いにびっくりしたほどです。デスクワーク中心の毎日のなかで「歩くこと」は大切で、特に僕はお散歩でも買い物でも時間をかけてあちこちを探索したいタイプなので、長い距離を歩いてもまったく疲れないこの靴はとてもお買い得でした。なにより歩いていて本当に楽しい。それが一番ですね。
通気性がとてもよく、すぐに乾くのも利点です。運動靴は雨に降られるとぐっしょり濡れ、梅雨の季節などは乾くのに時間がかかりますが、これはあっという間。吊り下げ用の紐がついているのも僕的にはポイントです。
雨の日の外出を快適にする折りたたみ傘
日常使いのアイテムについては使い勝手はもとより、しまいやすさやお手入れの手間も重視しています。そういう点で、今まであまり好みじゃなかったのが折りたたみ傘。雨の日にデパートなどに行くと、濡れたままの傘をビニール袋に入れる羽目になります。両手がふさがり着衣のポケットに突っ込むと中までビチョビチョ。それがすごく不快でした。バッグにしまうなんてもってのほかです。一方で、普通の傘だとうっかり忘れてしまう心配がありました。
悩んだあげく、評判を調べてアウトドア用の折りたたみ傘を購入したのですが、これが予想外の当たりでした。撥水性をなにより重視する僕にとって、水弾きがよく、何回か振るだけでほとんど乾く生地の性能が高得点です。晴れた日を選んでわざわざ外に干す手間もありません。アウトドアの備品なのでサイズが小さくとても軽く、普段使いにはやや物足りなく感じることもありますが、今のところは今年の梅雨を乗り切ったので合格です。自動ではないのでたたみ方に慣れる必要がありますが、今はそれさえ愛おしいです(笑)。
持っている傘はこれひとつです。傘に限らず、お気に入りのモノを〝一点集中〟で使いたおすのが僕のクセ。それに気づいてからは、今まで以上に暮らしをともにするアイテムを吟味、厳選するようになりました。選び抜いたモノが手になじむにつれ、世界にたったひとつの愛用品になっていくプロセスも楽しいですね。