家事を「しなくちゃいけない」ではなく、「楽しくてたまらない」に変えるのが毎日の暮らしを楽しむコツ。そう語る暮らし系YouTuber・奥平眞司さんは、料理もそのプロセス自体を楽しみ、いろいろと〝実験〟している。ここでは奥平流のアレンジを加えたメニューの中から、お酒をさらに味わい深くする、つまみにもぴったりの一品を紹介する。

  • ひと手間で極上の肴に。 お酒がすすむ家呑みつまみ /YouTuber・奥平眞司

簡単だけど満足感たっぷり。できたての燻製で一杯

お酒は好きなほうですが、食にあわせて楽しみたいので飲み過ぎることはありません。1人で〝晩酌〟するのはだいたい週2ペースで、基本的にビールばかりです。好きなブランドビールが2つあって、どちらかを夕食のお供にしています。最近は控えていますが、たまに地元の友人や専門学校時代の仲間を招いて〝家呑み〟することもあり、そのときはワインや焼酎などみんなの飲みたいものにあわせています。

晩ご飯にちょっとビールを飲みたいとき、最近よくつくっているのが燻製です。燻製料理というとハードルが高いように見えますが、燻製機でいぶすだけなので意外なほど簡単です。燻製機も安いものは1500円程度からあり、今はネット通販で気軽に購入できます。香りづけのスモークチップは消耗材なのでそのつど買う必要がありますが、これも500円くらい。

僕がオススメなのは絶対にサクラチップです。燻しが進むにつれてなんともいい香りが漂いだすので、待ちかねて先にビールを開けたりします(笑)。

ヘビロテでつくるのはチーズとタマゴ。チーズはスーパーでよく見る複数パックの安いもので大丈夫、充分に美味しくなります。コツは弱めの火加減でじっくりいぶすだけ。タマゴは茹でて殻をむいたあと、しっかり水気を拭きとることがポイントです。僕はチーズとタマゴを一緒にいぶすことが多く、チーズの外側が茶色になったときができあがりの頃あいです。チーズはそのまま、タマゴは軽く塩で。ぎゅっと凝縮された濃厚なうまみが舌にまとわりつき、お酒がどんどん進みます。

ほかにオススメはベーコンとししゃも、鳥のササミも捨てがたいですね。保存せずできたてをすぐ食べるのなら、お肉もソミュール液(塩漬け用の液体)に漬け込む必要はありません。

〝料理実験〟から生まれたオリジナルピザ

愛用のオーブンでは、ピザが一度に4枚焼けるので、お客様が来るときにはピザがよく登場します。僕は生地からつくりますが、ピザ生地は発酵がうまくいかなくても何とかなります。ただ焼き具合が難しく、オーブンの性能に大きく左右されますからレシピは参考になりませんね。だからここではトーストでも代用できる、おススメの「具」を紹介します。

定番はトマトソースに野菜ですが、実験的にいろいろ試すことも大好きです。そんななか生まれたヒットがハニーチーズピザ。土台に薄くハチミツを塗って、溶けるチーズをかけて焼くだけです。焼きたてに塩胡椒を振っていただきます。とてもシンプルですが病みつきになるうまさで、ご馳走すると大絶賛。この前は友人宅にデリバリーして大いに喜ばれました。ピザトーストならパンは薄めがいいかもしれませんね。

お酒のあるなしに関わらず、おもてなしの際に決まってつくるのがチーズケーキです。お酒ありのときには肴としてもイケるよう、クリームチーズたっぷりで甘さ控えめのバスク風チーズケーキにすることが多いです。「赤ワインにぴったり」と思うでしょうが、なんにでもマッチ。僕はビールでどんどんいっちゃいます(笑)。

シンプルな自家製ドレッシングが大人気

ほかにお客さまに好評なのは、意外なことに野菜サラダです。レタスやキュウリ、トマトを切って混ぜただけのシンプルなサラダですが、「なにこれ美味しい」とよく褒められます。料理好きな人からは「ドレッシングは何を使っているの」と質問されることも多いです。「手づくり」と答えると、「ドレッシングってつくれるんだ!」と驚かれますが本当に簡単です。簡単なのに絶賛されるという点では、コスパ抜群ですね。

材料はごま油と醤油、塩だけ。僕はすべて目分量ですが、小さめのサラダボウルなら、ごま油大さじ1、醤油少々に塩ちょっとという割合かな。しっかり混ぜて、野菜とよく和えたら完成です。お酒と合うのはもちろん、シャッキリスッキリ口当たりがよく、ヘルシーなのでお酒が進む罪悪感も薄らぐかもしれません(笑)。どーんと大皿に盛りつけると見た目も鮮やかです。

ピザやケーキ、サラダなど、いかにもお酒のつまみ、ではないものを紹介しましたが、美味しい料理はどんなものでもお酒によく合います。ちょっと味を濃くしたり、スパイスを工夫したりするとさらにマリアージュが楽しめますね。部屋の照明を落としてしみじみと味わうと、1人暮らしの生活空間がお洒落なバルに変身する、贅沢なひとときを楽しめます(笑)。