移住までの期間は約3カ月あったが、その間も東京での仕事があるため時間を見つけて合間合間で移住の準備をした。年次有給休暇を活用したスケジュールを考えるものの、沖縄に出向けるのはせいぜい1週間程度。そして移住後はすぐに、新しい職場での仕事を予定していた。となると……そんなに悠長に構えてはいられない。移住前に家はもちろん、車も決めておきたい。移住後、すぐに沖縄での仕事がはじまることを考えると、ある程度の生活用品を準備しておかないと大変なことになると容易に想像ができた。

沖縄の家探しが始まる

自宅のそばで、海に沈むキレイな夕陽が見られるのもポイントに

手始めに、家探しを行った。Webで情報展開している沖縄の不動産会社を調べたり、沖縄に代理店を持つ大手不動産会社に問い合わせたりした。住みたいエリアは決まっていたので、紹介された中からいくつか物件をチョイスし、沖縄に行くタイミングで内覧ができるようあらかじめアポイントを取った。転入転出が多い時期でもなかったので物件候補は少なかったが、幸い、新築物件でキャンセルが出たという連絡をもらった。55平方メートルの2LDK、駐車場2台付で家賃6万2000円。基地が近く、朝夕は戦闘機の騒音が気になるものの、住宅街のため周囲はわりと静か。通勤に使うメイン道路にも出やすい場所だし、海がすぐそばというのも気に入った。

数年前、世田谷で1人暮らしをしていた時は、21平方メートルの1Rで家賃7万6000円だったのと比べれば、沖縄での賃貸は断然安く感じた。ただ、賃貸物件の契約の場合、敷金や礼金の他、保証人をつけても保証金がかかるという沖縄ならではの仕組みには少々驚いた。契約のために何度も行けないため、物件を決めた後はほぼ書類の郵送で対応した。

車については、しばらく中古の軽自動車でいいかなと思っていた。中古車を売っている場所を友人たちから聞き、家と並行して探し回った。沖縄では軽自動車の需要が多いらしく選べる数も多くなかったが、車がないとどこにも行けないので、とりあえずその中から決めた。そんなこんなで、沖縄に出向いた1週間で次々と家と車を決め、何とか生活する空間と通勤手段を確保した。あとは生活用品をどうするか……。家電を東京から運ぶとなると送料が高くつく。ならば移住してから買おうと思い、細かい生活用品だけ買って、その他の荷物と一緒に新居に送った。今思い出しても、相当忙しい移住準備だった。