21番札所「太龍寺」から民宿「坂口屋」までは約3km。約1時間半ひたすら下り、17時に到着した。坂口屋さんは、コーヒが無料で飲めたり、洗濯機や乾燥機が無料だったうえに夕飯が豪華で、とってもよかった。夜寝ていると、歩き疲れて足がだるくて何度か目が覚めたが、明日もあるのですぐ寝に入った。

翌日になり、昨日一緒に歩いたおじさんお遍路も同じ宿だったので、今日も22番札所の平等寺まで一緒に歩くことになった。おじさんは、平等寺に行ったら帰るそうだ。宿から、平等寺までは約8kmの道のり。宿からまたひたすら下り坂を歩く。途中で竹林のへんろ道が続く。薄暗い道なので、1人で歩いていたら怖かったかも。約1時間半歩いて山を下りた所に「大根いやしの道守る会」のお接待のテントがあった。「どうぞ、休んでって」とテントに招き入れられ、お茶とミカンとおにぎり、リンゴ、柿、ゆで卵という盛りだくさんのお皿をすすめられる。すごく豪華なお接待だ。お腹いっぱいになる。

お接待のテント

お接待でいただいた物

階段に置かれた1円玉

そのテントでおしゃべりしていた人が「平等寺まで、まだちょっとあるからトラックに乗せてったろうか?」と言ってくれた。昨日の足のだるさが取れていない私は「ぜひ、乗せてくださいっ!」とお願いしたのだが、私たちがお接待で出されたものを食べている間に、その人はどこかに行ってしまった。乗せて欲しかったのに、残念。でも、平等寺まであと歩いて20分くらいとのことなので、がんばって歩く。平坦な道だけれど、なかなか着かない。結局約30分歩いた所に、平等寺の山門が見えて来た。

22番札所の「白水山 平等寺(はくすいざん びょうどうじ)」の本堂は階段を上った上にある。その本堂に向かう階段の男坂と女坂は、それぞれの厄年の数の段数になっており、1段1段に1円玉のお賽銭が置かれていた。

22番平等寺山門

階段の上の平等寺本堂

霊水の井戸

弘法大師は41歳の厄よけで修行していてこの地に訪れた。その時に薬師如来が現れた。それで、弘法大師自ら薬師如来の像を彫って本尊とし、人々を平等に救うために寺号を平等寺としたそうだ。そして錫杖で大地を堀ったら、乳のような白い霊水が湧き出たので、白水山の山号をつけたという。いまもその井戸からは枯れることなく水が湧き出ている。でも、現在では色は白水ではなく無色透明になっているそうだ。なんでもこの水は万病に効く「弘法の霊水」だそうで、持ち帰れるように容器も売られていた。早速、飲んでみる。なんか元気になってきた気がする。

本堂には、箱車が3台奉納されていた。箱車は木製の乗り物で、医者が治せない難病にかかった患者が遍路を回る際に使われたという。この寺で病が治ったので、奉納されたそうだ。歩けなかった人が歩けるようになったのが事実だとすると、本当に霊験あらたかなお寺である。本堂の天井には、たくさんの草花の絵が描かれていてきれいだった。

境内には、閻魔様など地獄の10人の裁判官の十王像などの安置されたお堂もあったので、お堂の外からじっくりと像を眺めた。あと、境内にはなぜかたくさん猫がいたので、ちょっと猫と遊んでくつろいだ。納経をすませて、平等寺をあとにする。今まで一緒に歩いて来たおじさんお遍路とは、ここでお別れだ。また1人で歩くのかと思うと、ちょっとさみしい。23番札所「薬王寺」に向けて出発した。

奉納されている箱車

十王像のお堂