西鉄の特急用電車8000形は1989年、2000形の後継車両としてデビュー。6両編成で計6編成導入された。うち2編成は改造され、現在は大宰府観光列車「旅人」(8051編成)・柳川観光列車「水都」(8061編成)として活躍している。

柳川観光列車「水都」。1号車の外観カラーは木蘭色・漆黒色の組み合わせ

6号車の外観カラーは臙脂(えんじ)色・藍色の組み合わせとなっている

柳川観光列車「水都」は2015年10月から運行開始されている。「柳川の四季」をテーマに、車両ごとに異なる車体カラーを採用。日本の伝統色と柳川の季節の風物詩をあしらったデザインで構成されているという。車内も外装に合わせたデザインを施し、柳川の物産品などを展示するディスプレイキャビネットや乗車記念スタンプ台も設置された。「水都」はおもに天神大牟田線西鉄福岡(天神)~大牟田間の特急で運用される。

大宰府観光列車「旅人」。西鉄福岡(天神)発大宰府行の急行

大宰府観光列車「旅人」は2014年3月から運行されている。淡いピンクの車体カラーに、伝統的な和文様・麻の葉を配置した外観となり、内装は車両別に6つの開運テーマを設定している。特別カウンター・スタンプ台は3号車に設置。日中時間帯に運行され、平日・土休日ともに西鉄福岡(天神)発大宰府行の急行として天神大牟田線・太宰府線を走行した後、平日15時台・土休日16時台まで西鉄二日市~大宰府間を往復する。

柳川観光列車「水都」・大宰府観光列車「旅人」ともに事前予約や特別料金は不要で、通常の運賃で乗車できる。専用ホームページにて運行案内も行っている。

従来のカラーリングの8000形。特急用電車として30年近く活躍してきた

8000形の従来のカラーリングはアイボリーとレッド。片側2ドアの車両で、大形曲面ガラスのパノラマ窓を採用した流線形の前面形状も特徴といえる。車内はセミクロスシート(ドア間の座席は転換クロスシート)で、先頭車の運転室後方の座席はクロスシートとなり、前面展望も楽しめる。なお、8000形の2015年4月時点の在籍車両数は30両(6両編成5編成。観光列車に改造された8051編成・8061編成も含む)とされている。