こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。
今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!
さて、今回取り上げるのは本連載の第28回で特集した「思い出は億千万」と人気を二分するロックマン派生動画、「エアーマンが倒せない」です。
解説の前に、まずは動画をご覧ください。
ロックマンをプレイしたことがある人なら思わずニヤリとしてしまうこの楽曲を制作したのは、絵師もこなすクリエイター「せら」。歌い手は同人音楽グループ「TEAMねこかん[猫]」に所属している「nyanyannya」。この後、両者がコラボレーションした新バージョンも投稿されています。
※参考
「思い出は億千万」がロックマンのBGMをアレンジしてゲームとは直接関係のない歌詞を乗せた作品であるのに対し、この「エアーマンが倒せない」はロックマンの"あるあるネタ"を歌詞にしてオリジナル曲に乗せた形をとっているのが特徴で、黎明期のニコニコ動画を代表する作品のひとつと言っていいでしょう。
また、「エアーマンが倒せない」の投稿からしばらくは「○○が倒せない」というパターンの替え歌が大流行し、「歌ってみた」ブームの火付け役ともなりました。
いくつか僕のお気に入りをご紹介しましょう。
今回の一押し。人気の歌い手「J」による替え歌で、天気予報士の石原良純氏になりきって歌うという衝撃的なコンセプトの動画。なぜ石原良純氏なのかというと、「J」が別の「歌ってみた」動画を投稿した際、コメントで「声が似ている」と指摘されたことがきっかけだったのだとか。ロックマンへの愛と石原良純氏へのリスペクトの両方が感じられる、ニコニコ動画らしいアイデア作品です。
ご存じドラゴンボールの名脇役ラディッツの声真似で歌う「エアーマンが倒せない」の替え歌バージョン。ドラゴンボールを知っている人なら爆笑必至の傑作です。うp主(動画投稿者)の「たぴおか」は多彩な声色を持つモノマネの達人で、本作以外にも多数の動画を投稿しています。
社会人なら思わず共感してしまう「現実」をテーマにした替え歌作品。決して日曜日の夜に見てはいけません……!
また本動画は3部作となっており、なんと続編ではうp主が会社を辞めるという衝撃の展開が! 果たして最後にはどうなってしまうのか――その結末は必聴です。
投稿者は「オタ姉」。タイトルの通り、合コンに行ってもうまくいかない女性の悲哀をコミカルに歌い上げた作品。性別は違えどもおそらく同年代の僕としては共感しまくりなのですが、皆さんはいかがでしょうか。
もはや「○○が倒せない」のテンプレートからも離れてしまい、元タイトルと似ているのは語感だけとなった替え歌作品。内容の方は僕の専門外なのでコメントは差し控えたいと思います。
――もちろん「歌ってみた」作品以外にも、多数の「エアーマンが倒せない」関連動画が投稿されています。
ドット絵を駆使したアニメーション作品。その完成度は言うに及ばず、小ネタ満載の見ていて楽しい動画となっています。
こちらは3Dで制作された「エアーマンが倒せない」のPV作品。練り込まれた演出、数分間に凝縮された物語性、いずれもたった一人で作り上げたとは思えないほどのクオリティです。
TVアニメのオープニング風に描かれたPV作品。すべて手書きで、カメラワークや演出なども自分で考えて制作したということも驚きですが、さらに驚異的なのは制作者が動画制作当時15歳(!)だったという事実。ニコニコ動画では時折こうした才能ある若手クリエイターがその片鱗を見せてくることがあるので油断できません。ちなみにこの動画の制作者、現在はプロのアニメーターとして活躍中とのことです。
さて、最後はちょっとオマケ。
「エアーマンが倒せない」は歌詞・楽曲共にオリジナルであることから権利上のややこしい問題がなく、ブームからそれほど間を置かずにカラオケに収録されました。今回の記事を読んで「自分も歌ってみたい!」と思われた方は、ぜひカラオケで挑戦してみてください。
その練習用として、ニコニコ動画に投稿されている「カラオケバージョン」をご紹介しておきますね。
なお個人的な見解ではありますが、これを男性が歌うと高音や息継ぎ等がむちゃくちゃキツい(経験済み)ので、女性の前でかっこよく歌いたい方はひたすら練習あるのみ、です!
勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ
1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。