こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。
今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!
最近気づいたのですが、本連載では「ボカロ×歌ってみた」をはじめとしてちょいちょいボーカロイド関連の動画を取り上げてはいたものの、ストレートにボーカロイドそのものを特集したことはありませんでした。
なので、今回はボーカロイド、それも「初音ミク」による初期の名曲を中心に取り上げ、ブレイクの軌跡を追ってみたいと思います。
2007年の夏の終わりに発売されたちまち一大ブームとなったボーカロイドソフト「初音ミク」。機械に歌わせるという音声合成技術そのものはもっと以前から存在していましたが、ソフトに名前や設定などのキャラクター性を与えたことで、初音ミクは発売元の会社も驚くほどのヒットを記録。現在では多数のオリジナル曲が生まれ、メジャーレーベルからCDが発売されるほどの人気となっているのはご存じの通りです。
すべての始まりとなった「初音ミク」のデモソング動画がこちら。投稿日はソフト発売日の2日前であり、デモながらすでにその可能性の一端を感じさせる完成度を誇っています。
発売以降、急速に関連動画を増やしていった初音ミクでしたが、本格的にブレイクするきっかけとなったのは、フィンランド民謡である「Ievan Polkka」を歌わせた本動画でした。今では広く知られている「初音ミクといえばネギ」というイメージや、発売元であるクリプトン公認ともなったSDキャラクター「はちゅねミク」を生み出したのは、この動画の功績です。
発売からわずか2週間で投稿された楽曲。ポップな曲調とボーカロイドを主人公としてその心情を綴った歌詞が共感を呼び、大ヒットを記録しました。
タイトルの「あなたの歌姫」とはもちろん初音ミク自身のこと。ピアノとボーカルのみというシンプルな構成により、歌声の透明さがより引き立っています。
2010年1月現在、ニコニコ動画全体で総合第2位の再生数を誇る初音ミクの代表曲。高い中毒性を持ち、初期からのミクリスナーにとっては思い出深い一曲です。
08年に発売された初音ミクのメジャーアルバム「Re:Package」を象徴する一曲。特徴的な電子音が初音ミクの歌声の雰囲気にぴったりで聴いていて心地良い。
初音ミクの発売元であるクリプトンの伊藤社長もお気に入りだというオリジナル曲。PVも自作であり、切ない世界観が多くのユーザーを虜にしています。
DTMマガジンに付いてきた"体験版"初音ミクのイメージソングのつもりで製作したと作者が語る通り、タイムリミット――体験版を動かせる時間的制約――をテーマにした歌詞が涙を誘います。
キャッチーなメロディーラインが心に残る楽曲。背景は一見すると単なる一枚絵のようですが、注意深く最後まで見守ると……。
現在でも高い人気を誇るバラード。「初音ミク」にとっての「初めての音」を描いた歌詞は、今も当時と変わらぬ感動を届けてくれます。
以前にも紹介したボーカロイドランキング動画において「みくみくにしてあげる」を抑え、初登場1位を獲得した初の楽曲。
トランスサウンドに乗せて、初音ミクが自身の思いを高らかに歌い上げた一曲。疾走感のあるサビは何度も繰り返し聴きたくなります。
セガから発売されたPSPソフト「Project DIVA」にも収録された楽曲。そういえば、初期のミク動画の背景は公式の立ち絵であることが多く、中でもこの「moon」は初音ミクのシルエットにイメージカラーの緑という組み合わせが新鮮でした。
和風テイストなメロディーは好きな人にはたまらない雰囲気。僕ももう何度聴いたかわからないお気に入りの一曲です。
ここまで紹介した楽曲とは少し雰囲気が異なり、バンドサウンドが特徴の「ミクロック」。歌詞やPVも初音ミクとは直接関係のない内容になっていて印象的でした。
ジャズ調のアップテンポなリズムとメロディー、可愛さ満点の歌詞、完成度の高いPVと、すべての要素において高いクオリティを誇る楽曲。PVに登場するシルエットの男性を「自分だ」とコメントで主張することが、この動画内でのお約束のネタとなっています。
「桜の季節」と対を成す、ゆうゆPの楽曲。しっとりとした曲調に深く聞き入ってしまいます。
人気ボカロ作曲者「デッドボールP」による哀愁漂う一曲。他にも同作者による楽曲は数多く投稿されていて、本楽曲以前にもヒット曲が多数あるのですが……大人の事情でそれらについては割愛させていただきます。
「Packaged」同様、音楽ソフト「Auto-Tune」を用いて製作されたボーカルが気持ちよく耳に響いてくる楽曲。ボーッとしているときによく聴いています。
これまでになく熱い曲調と歌詞が特徴の一曲。ロボットアニメのオープニングテーマに採用されてもおかしくないかっこよさ!
聴いていると元気が出てきそうな爽快な楽曲。通勤や通学中に聴きたい感じです。
……以上、初音ミクが発売となった07年8月末から12月頭までの約3ヶ月間の動画をまとめてみました。
この後、初音ミクは「メルト」の登場により二度目のブレイクを迎え、さらに支持層を広げていくことになるのですが、そこからの流れはまた別の機会に語ることにしたいと思います。
勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ
1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。