こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。
今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!
ここまで15回にわたってお届けしてきた本連載、最初からご覧の皆様におかれましては、そろそろ立派なニコニコ中毒者といってもいいレベルに達しているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。プライベートでついニコニコ内でしか通じない言い回しを使ってみたり、気づいたら自分自身が動画を投稿するようになっていたり……。
今回は、そんなニコニコ上級者となった皆さんから、今回この記事を初めてご覧になる皆さんまで、幅広く楽しめるメドレー動画特集をお送りしたいと思います。
メドレーといっても、ただ単につなげるだけでなく、曲順やアレンジに凝ってみたり、楽曲以上に動画部分を頑張ってみたりと、うp主(動画投稿者)によって様々な工夫が見られるのが面白いところ。
世間とはちょっとばかり流行がズレているニコニコ動画でのヒットメドレーを、存分にお楽しみください。
まずは今回の一押しから。
以前から演奏動画で活躍していたサカモト教授によるファミコン時代のゲームミュージックをアレンジしてつないだ名曲メドレー。グラディウスの懐かしいBGMからスタートし、マリオやドラゴンクエストといった人気ゲームの音楽を11分間にわたって存分に堪能することができます。
なお、ファミコン時代のゲーム音源は現在のものと比べて音数が少ないためか、メロディーラインが際立っており、ちょっと聞くだけで「あの曲だ!」と思い出すこともしばしば。
さらに最近ではファミコン世代が大人になった影響か、懐かしのゲーム音楽をTVで聞く機会も増えてきました。それだけに、ファミコン世代でなくとも聞き覚えがある曲も多いのではないでしょうか。
また忘れてはいけないのが、楽曲に引けを取らない動画としてのクオリティの高さ。懐かしいドット絵のキャラクターたちが自由に動きり、それがBGMと合わさることで感動もひとしおです。
サカモト教授はこの他にも新作としてスーファミバージョンのメドレー動画も投稿しており、こちらもゲームファンとしては見逃せない作品です。
スーパーファミコンの中でも屈指の名作ゲーム「クロノ・トリガー」の主人公クロノが様々なゲームの世界を旅していくというコンセプトで製作されたこの動画は、サカモト教授らしいつなぎのうまさと、さらに質を高めた動画との組み合わせで、20代から30代のスーファミ世代の涙腺を直撃してきます。
スーファミはファミコンと比べて作品数が多く、この動画には収録されなかった名曲もまだまだたくさんありますので、それはサカモト教授が今後発表される動画に期待することにして、今はお酒を片手にスーファミ元気玉を楽しむことにしましょう。
さて、ゲームの話はここまでにして、次はニコニコ動画全体でのヒット曲を集めたこちらのメドレー。
ニコニコ動画でのヒットソングメドレーといえば「組曲『ニコニコ動画』」が有名ですが、それ以外にもたくさんのメドレーが投稿されており、「ごっちゃに!」もその一つ。選曲は基本的にニコニコ内で人気のある曲が中心ですが、一部うp主が趣味で選んだという曲も含まれていて非常に個性豊かなメドレーに仕上がっていますので、初見では使用曲の意外性を楽しむというのもいいかもしれません。
※参考動画
続いてはボーカロイド界隈から、お気に入りの3つのメドレー動画をご紹介します。
まずはかなり古いものから。
2007年の秋に彗星のごとくブレイクした初音ミク。その初期の名曲を31曲集め、オーケストラ風にアレンジした壮大なメドレー動画。ボーカロイド界は、現在では非常に広大なものになり、古い楽曲になるとどんなに有名でもなかなか思い出せなかったりするので、たまにはこうしたメドレーで黎明期を振り返ってみてはいかがでしょうか。
……もし可能なら、以前ご紹介したニコニコオーケストラの皆さんにこのメドレーを生演奏してほしいと、ちょっとだけ本気で思っています。
ボーカロイド界隈から……と言いながらいきなりボーカロイドの声が入っていないメドレーを紹介してしまいましたが、今度は正真正銘、初音ミクの声入りメドレーです。組曲の名を冠しただけあってうp主も気合い十分。選曲はやはり古いものが中心ですが、この段階の初音ミクメドレーとしては最高の完成度を誇っています。コメントを見ていてもわかりますが、特に最後の盛り上がりは必聴です。
次はちょっと変わり種の動画。
初音ミクの楽曲をメインにそれ以外の曲も組み合わせ、トランス風にアレンジしてつないだメドレー動画。個人的に初音ミクの声はトランスと相性が良いと思っているのですが、ニコニコではトランスはそれほど人気があるわけではなさそうなので残念に思っていたところ、たまたま発見した掘り出し物的な動画です。さりげなく動画時間が39:39(ミクミク)になっているなど、小ネタも利いていて素晴らしい。作業用BGMとしてテンションを上げたいときにお使いください。
以上、ボーカロイドメドレーでした。
――最後はこのメドレーで締めることにしましょう。
その昔、スーパーファミコンで発売されていた「マリオペイント」内のサウンドコラージュを再現したツール「マリオシーケンサ」で製作されたニコニコ名曲メドレー。なぜタイトルが「メドレーメドレー」かというと、"ニコニコメドレーをつなぎ合わせてさらにメドレーにしたもの"だから。
35人という大所帯を抱えながら完成までこぎ着けたチームワークもさることながら、「3和音までしか使えない」「黒鍵が使えない(半音が出せない)」などの仕様の壁を乗り越えて生み出されたサウンドは「お見事」のひと言!
こうしてみると、ファミコン然り、ボーカロイド然り、マリオシーケンサ然り、限られた容量と制限の中でいかに工夫して素晴らしい作品を作っていくかというところにこそ、創作の醍醐味があるのかもしれませんね。
なんかちょっと良い話っぽくまとめたところで、今回はここまで! また次回お会いしましょう。
勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ
1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。