暖かい春がやって来ました。この春、新社会人となる人は初めてもらう給与に、ワクワクしていることでしょう。自由にお金を使うだけでなく、貯蓄もしっかりしていきたいですね。そこで、社会人になったら、お金についてこれだけは知っておきたいことをお伝えします。
まずは給与明細をしっかり見て
最近は給与をもらってもATMで引き出して終わり! という人もいるようです。でも、新社会人になる皆さんにぜひしてほしいことは、給与明細をしっかり見るということ。
給与明細には、大切な情報がたくさん載っています。特に知っておいてほしいことは「額面」と「手取り」は違うということです。
給与明細の「支給額合計」が「額面」と言われる金額ですが、実際振り込まれる金額は、この「支給額合計」から社会保険料や税金が引かれた金額で、「手取り」といわれるものです。
社会保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料(40歳以上)、雇用保険料の4種類があります。「たくさん引かれていて嫌だな」と思うかもしれませんが、社会保険は会社員として守られているありがたい保障です。
また、税金は所得税と住民税がありますが、社会人1年目は住民税が引かれていません。その分、1年目は支給額が多くなっています。2年目からはさらに住民税が引かれることを知っておいてくださいね。
貯蓄するなら給与天引きで先取り貯蓄
1カ月頑張って働いてもらう給与はとても嬉しいですね。何に使おうか考えるとワクワクします。でも、社会人になったからにはやはり貯蓄もしていきたいですね。
でも、給与を使って残ったら貯蓄……では、なかなか貯まりません。
そこで、会社の制度を利用して給与から天引きで先取り貯蓄をおススメします。会社に財形貯蓄制度がある人は、一度手続きをするだけで知らない間に貯まっていきます。また、企業型確定拠出年金制度がある場合、税制面などでおトクに老後資金を準備していくことができます。
実家暮らしの人は給与の2~3割、一人暮らしの人は1~2割程度を目標に、少しでも早いうちに「貯まる仕組み」を作ってしまいましょう。
返済計画もしっかり立てて
学生時代に奨学金制度を利用した人は、貸与が終了した月の翌月から数えて7カ月後から返済が始まります。例えば、3月に貸与が終了した人は10月27日から返済が始まります。奨学金とはいえ、れっきとした借金なので、毎月きちんと返済していく必要があります。 貯蓄をすることは大切ですが、無理な貯蓄計画をたてたために、奨学金の返済が滞っては困りますね。奨学金の返済がある人は、返済が始まるまでタイムラグがあることを頭に入れた上で、返済と貯蓄を両立できるよう計画をたてておきましょう。
また、学生時代は国民年金保険料の学生納付特例制度を利用した人もいると思います。申請することで保険料の納付が猶予される制度ですが、追納することで将来受け取る老齢基礎年金額が増えます。追納できる期間は10年間なので、追納を考えている人は、追納の時期や金額も考えて貯蓄計画をたてるといいですね。
マネー情報はどこから得るの?
社会人になったなら、お金についていろいろな知識を得たいもの。今では、インターネット上にさまざまなマネー情報があふれています。気軽に情報を得ることができるようになったものの、怪しい情報もたくさん入り乱れているのが現状です。
では、正確で最新の情報はどこから得るといいのでしょうか?
まずは、毎朝新聞を読む習慣をつけましょう。日経新聞をアプリで読む方法なら、忙しい朝も通勤電車で最新の情報を得ることができます。
インターネット上で、このようなコラムもたくさん読むことができますが、気をつけたいのは誰が書いたのかが分からない記事です。さらに、その記事がいつ書かれたのかも注意しましょう。お金の制度はどんどん新しく変わっていきます。例えば財務省や国税庁などのHPを確認して、書かれている情報の元をしっかり確認することも大切です。
よりお金のことを詳しく学ぶには、セミナーに参加したりマネースクールに通ったりするのもおススメですよ。
社会人になったら、お金のことも自分で責任をもって考えていきたいですね。2019年は10月から消費税が10%にアップする予定です。新社会人の皆さんは、ぜひお金正しいお金の知識を持って、新しい時代を賢く生きていってくださいね。
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著者プロフィール: 安部 智香
女性ファイナンシャルプランナーによるお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター/ファイナンシャルプランナー。安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表。短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は、資産運用を担当。結婚退職後は「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで、個人事務所を立ち上げ、個別相談、執筆業務、セミナー、マネーセミナー講師として活動中。