「ネット生保」のメリット・デメリットを考えよう

これまでこのコラムでは、2回に分けて「ネット生保」の成り立ちと、保険料の安さの秘密。そして、会社としての信用度の考え方を紹介してきました。

最後となる今回は、「ネット生保」は一体どんな人に向いているのかをチェックしていきたいと思います。過去の内容と多少重複する部分もありますが、ここで改めて「ネット生保」のメリットとデメリットを整理してみましょう。

まず「ネット生保」を利用するメリットとしては、以下の点が挙げられます。

ネット生保のメリット

  • 商品内容がシンプルで理解しやすく、選びやすい
  • 保険料が割安
  • いつでも好きな時間に自分のペースで加入手続きができる
  • ネット上で必要保障額の算出、保険料試算から告知、申込み手続きが可能(一部郵送が発生する場合もある)
  • 申込みから保障開始までの時間が短い
  • クレジットカードで保険料の支払いができる
  • 複雑な特約がないため、自分が加入している保険の保障内容を把握しやすく、保険金の請求漏れなどが起こりにくい

「ネット生保」には、上記のようなさまざまなメリットがありますが、その中でも特に大きなメリットとしては3つあげられます。

「ネット生保」の大きなメリットの1つ目は、商品性がシンプルで、選びやすいこと。複雑な保険商品では自分の保険にどのような特約が付いているかがわかりにくく、保険金の請求をし損ねてしまうケースも起り得ます。

その点、ネット生保の商品は保障内容を把握しやすいため、このようなこともありません。

2つ目のメリットは、やはり保険料の安さ。第2回で紹介したように、同様の保障内容の保険でも、大手保険会社の半分程度の保険料で済む場合があります。特に住宅購入や子どもの進学など、大きな出費を控えている若い世代には、利用価値が大きいといえそうです。さらに保険料をクレジットカードで支払うこともできる点は、カードでポイントを貯めたい人には嬉しいメリットといえるでしょう。

そして、3つ目のメリットは利便性。「ネット生保」は、ネット上で24時間※保険料の試算から申込手続きまで行うことが可能です。場所や時間を選ぶことなく保険の手続きができるうえ、営業マンと対面する必要がないため、営業されるのが苦手……という人にも向いています。また、自分に合った保障内容を計算するのが難しいという方には、ネクスティア生命がサービスを提供している「必要保障シュミレーション」がおすすめ。ネット上で収入や家族構成、貯蓄金額などから、自分にあった保障額の算出ができるので、無駄のない保険プランが自分で設計できます。

※各社システムメンテナンス時間を除きます。

さて、このように、たくさんのメリットがある「ネット生保」ですが、当然ながらデメリットもあります。

ネット生保のデメリット

  • 商品ラインナップが少なく、全てのニーズは充たせない
  • 特約の種類が少なく、総合的な保障はムリ
  • 商品内容や必要な手続きを自分で調べなければならない
  • 疑問点があっても電話かメールでの照会となり、対面で説明を受けることができない

商品ラインナップが比較的少ないという点は、前述のメリットでも挙げています。「商品数が限られている=選びやすい」というのは確かですが、選択肢が限られてしまうのも事実。また、ネット上で詳しい解説は用意されているものの、必要保障額の算出や商品選択は最終的に自己判断になります。問合せなども電話やインターネットのみとなるため、対面で説明を受けることができる大手生命保険会社に比べて、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。

「ネット生保」には向く人と向かない人がいる

さて、ここまでネット生保のメリット・デメリットを掘り下げてきましたが、最後に「ネット生保」が向いている人、向いていない人はどんな人なのか、まとめてみましょう。

ネット生保に向いているのはこんな人

  • インターネットの操作が問題なくできる
  • インターネットショッピングに抵抗がない
  • 対面による丁寧な説明やフォローよりも、保険料の安さや便利さを優先する
  • 保険について、自分で調べることができる
  • 自分のペースでじっくり保険を検討したい
  • 仕事等が多忙で、時間に余裕がない
  • 対面営業が苦手

ネット生保に向いていない人はこんな人

  • インターネットの操作に自信がない
  • インターネットで買い物をすることが不安だ
  • 自分で保険について調べるのは面倒なので、専門家に選んで欲しい
  • 保険料が割高でも構わないので、対面による説明やフォローを受けたい

さて、あなたはどちらのタイプに当てはまりましたか?

一口に言えば、保険に対して比較的受け身(=大手生保)か、自発的に向き合えるか(=ネット生保)の違いともとれます。ネット生保の加入者が30~40代のITリテラシの高い男性が特に多いという現状も頷けます。ネット生保の特徴をしっかり理解したうえで、自分が希望する方向性と合致するのか、しっかり判断し、上手に利用したいものですね。