今回は象形文字を使った年賀状を船本芳雲先生に紹介していただいた。鼠(ねずみ)という漢字はもともと象形文字からきているので、非常にカタチにしやすく分かりやすい。象形文字に気の利いた文章を添えることで、ぐっと個性を発揮した年賀状に仕上がる。
象形文字を書く
文字と絵の中間のような象形文字を書いて楽しんでみよう。干支は本来動物とは関係のないものだが、鼠という漢字のなりたちは象形文字なので、一目で「ねずみ」という文字であることが分かる。しかも文字に近いので絵のような描きにくさもない。簡単にカタチになるのがこの象形文字の特徴と言えよう。「上の部分はアタマで真ん中にあるのはかじるための歯。その下にあるのはツメであったりカラダで、右側はカラダの線としっぽを表現しています。これがねずみに見えるように書ければいいんです。」
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実際のねずみのイメージに近いものに
象形文字は絵と文字の中間のような存在。ここでは実際のねずみのイメージに近いものにすることで、ねずみという字の成り立ちの面白さが伝われば成功だ。
1.三角形になったアタマの部分を書き、なかに左右二本の線を入れる。ここが歯のイメージだ。2.アタマの下に胴体部分を書き、同じく左右に二本の線を入れる。こちらはツメになる。
3.最後に胴体の輪郭としっぽを書き入れる。ねずみの輪郭を思い起こしながら丸みをつけ、最後にはらってしっぽのカタチにする。
4.文字のまわりに文章を入れる。
今回の技のポイント
書き方は普通に文字を書くときと同じで、しっかり書くとカタチになりやすい。
添える文章でセンスアップ
文字に合わせてどんな文章を書き入れるかがポイントとなる。船本芳雲先生は文字のまわりに粋な文章を入れられた。「着物の布地に『ねずみ小紋』というのがあるでしょう。それからお坊さんの着る袈裟のような『ねずみ衣』もあります。『ちょっと粋だね、粋に行きましょう。』と入れて見ました。ここに入る文章でその人のセンスが伝わってきます」。先生はねずみにまつわる粋なものをピックアップされたが、「今年もよろしく」のようなありきたりなものではなく、自分なりにいろいろ考えて工夫してみよう。なお、歯やツメの部分に色をつけてアクセントとしてもよい。
次回は石飛博光先生が登場。どんな文字が飛び出すのかお楽しみに。