干支文字アレンジ年賀状の第3回目となる今回は、マッチ棒を筆代わりに利用した、ちょっと風変わりな干支文字の書き方を紹介していく。「マッチ棒は、最近あまり見かけない……」と感じる方もいるかもしれないが、注意して見てみると、喫茶店や居酒屋などのレジ周辺で、案外無料で配られているものだ。筆とは異なる味わいがでるので、ぜひチャレンジしてみよう!

気になるマッチの使い方は?

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書道家の吉川壽一先生が伝授してくれる干支文字の書き方は、今回で最後となる。この最後を飾るに相応しい、マッチ棒によるアレンジ年賀状の書き方とポイントについてお聞きすると、「マッチ棒に限らず、筆の代わりに何を利用してもいいんです。指でも、楊枝でも。マッチ棒ならば、発火物質が付いていない方の先端を歯で軽く折ります。折れた部分が筆代わりとなり、墨をつけて書くだけなんですよ」とのこと。ちなみに、折る部分は5~7mm程度で、折った部分を何回か歯で噛むことにより、より書きやすい「筆」に仕上がるのだとか。これで今回は、「ねどし」というかな文字に挑戦する。

「ねどし」という字は、つなげて美しく

かな文字を書く場合は、草書体のようにつなげて書くことで、文字の美しさがさらに際立つ。また、次の文字を意識しながら書くことが大切で、これにより、自然な風合いを出すことができる。マッチ棒独特のこすれ具合を楽しみながら、女性らしい干支文字に仕上げていこう!

1.力を入れすぎると、マッチ棒がすぐに折れてしまうので注意。滑らせるように、手を下に持っていこう。
2.1でひいた線のほぼ半分くらいの位置から、2画目を書いていく。やや小ぶりに書いていくのがポイント。
3.「どし」の部分を、字をつなげて美しく書いていこう。
4.最後に点を2つ付けて終了。筆とは異なる味わいが生まれる。

今回の技のポイント

「ね」と「どし」の文字のバランスがポイント。「ね」をはがきいっぱいに書き、「どし」を左下へ小さく入れると、構図として収まりがよく、ユニークさも加わる。

動画
吉川先生によるお手本

手書き年賀状を楽しむコツは?

吉川先生の最後回ということで、ユーザへのメッセージをお願いしてみたところ、「みなさん、型にはまらないで、字を書くことを楽しんでみてください。決められた字をそのまま上手に書くことが良いのではなく、紙面いっぱいに自分の個性を出し、いきいきと書かれた作品のほうが、何倍も素敵だと思います」と、語ってくれた。この3回を通して、先生が最も伝えたかったことは、「自分が楽しんで書くことが第一」ということなのだろう。型にとらわれることなく、自分らしい表現を楽しむ姿勢こそ、手作り年賀状を心から楽しむ秘訣なのかもしれない。

次回からは、船本芳雲先生が登場。また違う視点からの干支文字年賀状の書き方を紹介していくのでお楽しみに。