4年間で寝台・夜行列車に乗ること16回

旅に出るとき、寝台・夜行列車に乗るようにしている。寝ている間に移動できるというメリットも大きいが、夜、これから列車に乗って旅に出るという、あのうら寂しい雰囲気が好きだからである。

「サンライズ出雲・瀬戸」(画像提供:JR西日本)

「人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」。その重みを噛み締めながら、右手にはビールを、左手には弁当を抱えて乗るのである。

2007年11月以降の寝台・夜行列車の乗車履歴

乗車時期 列車名 乗車区間 席種
2007年11月 寝台特急「なは・あかつき」 博多→大阪 B寝台
2008年2月 寝台急行「銀河」 大阪→横浜 B寝台
2008年5月 夜行急行「能登」 上野→魚津 自由席
2008年5月 寝台急行「きたぐに」 金沢→敦賀 自由席
2009年1月 寝台11番列車
「GUSナイトトレイン」
ロシア・モスクワのベラルースキー
→ポーランド・ワルシャワ東
2等寝台
2009年5月 寝台列車(中国) ハルピン→ジャライノール西 硬臥
2009年5月 寝台列車(中国) 満洲里→ハルピン 軟臥
2009年7月 寝台列車(中国) 上海南→エン州 硬臥
2009年12月
~2010年1月
寝台列車D406
「ユーロナイト」
オーストリア・ウイーン西
→ポーランド・クラクフ
1等個室
2010年5月 寝台特急「北斗星」 上野→長万部 B寝台
2010年5月 夜行急行「はまなす」 札幌→青森 指定席
2010年9月 臨時夜行急行「能登」 上野→金沢 指定席
2010年11月 寝台特急「サンライズ瀬戸」 横浜→高松 B寝台個室ソロ
2011年1月 寝台列車
「シティーナイトトレイン」
フランス・パリ東
→ドイツ・ハノーバー
1等個室
2011年5月 寝台特急「サンライズ瀬戸」 横浜→坂出 B寝台個室シングル
2011年11月 寝台特急「サンライズ瀬戸」 横浜→岡山 B寝台個室ソロ

ところで、当コラムを始めて以来、これだけの寝台・夜行列車に乗ってきた。

約4年間で16回も乗っていたことになる。寝台・夜行列車の場合、朝に目的地に着くことが多い。この朝をどう迎えたかで旅の印象が変わってくる。

「サンライズ瀬戸」の「シングルツイン」(写真左)とラウンジ(同右)

「シングル」

「ソロ」

高松駅で降り、すぐにフェリーに乗った

いい印象に残っているのは、高松駅。頭端式ホームに降り、外に出てすぐにフェリー乗り場があった。きっぷ売り場は人の列ができ、活気があった。

行先も決めずにふらりと寝台列車に乗った筆者は、どこに行こうか迷ったが、すぐに出航する男木島行きのフェリーのきっぷを買った。

寝台列車の醍醐味とは

寝台列車の醍醐味は、乗った駅と、夜が明けて到着した駅の風景や街のにおいが、大きく異なることだと思う。国境をまたぐ列車だとこれは如実で、思いがけない光景に旅愁をかきたてられる。もう10年以上も前のことだが、寝台特急「はくつる」で野辺地駅(青森県)に降りたとき、ひばの香りに驚かされたことがある。

さて、寝台列車が好きならば、一度でいいから海外の寝台列車にも乗ってみてほしい。中国の寝台列車は元気だし、昭和の頃のような活気ある車内に驚く。食堂車がついているのもうれしい。きっぷの手配も日本でできる。

ヨーロッパの国際寝台列車もいい。国境ごとに検札が入ることはほとんどの国でなくなり、寂しいが、逆に快適な旅ができるようになった。

ヨーロッパの国際寝台列車にはさまざまなタイプがある。ロシア、ウクライナ、ベラルーシと中欧、バルカン諸国を結ぶ「GUSナイトトレイン」、ドイツ、フランスなど西欧を中心に走る近代的な寝台列車「シティーナイトトレイン」、中欧を中心とした古めかしい「ユーロナイト」など。そのほかにも「エリプソス」「アルテシアナイト」など特徴のある列車も多い。

「ユーロナイト」

「シティーナイトトレイン」

「ユーロナイト」の醍醐味は、走っている間にさまざまな国の客車が連結され、切り離されて、乗車駅と降車駅ではまったく違う列車編成になっていること。客車を引く機関車もその国のものに替えられる。乗車駅のホームでさまざまな国の車両を見ているだけでもわくわくするし、古めかしい車両も、大いに郷愁を誘う。

一方、「シティーナイトトレイン」は"走るホテル"という雰囲気で、設備が「ユーロナイト」よりいい。初めて国際寝台列車に乗るという人には、「シティーナイトトレイン」のほうがおすすめかもしれない。

「ユーロナイト」「シティーナイトトレイン」については、次回以降詳しく紹介したい。