ウィーン到着

フランクフルト空港でウィーン行きのジェットに乗り換え。ちっちゃいね

ヨーロッパの空港に降り立った時、「送迎」を頼むべき国がある。旧東側諸国・旧ソ連の国に多いが、つまり、空港からタクシーに乗ると「ぼられる」可能性が大きいということだ。もっともアメリカ・ニューヨークの白タクは有名であり、筆者もかつて乗った際には、タクシーの車体をゆらされて要求された金額を払わざるを得なかったので、必ずしも旧東側諸国が特にその可能性が高いというわけでもない。

しかし、空港からリーズナブルにホテルに行きたいわけで、そういう意味でオーストリアの首都ウィーンは、観光立国なんだと感心してしまう。フランクフルトから小型ジェット機に乗り換えウィーン国際空港に着き、リムジンバスで街の中心街へ行く。ウィーン国際空港から市内に行くには、CAT(City Airport Train)でウィーン・ミッテ駅に行くか(運賃8ユーロ=約1,100円)、リムジンバスでウィーン西駅に行く(運賃6ユーロ=約800円)がオススメ。

車運車。客車の後ろに車運車が連結され、車やバイクを積載して旅行ができるようになっている

夜のウィーン西駅構内。ブダペスト行きやザルツブルグ行きの夜行列車はあるが、ちょっと寂しい駅である

筆者は、ウィーン西駅近くに宿をとったので、リムジンバスでホテル着。中高年の皆さんには、駅やバスターミナルに近いホテルに泊ること。中高年になると体力も減少する。また日本と異なり治安があまりよくないことが多いことから、駅近のホテルを取ったほうがよいと思われる(ウィーンは治安がよさそうではあるが)。

レイルジェット(右)とザンクト・バレンタイン行き、2階建ての近郊列車シティーシャトル(左)がウィーン西駅に停まる

ウィーン西駅

今回泊ったホテルは1泊約2万円。駅前というのはいいが、感覚では1万円程度のホテルだ。……ユーロ圏は物価が高いのである。おまけにウィーン西駅周辺はわかりづらく、駅ターミナルからホテルに着くまで、40~50分ほど探してしまった。せっかく駅ターミナルから1分のリッチのホテルをとったのに、迷ってしまった。

ウィーンのターミナル駅

ウィーンにはオーストリア連邦鉄道(OBB)のターミナル駅が複数ある。ウィーン西駅、ウィーン南駅、フランツ・ヨーゼフ駅、ウィーン・ミッテ駅などである。昨年12月末からウィーン南駅は閉鎖され、新たにウィーン中央駅として生まれ変わるための工事が続いている。『鉄道ジャーナル』2010年1月号に紹介されているが、複数ある方面別の頭端式のターミナル駅の機能を1カ所に集約するという一大プロジェクトである。ウィーン西駅は、オーストリア西部、ドイツ、ハンガリー、ポーランドなどと結ぶ駅だが、バスターミナルがオープンな裏口にあったせいか、こじんまりとした駅のような印象を受けた。ウィーン市内の交通は、路面電車シュトラーセンバーンと地下鉄Uバーン、バス、近郊電車Sバーン。共通の乗車券があるのでそれを利用するととても便利である。

ボディがキュートな路面電車

地下鉄

CAT。ウィーン南駅にて

近郊電車Sバーン。ウィーン・プラーターシュテルン駅にて

ウィーンは踊る

カールスプラッツ駅。オットー・ワーグナー作の名建築

筆者がウィーンを訪れたのは2009年の大晦日。ウィーンのシンボル・シュテファン寺院付近のグラーベンでは、まだ昼間というのに、シャンパンやウォッカなどのお酒やおつまみの屋台が出ていて、大晦日ムードが高まっている。郊外では花火が上がるなど、気分は否応なしに盛り上がる。映画『第三の男』で有名なドナウ川近くの観覧車に乗り、再び夜にグラーベンへ戻ると、中年のカップルや女性同士が踊っている。会議は踊る、いやウィーンは踊るなのである。これから私はウィーン西駅に戻り、寝台でポーランドのクラクフに向かうのだ。

ウィーンといえば大観覧車

ウィーンは踊る。大晦日のグラーベン