決まった住所を持たず、日本中を旅しながら生活しているカメラマンの南谷有美(なんや・ゆみ)さん。訪れた地域では人々とどのように交流し、どんな仕事をしてきたのか。それぞれの地域の魅力についても綴っていただきます。
第30回から、ワーケーションのお供として活用してきた定額制住み放題のサービス「HafH」。仕事で活用されるイメージが多いサービスですが、実はラグジュアリーなリゾートホテルや、旅館などの施設に宿泊することもできます。
リッチな旅にグレードアップ「HafH Coin」
今回、いつものワーケーションとは異なる、ちょっとリッチな旅を満喫するために利用したのが「HafH Coin」。
定額住み放題には利用頻度などによってさまざまなプランがあるのですが、プランごとにこの「HafH Coin」が付与されます。また、プランで利用できる日数に満たなかった月があれば、その日数分、毎月1日にコインが付与されます。
このコインを使うと、部屋や宿泊施設自体をアップグレードできるのです。
海を臨むリゾート「i+Land nagasaki」
例えば、今回私が宿泊した、長崎・伊王島の「i+Land nagasaki」は、200コインで利用できました。
客室は、1人で過ごすには十分すぎる広さで、海を臨むテラス付きです。
伊王島には宿泊者が無料で楽しめるアクティビティも充実しています。
私が利用したのは「島風の湯」。こちらは展望露天風呂が特に素晴らしく、壮大な海と島を一望することができました。
また、大浴場、岩盤浴、タイ式ハーブテント、ヒーリングラウンジ完備の「MINATO SPA 岩盤 TERRACE」でも、ゆったりとした時間を過ごしました。ヒーリングラウンジには1万冊の書籍やコミック、雑誌などが設置されており、ゆっくりするにはもってこいですね。
そしてうれしかったのが、定額制のサービスなのに、朝食が付いていたこと。和食か洋食のバイキングから選ぶことができます。海を見ながらの朝食、贅沢ですよね。
老舗ホテルで貸切風呂も楽しめる「国際観光ホテル旗松亭」
またラグジュアリーな宿泊施設のラインナップには、老舗ホテルも。
佐世保駅からバスに乗って1時間40分、平戸にある老舗ホテル「国際観光ホテル旗松亭」にも足を運びました(こちらも200コインから利用可能)。
自分ではあまり泊まったことがないタイプの部屋に、少しドキドキ。煌びやかで、上品な空間に心を奪われてしまいました。さらに窓の外を見てみると、何と露天風呂が…!
共用だと他の人の目もありゆっくりできないこともありますが、今回は部屋に露天風呂があったので、本当にゆったりと湯船に浸かることができました。 HafHのサービスの多様性に、また一つ驚かされた滞在となりました。
HafHを使って、旅を楽しもう
長崎の「HafH Nagasaki SAI」に滞在していた際、株式会社KabuK Style共同代表の大瀬良亮さんにたまたまお会いし、このサービスについてお話を聞くことができました。
2019年4月に始まった、HafH。定額で世界中住み放題というキャッチフレーズが注目を集めていますが、意外にも「住み放題」というシステムは途中から追加されたものだそうです。
これまでご紹介したサービスはあくまで、時代の変化に合わせて展開してきたものであり、大瀬良さんが掲げる「旅をしながら暮らすという新しいライフスタイルの提案」、同じく共同代表の砂田憲治さんが掲げる「資本主義の次の世界」、これらがKabuK Styleの根底となっているのだとか。
「住まい」「職場」「移動」という固定化されていた3つの概念を解放し、より自由で、創造的な暮らしを提案しているHafH。
大瀬良さんに今後のビジョンについてお伺いすると、この3つの概念の自由を、もっと広げていきたいとお話してくださいました。
特に力を入れているのは「移動」。より自由に旅ができるよう、現在ではJR西日本やANAといった機関と提携したサービスを展開しています。
大瀬良さんによると、利用者の7割が30代以下で、最も多いのは20代。職業は、私のような個人で仕事をしている人が多いかと思いきや、会社に勤めている方が約4割と最も多いのだそう。ちょっと意外ですよね。
実際に利用していても、これから何かを始めたいと思っている方も多くいらっしゃり、会員さん同士がお互いを高めあっていけるような雰囲気が印象的でした。
HafHで過ごした1カ月間は、私の旅生活の中でも思い出に残るものとなりました。また今後もサービスを利用していきたいと思います。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。