決まった住所を持たず、日本中を旅しながら生活しているカメラマンの南谷有美(なんや・ゆみ)さん。訪れた地域では人々とどのように交流し、どんな仕事をしてきたのか。それぞれの地域の魅力についても綴っていただきます。
今回は、長崎県・五島列島の北部、上五島(中通島)でのワーケーションについてお伝えしたいと思います。前の滞在地である福岡から佐世保まで行き、そこからフェリーに乗ってようやくたどり着ける、決してアクセスが良いとは言えない島。それでも、訪れて良かったと思える魅力が詰まった場所でした。
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五島列島に訪れる前に滞在していた福岡では、滞在期間の8割が「仕事」。でも、なんといっても長崎では初めて足を踏み入れる離島なので、遊びたい欲が爆発し、2日目はほとんど観光という、余暇も楽しむスタイルを取り入れてみました。
今回拠点とさせていただいたのは、「五島バックパッカーズ ぽれ」。HafHの提携店の一つです。フェリーの発着地、有川港から少し距離がありますが、ビーチまで約30秒の好立地です。ご家族で営まれており、とてもアットホームなゲストハウスでした。
海も山も、自然の美しさに癒やされる旅
観光スポットがいっぱいの上五島。2日目はレンタカーを借りてさまざまな場所を訪れました。
まず訪れたのは、ゲストハウスから歩いて約30秒のところにある「蛤浜海水浴場」。海水浴やマリンスポーツなどをして楽しみました。
次は上五島最北端にある「津和崎灯台」。「本当にこの先にあるの?」と不安になりながら山道を進むと、現れます。見晴らしがとても良い、気持ちいい場所です。
そして奈良尾神社という神社の鳥居をくぐると見えてくるのが「奈良尾のあこう樹」。神社へつながる参道をまたぐようにそびえたつこの大樹は、樹齢650年を超えており、国の天然記念物にも指定されているそうです。
歴史を感じる教会群に心を揺さぶられる
そして五島列島の旅の醍醐味といえば、やはり教会巡りです。この旅では、6つの教会を訪れました。
まず1つ目は、2001年に国の重要文化財に指定された「頭ヶ島天主堂」。1910年に着工し、1919年に完成した建造物です。現地までは、上五島空港からシャトルバスに乗って行くことができます。
次は、1925年に建てられた木造教会「中ノ浦教会」。「水鏡の教会」とも呼ばれているそうで、海辺に映る姿が美しいのが印象的でした。
「青砂ケ浦天主堂」は、レンガ造りの美しい教会。教会の下には奈摩湾があり、名称にもある通り青く美しい色をしていました。
そして、教会の付近から望める壮大な景色が印象的だった「江袋教会」。日常的に使用されている木材の教会堂としては県内最古のものだったそう。しかしなんと、2007年2月に焼失、2010年5月に修復されました。
「仲知教会」は、新型コロナウイルス蔓延防止のため建物内に入ることはできませんでしたが、ステンドグラスがとにかく美しいと現地の方にも評判でした。
ステンドグラスには聖書の場面が施されるそうで、ストーリーを感じる建造物となっています。
そして最後は「米山教会」。中通島の最北にある教会です。現在の聖堂は、1977年に建てられたものだそうです。奥にはルルドがあり、平和を共に祈ることができます。
小さな島だと思っていましたが、意外と見所がたくさん。歴史を感じる建造物と豊かな自然に囲まれながら、素敵な時間を過ごすことができました。
上五島がワーケーションにオススメと言える理由
限られたエリアの中にも、働く場所、宿泊施設、自然・観光スポットが充実している上五島。仕事をしながら旅も楽しむ、そんなワーケーションに適した地域だと思いました。福江島など、ワーケーションを推進している島もあり、今後どのように変化していくのか、楽しみな地域です。
今回は4日間の滞在でしたが、「もっと居たかったな……」というのが、正直な気持ちです。過ごした時間があっという間に感じるほど、魅力的な地域でした。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。