決まった住所を持たず、日本中を旅しながら生活しているカメラマンの南谷有美(なんや・ゆみ)さん。訪れた地域では人々とどのように交流し、どんな仕事をしてきたのか。それぞれの地域の魅力についても綴っていただきます。
宮古島、鹿児島、下関、鳥取、熱海、福井、和歌山など、さまざまなところでしてきたワーケーション。最近では趣味を聞かれると、「ワーケーション」と答えるようにもなりました。
今回の舞台は、広島県尾道市。以前から何となく行ってみたいなと思っていた場所でした。長野県大町市のところでも登場したSMOUTという移住・定住を促進するサービスにて「尾道」という文字を見つけ、即応募。地域コンシェルジュの後藤峻さんにサポートして頂きながら、3日間のワーケーションを行いました。
2泊3日のスケジュール
尾道でのワーケーションはこのような感じで、過ごしました。
ワーケーションはゆったりとしたスケジュールで過ごすことが多いのですが、今回の2泊3日はめずらしくアクティブ。とても充実した3日間を過ごすことができました。その様子を、時系列でご紹介します。
ワーケーション1日目
コワーキングスペース「ONOMICHI SHARE」へご挨拶
滞在中の拠点となる、ONOMICHI SHAREにまずはご挨拶。事前にやりとりをさせてもらっていた後藤さんが迎えてくださいました。「ここは本当にコワーキングスペース?」と思うほど、洗練されたおしゃれな空間にびっくり。
施設のご案内をして頂いた後は、おすすめのお店で尾道ラーメンを堪能しました。
ONOMICHI SHAREで仕事
食後は、ONOMICHI SHAREで仕事をしました。13:30~18:00まで滞在しましたが、その間にたくさんの人が訪れていました。ライターにエンジニア、グラフィックデザイナーにwebデザイナーなど、クリエイティブな方が多いという印象です。
「どこから来ましたか?」と気軽に話しかけてくださる方も多く、とてもアットホームな空間でした。
おしゃれなカフェで夜ごはん
仕事後は、「やまねこcafe」で夜ごはん。おいしい料理を食べながら、ゆったりとしたときを過ごすことができました。
ゲストハウス「あなごのねどこ」にチェックイン
尾道商店街本通りにある、あなごのねどこ。細長い路地を奥へ奥へと進むと、入り口が見えてきます。空き家再生プロジェクトの再生物件の1つで、2012年秋にオープンしたゲストハウスです。
平日にも関わらず多くの方が宿泊されており、旅人の憩いの場所となっていました。
ワーケーション2日目
ONOMICHI SHAREで仕事
チェックアウト後は、ONOMICHI SHAREへ。午前中は、ひたすら記事の執筆をしていました。
尾道商店街を散策
お昼ごはんは、尾道商店街内にある「荒神堂専門店」へ。インドチキンカレーを頂きました。2018年にお店をオープンされたそうですが、そこに至るまでのストーリーがとてもドラマティック。映画を1本みたようなボリュームでした。基本的に取材はNGとのことだったので、気になる方は直接訪れてみてください。
食後は、同じ時に同じカレーを食べていた女の子とふらっと商店街の散策へ。若いなと思っていましたが、何と高校生でした。私の仕事に興味を持ったようで、目をキラキラさせながらいろいろなことを聞いてくれました。私が高校生の時は「保育士」以外の選択肢は目に映らなかったため、ちょっと羨ましく感じました。
ONOMICHI SHAREで仕事
女の子と別れた後は、再び仕事。2時間集中して行いました。ここでも地域の方との出会いがあり、尾道市を中心に、さまざまな講義を展開している組織「尾道自由大学」や向島で保育園を運営されている方と、おつなぎ頂きました。特に自然保育は以前から関心のある分野だったので、興味津々。また改めて取材させて頂くことになりました。
面白い人が集まる、ディープなラーメン屋さん
尾道の人におすすめの店を聞くと、多くの人が口にする「またたび」。夕食は噂のお店で頂きました。オープンと同時くらいに入ったのですが、お客さんが次から次へと増えていき、カウンターのみの店内があっという間に満席となりました。
味はもちろんですが、店主さんの人柄もとても魅力的。たくさんの方々が足しげく通う理由がわかった気がしました。
ゲストハウス「みはらし亭」にチェックイン
千光寺へ行く参道の途中にある、みはらし亭。築約100年の古民家を再生して作られたゲストハウスです。予想をはるかに超える石段の数に体力の限界を感じましたが、みはらし亭から見る景色は本当に素晴らしく「来てよかったな」「また来たいな」と思える場所でした。
チェックイン後、併設されているカフェでまったりしていました。同じくまったりしていた宿泊客の男性とお話しすると、何と彼はYoutuber。面白い話をたくさん聞かせてくださいました。
23時から営業する、古本屋さん
再び下山して、商店街の方へ。深夜のみ営業しているという「弐拾dB」という古本屋さんに行きました。通常木曜日は定休日ですが、ダメ元で電話をしたら何と開けてくれました。店主の方の心遣いに感謝です。ありがとうございます。
店内にはたくさんの本が並んでいて、新刊からアンティークなものまで幅広い種類のものがありました。私は2冊購入。旅のおともにしたいと思います。
ワーケーション3日目
散歩からのモーニング
朝は同室の人のアラームで目が覚めました。早く起床できたので、周辺を散歩しました。
散歩後は、宿に併設されたカフェでモーニング。のんびりとした雰囲気の中で、朝食を楽しみました。
向島でサイクリング
ONOMICHI SHAREに寄って自転車を借りた後、フェリーに乗って向島へ。島をぐるっと1周、サイクリングをして楽しみました。
自然に囲まれた向島で、リラックスした時を過ごすことができました。
昔ながらのお好み焼き屋さん
向島から戻った後は、フェリーの中の乗客に勧められた「いのうえ」というお好み焼き屋さんへ。おばあちゃんが1人で切り盛りしている、小さなお店でした。
尾道に来たら食べたいと思っていた、念願のお好み焼き。しっかりと味わいました。
お茶の世界の新風、TEA STAND GEN
「尾道で面白い人いませんか?」と尋ねて紹介して頂いた場所。確かにとても面白いお話を聞くことができました。こちらはまた別の記事でご紹介しますので、楽しみにお待ちください。
ONOMICHI SHAREにお別れ
取材後は、ONOMICHI SHAREへ。3日間お世話になった後藤さんに感謝を伝え、帰路につきました。
尾道でワーケーションをしてみた感想
尾道という場所の魅力や可能性を強く感じる3日間となりました。食や島巡りなど観光目的で訪れても十分楽しめる場所だと思いましたが、私は尾道で暮らす人々に特に魅力を感じました。
滞在の拠点ともなったONOMICHI SHAREには、手に職を持った人々が集まっていました。個人で仕事をされている方がほとんどでしたがそこには見えないつながりが存在し、個々の才能を生かしあいながら1つのチームとして仕事をしているようにも見えました。
滞在中にさまざまな話を耳にしましたが、ある程度社会経験を積んでから移住された方が多いためか、話の進むテンポが都会並み。クリエイティブな方々が集まる場所だなと感じました。
多くの方とつながることができた3日間でしたが、同時に尾道をもっと知りたいと思うようになりました。また改めて尾道を訪れ、その魅力に触れていきたいと思います。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。