"多様性"の時代だと言われている。たまにお邪魔する人形町にあるお寿司屋さんでの話。
「握り2人前とコーラとビール!」
という若いカップルのオーダーを聞いても、最近は私もあまり驚かなくなった。中には高級な日本酒の銘柄を水割りで頼む人もいる。私自身としてはあまり頼みたいとは思わないが、それはそれで目くじらたてるまでもない。それはそれで微笑ましいとさえ思う。
とはいえ私もまだまだ「頭が固い」のではないかと思って着いていかれないようなことがレストランなどでたまに起こる。
ある日のランチでのこと。
ファミレスのようなものだと割り切って、オーダーしたものが出てくる順番には、あまりこだわらなければ良かったのだが、そこはお値段はそこそこのレストランだった。
店員さんに同時に頼んだ、ステーキ、パスタ、ランチビール、サラダ。
これが全てオーダーした順番で出てきたのにはさすがに驚いた。
逆! 逆! 逆!! 全部逆!!
決してマナーにうるさい方ではないのだが、順番というのは、私はどうにも気になってしまう。最近はあまりお店の方もコース料理を楽しんだり、お酒をたしなむ機会などが減ってきたのだろうか。
出される順番の塩梅(あんばい)には、あまりルールはないらしい。
ついつい気になった私は、最後に出てきたサラダを持て余してしまい、思わず予定にはなかったワインを軽く最後に頼んでしまった。
それぞれの料理や飲み物の美味しさも大切だけど、私は何事も「順番」というものは大事だと思う。
<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサー等を経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2015年4月より東北芸術工科大学にて教鞭をとる。