もう25年ほど昔のことになるが、私は大学生時代にひとり暮らしを経験した。だから、ひとり暮らしの大学生の生活というものが、いかに不規則で不健康になりがちかは想像がつく。
親元から通学している学生にとっては、あまり想像がつきにくいかもしれないが、よほど生活を自分で律しない限りは、昼夜が逆転してしまうどころか、さらに逆転してたまに元に戻るほど乱れがちである。
夜更かし、寝坊、暴飲暴食、運動不足……そんな生活も入学して半年、1年ほどは、親元を離れた開放感からか自由な生活を謳歌した気になる。しかし、そんな生活も3年4年と続けると、気分も閉塞感に満ちてくる。そのままだと本当にロクなことにならない。結果的に身体を壊したり、精神的にも不安定な日々を送ったりすることになりかねない。
解決策は
解決策として2つ提案したい。
ひとつはこれまでの生活を何らかの形でリセットすること。
例えば思い切って週末に少し離れた旅行にいく。あるいは夏休みに実家に帰ったり、自動車免許の合宿に行ったりするなど。とにかく、それまでの不健康な生活を、普通の生活にリセットしてみる。そんなに時間がとれないようであれば、部屋の模様替えなどもいい。模様替えも面倒であれあれば、せめて1日かけて大掃除でもしよう。大掃除さえもやりきれなかったら、髪を切りに以降。とにかく大切なのは、今の気分を変えることだ。
もう1つは、何でもいいので毎日行う「何か」を作ること。そして、大抵は「日記を書くこと」などが思い浮かぶかもしれない。しかし、こういった、ちょっとしたことを習慣付しようとしても、まず長続きはしない。
こんな時に意外と私がオススメするのはラジオを聴くこと。ラジオはネットやテレビよりも習慣性が高いと言われている。最初はあまり聞き慣れないかもしれないが、一度定着すると、毎日、あるいは毎週聴くことが習慣となる。
あまり夜更かしはしない方が良いが、それでも毎日寝る前に深夜ラジオを聴く習慣がつくと、そのうちラジオを効き始めると条件反射のように眠くなることもある。
夏の間だけでも「ラジオ体操」などが習慣付けば、何より健康的ではあるが、さすがにそこまでを急にひとり暮らしの下宿生に求めるのはしんどいだろうか。
<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサー等を経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2015年4月より東北芸術工科大学にて教鞭をとる。