前回までの5回でマナーの基礎をお伝えして参りました。今回からは中級編にステップアップします。社会人としてのマナーにつきましてさらに多くのことをお伝えしていきたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
今回は敬語などを使った丁寧な話し方についてです。初級編でもクッション言葉や気遣い言葉についてはお伝え致しました。(第2回参照)やはり話し方というのはコミュニケーションにおいてとても重要です。エステティックTBCでもお客様とコミュニケーションを取る際の話し方やマナーにはエステティシャン一人ひとりが気を付け、心配(こころくば)りを大切にしています。ビジネスではもちろん、改まった席や大切な場面でお使い頂けるような丁寧な話し方と気を付けるべきことをお伝えしていきたいと思います。
社会人が良く使う『あいさつ』について
会社で外出する時、お昼休憩へ行くときなど上司や先輩に「行ってきます」と言うのでは少々カジュアルかと思われます。ここでは「行って参ります」とあいさつしましょう。戻ってきた時は「ただいま! 」ではなく「ただいま戻りました」と言うと丁寧です。何か頼まれた場合等の返事は「了解です」や「分かりました」とは言わずに、「はい、承知致しました」「かしこまりました」と言ってから取り掛かると良い印象を与え相手からの好感も得られると思います。先に帰る場合は「お先に失礼致します」と声をかけましょう。また、「ご苦労様です」という言葉は正しい敬語ではありません。敬意を示した言葉としては「お疲れ様でございます」を使いましょう。
覚えておきたい丁寧な言い方
ここでは一般的に使われる丁寧な言い方をご紹介致します。普段の言葉ではビジネスには少しぶっきらぼうに聞こえてしまう言い方は言い換えて使ってみましょう。同じような内容でも言葉が違うだけで相手が受け取りやすくなる場合もあります。例えば、「忙しい」は「手がふさがっている」、「分からない」は「勉強不足」、「ミス」は「不手際」と言うようにしてみましょう。これらはメールなどの文章にも応用できますので使ってみて下さい。
また、言葉をマイルドにするのもビジネスにはとても効果的です。例えば「年寄り」と言うと少々乱暴な言い方に聞こえますが「お年を召した方」と言えば聞こえが良くなります。同じように「安い」という言葉も「お値打ち」と言うと優しい印象になり相手の気持ちにすっと入ってくるのではないでしょうか。少々強い言葉は口に出す前に頭で言い換えてから発言すると良いかと思います。
また話を聞くときは相づちにも気を配ってみましょう。「はい」「ええ」「そうでしたか」等、相づちは相手に「聞いていますよ」と伝えるのに重要なアクションです。時にうなずきながらテンポよく相づちを打ちましょう。そして相手の話を最後まで聞きましょう。会話の展開を考えずに話の腰を折るのは良くありません。相手の話が終わったところで質問等をするようにし、途中で話を遮る行為はやめましょう。
『過剰敬語』に気を付けて
美化語と呼ばれる「お」や「ご」ですが多用してしまうと聞きにくく伝わりづらいことがあります。これを『過剰敬語』といいます。特に「メール」や「ビール」等カタカナで表記されるような外来語には丁寧語は付けずに会話をしましょう。さらに補足ですが、公共の場所や建物、そして「お」から始まる言葉には一般的には美化語はつけずに使いましょう。「警察」や「公園」、「桶」や「王様」のようなものです。これはひとつの決まりですが日本語に慣れ親しんでいればなんとなく感覚でも理解できますね。
若者言葉に注意
普段話している言葉というのはとっさの時ほど口をついて出てしまいがちです。「マジ」「ヤバイ」等はもはや若者だけではなく多くの年代の方に使われる言葉となりました。ただビジネスにおいては品位を落とし相手に不快感を与えてしまう時もあるでしょう。なるべく使わずに、出そうになったら一呼吸おいて別の言葉に言い換えるようにしましょう。「ウザイ」や「キモイ」も同様です。
いかがでしたでしょうか。会話については慣れも大切です。難しく考え過ぎずに普段から丁寧な言葉で話す機会を多く作りなるべく楽しく会話することを心がけてみて下さい。
大学卒業後、TBCグループ株式会社入社。入社2年目より秘書として勤務。日々の秘書業務を活かし敬語やマナー等本の監修や講演をし、若手の育成などにも力を注ぐ。
その後マーケティングPR戦略部広報室に所属。TBCが掲げるTotal Beauty Communicationsの略であるTBCの窓口として美容や健康の情報を発信。秘書検定1級、青汁マイスターの資格を持つ。
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