前回まで、二重敬語や混合敬語といった皆さんが間違えやすいNG敬語や、多くの方が使ってしまっている勘違い敬語についてお話ししてまいりました。が、まだまだございます!

そこで今回も引き続き、皆さんが普段よかれと思って使っている言葉使いの勘違い編をお話しさせていただきます。

とんでもございません!

志望企業の担当者の方とのやりとりにおいて、「素晴らしい研究結果ですね」「それは立派な功績を残されましたね」など、賞賛の言葉をいただいた際。

「お手数をお掛けしました」「ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした」など、謝罪の言葉をいただいた際。そして、「ありがとうございました」「助かりました」など、感謝の言葉をいただいた際に。

あなたは謙遜の気持ちを表そうと「とんでもありません!」と返していませんか? さらには、より丁寧な言葉にしたい気持ちから、「とんでもございません!」とおっしゃっている方も少なくないのではないでしょうか?

実は、「とんでもない」と言う言葉はこの6文字で成り立っている形容詞です。

そのため文法上、「とんでも」と「ない」に分けることはできません。ですから、「とんでもありません」や「とんでもございません」に置き換えることは誤りということになりますので、どうぞお気をつけください。

「とんでもない」の最も丁寧な言い方としては、「とんでもないことでございます」になります。

少々お待ちくださいませ

こちらも多くの方が使用している言葉ではないでしょうか?

「ください」に加え「ませ」も付いているのでとても丁寧に聞こえるかもしれませんね。ただし、目上の方におっしゃるときは注意が必要です!

「〇〇してください」と言う言葉は確かに丁寧ではありますが、実は相手に選択肢を与えていない命令形と取られてしまいます。

それゆえ、いくら「○○してくださいませ」「お待ちくださいませ」と「ませ」を足したとしてもそれは変わりないというわけです。では、就活の場面において、人事の方など目上の方との会話ではどのように伝えるのが好ましいでしょうか?

「○○していただいてよろしいですか?」や「少々お待ちいただけますでしょうか?」などの疑問形として使うのが正解となります。

これらは相手に意思を尋ねる形であるため、威圧感や強制といったイメージでは受け取られず、柔らかく謙虚な言い方になります。