ヴィンテージアンプの音やエフェクトを自由に組み合わせ、専用コントローラ「Rig Kontrol 3」でハードウェアエフェクタのように操作できる「Guitar Rig 3 Kontrol Edition」、今回はGuitar Rig 3でどのように各コンポーネントを組み合わせていくのか、チェックしていこう。

ドラッグ&ドロップで豊富なアンプやエフェクトを組み合わせる

今回はソフトウェアである「Guitar Rig 3」を詳しくチェックしてみよう。まずGuitar Rig 3を起動すると、ウィンドウ左側は「Browser」ボタンが選択され、何らかのプリセットが読み込まれている。ウィンドウ右側にはさまざまなアンプやキャビネットを始めとしてさまざまなコンポーネントがセットされており、これはそのプリセットの内容を反映している。このプリセットはギター&ベース向けに300種類以上用意されている。リストからいろいろなプリセットを読み込んでみると、1本のギターがさまざまなサウンドに変わることがわかる。

「Brouser」には数多くのプリセットが用意され、とりあえずギターを弾きながらプリセットを切り替えるだけでもかなり楽しめる

この用意されたプリセットはもちろんだが、アンプやキャビネット、エフェクトなど自由にコンポーネントを組み合わせてオリジナルセットを作成できるのがGuitar Rig 3の大きな魅力だ。「Clear」ボタンをクリックすると、ラックにはチューナーやメトロノーム、テープデッキといった必要最低限のコンポーネントのみがセットされた状態となる。

「Clear」をクリックするとラックが初期状態に。練習に役立つメトロノーム、チューニングに欠かせないチューナー、そしてバッキングトラックの再生や、演奏のレコーディングができるテープデッキなどがセットされている。不要な場合は表示サイズを小さくしたり、非表示にすることも可能

各コンポーネントは「Components」ボタンをクリックすると、アンプやディストーション、EQといったカテゴリ別にタブで分類されて表示される。ラックに組み込むのは非常に簡単で、使いたいコンポーネントをラック上にドラッグ&ドロップするか、またはダブルクリックするだけだ。

「Components」にはタブで分類されたアンプや各種エフェクトといったコンポーネントが並び、簡単操作でラックに追加できる

それぞれのコンポーネントについて詳細に触れるスペースがないので省略するが、例えばアンプを例にとっても特徴ある70年代のブリティッシュサウンドを再現したCITRUSや、伝説となったアメリカのアンプをモデリングしているTWEED DELIGHTなど、切り替えていくと明らかに出音も変わってくる。これだけの台数のアンプを手元に置いている人はそうはいないはず。さらにエフェクトも豊富に用意されているので、非常に贅沢な楽しみ方ができるだろう。なお、ラックに組み込んだコンポーネント、そして各コンポーネントのパラメータ設定はもちろんオリジナルプリセットとして保存し、すぐに呼び出すことができる。

Rig Kontrol 3のスイッチ/ペダル割り当ても自由自在

このラックに組み込んだ各種コンポーネントは、前回紹介した「Rig Kontrol 3」からコントロールすることができる。さすがにその全てをRig Kontrol 3のスイッチとペダルでコントロールするのは難しいが、プリセットではエフェクトのオン/オフ、プリセットの切り替えなどがスイッチに、ワウペダルなどがペダルに割り当てられている。

ラック上部の「Rig Kontrol」ボタンをクリックするとラックにRig Kontrol 3の各ボタン/ペダルが表示され、現在どのボタンにどの機能が割り当てられているか一目瞭然。表示されたボタンをクリックしてラック内のコンポーネントをコントロールすることも可能

もちろんプリセットで割り当てられているパラメータを変更したり、またオリジナルプリセットに対して自分で各スイッチやペダルにコントロールする対象を割り当てていくこともできる。どのスイッチでどのパラメータをコントロールするかを自由に配置できるため、ある意味ではハードウェアエフェクタよりも使いやすいだろう。

各スイッチ/ペダルへの割り当ては「Options」ボタンの「Controller」タブで行う。プルダウンメニューをクリックすると現在ラックに読み込んでいるデバイス、そしてそのパラメータが表示され、選択するだけと簡単だ。もちろんこの設定は保存しておくことで、プリセットの切り替えに合わせて複数の設定を使い分けることが可能

Rig Kontrol 3を表から見ると8個のスイッチしかないが、ペダルの裏側に9個目のスイッチが配置されている。ペダル裏側には硬質スポンジが貼られているため、通常のペダル操作ではこのスイッチに影響はなく、意識的にペダルを踏み込むことでオン/オフできる。特定のエフェクトのオン/オフに使い、その効き具合をペダルでコントロール、といったことができるだろう

ただしRig Kontrol 3にはどのスイッチがどのパラメータをコントロールしているか、表示するディスプレイなどは用意されていない。そのためよく使うプリセットはともかく、ライブに向けて新たに作成したプリセットなどは、ステージ上で操作する際に迷う可能性もあるだろう。そこでGuitar Rig 3で新たに用意されたインタフェースが、Rig Kontrol 3の各スイッチ/ペダルの割り当てや、現在選択しているプリセットなど、必要最低限の情報を拡大表示する「LIVE VIEW」だ。非常にシンプルなもので細かいパラメータの設定などはできないが、パソコンから離れていても表示が確認できるため、ステージ上でも一目でわかる。地味なようだが、なかなか便利な機能だ。

Rig Kontrolの割り当てや選択プリセットなど、演奏中に必要な情報のみをわかりやすく表示する「LIVE VIEW」

なお今回はGuitar Rig 3を単体で使ってみたが、WindowsではVSTとRTAS、MacではVSTとAudioUnitsといったプラグイン形式にも対応しているため、DAWと組み合わせて使う、といったことも可能だ。

Guitar Rig 3のインストール時にはスタンドアロン版に加え、VST/RTASといったプラグイン用意されており、対応ソフトと組み合わせて使用することが可能となる

このように多彩なサウンドを、使いやすい専用コントローラRig Kontrol 3でコントロールできるGuitar Rig 3 Kontrol Edition。パソコンベースといえども操作感にはこだわりたい、そんな人にはとても魅力的なソフトだろう。