プラグインとして追加することで使える音色がどんどん増えるソフトシンセ、今回はその追加方法と、ソフトシンセを快適に使えるDAWソフトの機能について紹介しよう。
DAWソフトで新しいソフトシンセを使うには
前回紹介したように、プラグイン方式に対応しているソフトシンセをパソコンにインストールすれば、そのプラグインをサポートしているホストアプリケーションからのコントロールが可能となる。ここでチェックすべきことは、ソフトシンセとホストアプリケーションがサポートしているプラグイン形式が一致していること、VSTiのみをサポートするホストアプリケーションでは、DXiのソフトシンセを使うことはできない。
では、どのようにすればホストアプリケーションで新しいソフトシンセをコントロールできるようになるのか。詳しくはそれぞれのソフトシンセのマニュアルや同梱ドキュメントファイルをチェックしてほしいが、基本的には非常に簡単だ。
ソフトシンセはそのほとんどがexeファイルとなっており、実行することでインストーラが起動する。後は画面の指示に従ってインストール作業を終了し、ホストアプリケーションを起動すれば新しいソフトシンセが使用可能となる。なおソフトシンセをインストールしただけでは、ホストアプリケーションのソフトシンセ一覧に新しいソフトシンセが選択肢として表示されないこともあるが、その場合はソフトシンセ/プラグイン関連の設定メニューで、ソフトシンセをインストールしたフォルダを登録してやればよい。
CPU負荷を低減して複数のソフトシンセを使えるフリーズ機能
このようにインストールしたプラグイン形式のソフトシンセは、ホストアプリケーションの仕様にもよるが、複数のソフトシンセを同時に起動して音源として使うことができる。同時にいくつのソフトシンセを使えるかはホストアプリケーションによって異なるが、一例としてCakewalkの「SONAR6」は特に制限はなく、いくつでも起動できるため、一曲の中でさまざまな音色を使い分けることが可能だ。
ただし仕様的にはソフトシンセがいくつでも同時に使用できるとはいえ、実際にはパソコンの処理能力の問題である程度上限数は決まってくる。シンセサイザをソフトウェア処理で再現しているソフトシンセはパソコンにとっても重い処理であり、以前はかなり環境を選ぶ種類のソフトであったのだ。近年はCPUをはじめとしてパソコンの処理速度がかなり高速化したため、標準的なスペックのパソコンであってもソフトシンセを1つ、2つ使うことはまったく問題とならないのだが、さすがに数十種類のソフトシンセを同時に起動した上でエフェクトも掛けようとすると、うまくいかないだろう。
この問題を解決するには、MIDIデータによるソフトシンセの演奏結果をオーディオデータとしてあらかじめ書き出しておけばよい。こうすることでソフトシンセのリアルタイム処理が不要となり、単純にオーディオデータを再生するだけでOKとなるためだ。ただし、この方法には不便なところもあり、いったんオーディオデータとして書き出してしまうとフレーズを修正するといったことができない。
しかし最近のDAWソフトには、このCPU負荷の低減とフレーズの修正を手軽に両立できる機能が用意されているものが多い。SONAR6ではフリーズ機能と呼ばれているが、これは簡単な操作でMIDIデータの演奏結果をオーディオデータとして書き出すと共にソフトシンセを無効化してCPU負荷を低減するもの。フレーズを組み替えたいときはワンタッチでオーディオデータからMIDIデータに戻すことができるので、フレーズを修正してから改めてフリーズを行えばよいのだ。つまりたくさんのソフトシンセを音源として使っている場合でも完成したトラックをフリーズしておけば、問題なく処理できてしまうのである。
SONAR6ではソフトシンセをMIDI出力先に指定しているMIDIトラックを右クリックしてフリーズ処理を行うことで、ワンタッチでCPU負荷を低減することができる |
フリーズを行うとそのMIDIデータの演奏結果がオーディオデータとして波形表示されると共に、ソフトシンセが一時的にバイパスされる。MIDIデータを修正したり、ソフトシンセの音色を変更したいときはアンフリーズという処理を行えばよい |
さまざまな音色を使えるのがソフトシンセの魅力ではあるが、プラグインならばさらに便利に使えるのが最近の流れだ。各発売元のWebサイトではソフトシンセの試用版をダウンロードすることもできる、DAWソフトを使っているならば、いくつかインストールして遊んでみてほしい。