今回は、Excel(エクセル)でよく使われる関数の一つである「SUMIF関数」の使い方を確認します。指定した条件でセルの合計値を求めることができるため、SUM関数では難しかった計算もスムーズに行えるようになります。

本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの使い方を解説していきます。記事の制作には、執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016を使用しています

条件に合う数値だけを合計するSUMIF関数

指定したセル範囲の合計値を求めるSUM関数はExcel関数の定番といえ、誰もが一度は使ったことがあると思います。今回は、SUM関数の上位版ともいえるSUMIF関数を使って、一歩進んだ合計値の算出を行ってみます。

SUMIF関数の数式では、すでにデータが入力された表に対して、合計値を抽出する条件を指定していきます。基本的な使い方は、以下の通りです。

  • 計算結果を表示するセルを選び、数式バーにSUMIF関数の式を入力する
  • 数式の基本形は、=SUMIF([検索範囲],[検索条件],[合計範囲])

SUMIF関数の活用例とその手順

ここでは具体例として、購入した備品を記録したシートで「飲食用」と「文房具」の2つに分類されている場合に、「飲食用」の備品の合計金額を算出してみましょう。

合計金額を表示させたいセル(今回の例ではB17)をクリックして選択し(図1)、数式バーに半角文字で「=SUMIF(」と入力します(図2)。続けて条件を検索するセル範囲をドラッグして数式に入力(図3)、「,」(カンマ)で区切って「"飲食用"」と入力します(図4)。

これで、「指定した範囲のセルで『飲食用』のデータと合致するもの」という条件が設定されました。さらに「,」で区切ったら、今度は合計値の対象となるセルの範囲をドラッグして選択(図5)。「)」で閉じて、「=SUMIF([検索範囲],[検索条件],[合計範囲])」という数式を完成させます(図6)。[Enter]キーを押して確定させると、「飲食用」が入った行の合計金額が表示されます(図7)。

  • (図1)SUMIF関数で合計値を表示したいセル(ここではB17)を選択

  • (図2)数式バーに「=SUMIF(」と入力します

  • (図3)条件を検索する範囲(ここではB2からB15)をドラッグして数式に入力します

  • (図4)「,」で区切って条件を入力します。今回は文字列を条件にするので「"飲食用”」とダブルクオーテーションで囲んでいます

  • (図5)さらに「,」で区切って、合計値を算出したい範囲(ここではD2からD15)をドラッグして数式に入力します

  • (図6)「=SUMIF(B2:B15,"飲食用",D2:D15)」という数式を完成させたら[Enter]キーで確定させます

  • (図7)「飲食用」の文字列がある行の合計が表示されます

ワイルドカードで細かな条件指定も可能

SUMIF関数を使う場合、分類項目や担当者などの項目から条件を指定するのが一般的ですが、あいまいな条件を付けることも可能です。たとえば「A4用紙」「B4用紙」といった品名があり、用紙だけの合計金額を求めたい場合は、「"*用紙*"」のように「*」(ワイルドカード)で囲んで記述します(図8)。今回の例では、指定した範囲で「用紙」という文字が含まれている行の合計金額が算出されます(図9)。

  • (図8)「=SUMIF(C2:C15,"*用紙*",D2:D15)」の数式を入力します

  • (図9)C2~C15で「用紙」の文字列を含む行の合計金額が表示されます

このように、SUMIF関数は簡単な数式でさまざまな条件の合計値を表示できます。あらゆるケースで有効活用できるので、使い方を覚えておきましょう。