今回は、Excel(エクセル)を使って、毎日の労働時間(所定労働時間)を計算する出勤簿を作成してみます。現在の日付や時刻を簡単に入力できるショートカットキーや、就業時間(所定就業時間)から休憩時間を差し引くための「TIME関数」などを利用するのがポイントです。
本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの使い方を解説していきます。記事の制作には、執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016を使用しています
Excelの日時入力機能と関数を活用
ビジネスの世界において、時間の管理は重要です。Excelには時間計算を効率的に行うための関数も数多く用意されていますが、今回はショートカットキーによる日時入力と、決まった時間の足し引きを自動計算できるTIME関数を使って、シンプルな労働時間計算表を作成してみます。
現在時刻の入力は、[Ctrl] + [:]のショートカット
今回の例では、シンプルに「出勤日」「出社時刻」「退社時刻」を入力し、まず1日の就業時間を計算。そこから休憩の1時間を引いて労働時間を算出します。特に難しい手順はありませんので、順を追って確認していきましょう。
まず、「出勤日」のセルに今日の日付を入力するには、キーボードの [Ctrl] + [;] キーを押せば自動で入力できます(図2)。同じように現在時刻もショートカットキーで入力できます。出社したら「出社時刻」のセルを選択して [Ctrl] + [:] キーを押し、現在の時刻を入力(図3)。退社する際にも同じショートカット操作で現在時刻を入力しましょう。
次に、出社時刻と退社時刻から1日の就業時間を計算してみます。「就業時間」のセル(画面の例ではD3)を選択したら(図4)、数式バーに「=」を入力し、「退社時刻」のC3セルをクリックして数式に反映(図5)。続けて「-」を入力してから「出社時刻」のB3セルをクリックし、「=C3-B3」という数式を完成させます(図6)。[Enter]キーを押して確定させると、退社時刻から出社時刻を引いた1日の就業時間が表示されます(図7)。
「出勤日」で日付を入力したセルの右下にあるフィルハンドルを下方向にドラッグすれば、連続した日付を入力できます(図8)。同様に、時間計算の数式を作成したD3セルのフィルハンドルも下にドラッグして数式をコピーしておきます(図9)。これで、毎日出社時と退社時にExcelファイルを開いて、該当するセル上で [Ctrl] + [:] キーを押せば、就業時間の計算が行えます。
TIME関数を使って休憩時間を自動で差し引く
ここまでは、単純に出社時刻と退社時刻から会社にいた時間(就業時間)を計算していましたが、実際には1時間の昼休みを引いた時間が実働時間(労働時間)となります。休憩時間の列を追加して数式に組み込む方法もありますが、毎日の休憩時間が同じ場合、わざわざ項目(列)を作るのは効率的とはいえません。その場合は、労働時間の計算式にTIME関数を追加し、休憩時間を自動で差し引く数式を作成するのがよいでしょう。
基本の書式は、TIME([時間],[分],[秒])
先ほどの表で「就業時間」の右に「労働時間」の列(E)を作成し、E3セルをクリックして選択。就業時間と同様「=C3-B3」という数式を作成します(図10)。続けて数式の最後に「-TIME(1,0,0)」を加えて「=C3-B3-TIME(1,0,0)」という数式を完成させます(図11)。TIME関数の書式は「TIME([時間],[分],[秒])」なので、今回の例では就業時間から「1時間」の休憩時間を引くことになります。[Enter]キーで確定させて確認してみましょう(図12)。
なお、TIME関数を使った数式を下にコピーすると、出社時刻と退社時刻が未入力の場合は表示がおかしくなってしまいます(図13)が、出社時刻と退社時刻を入力すれば正しい労働時間が表示されます(図14)。