初の400cc 4気筒モデルとしてホンダが送り出した「CB400FOUR」。人気漫画『疾風伝説 特攻の拓』では鮎川真里の愛車として描かれた。深紅のガソリンタンクとヨシムラのショート管のカスタムに憧れた人も多いだろう。そんな名車の現在地をバイク王に聞いてきた。
限定免許で乗れる4気筒モデルとして人気に
「CB350FOUR」の後継機として1974年に登場したCB400FOUR。当初は408cc・4気筒OHCの37馬力エンジンを積んでいたが、販売翌年の1975年に二輪免許が排気量制限のない「自動二輪免許」、400cc以下の「中型限定自動二輪免許」、125cc以下の「小型限定自動二輪免許」の3つに区分されたことを受け、1976年に国内仕様の398ccモデルが登場した。
398ccモデルはハンドル形状によって「1型」と「2型」に分かれているのが特徴。スポーツ走行向きのセミフラットハンドルがCB400FOUR-Ⅰ、市街地やロングツーリングに適したスタンダードハンドルがCB400FOUR-Ⅱだ。好みに応じてハンドル形状が選べるのも売りになっていた。
CB400FOURは1977年に生産が終了したため、398ccモデルは2年間のみと短命に終わった。しかし、限定解除が難しかった当時にあって、限定免許で乗れる4気筒モデルに対するユーザーの支持は高く、中古市場では新車価格を上回る価格で取引されるなど、現在の絶版車ブームの先駆けともいえる人気を誇った。
CB400FOURの流通状況は? いくらで買える?
バイク王茅ヶ崎絶版車館の岡本拓也さんによれば、バイク王でのCB400FOURの買い取りも408ccモデルに比べて398ccモデルは圧倒的に少なく年間4~5台ほど。その中で、実際に店舗で販売できる状態の車両は1台あるかないかだというから、398ccはかなり希少なバイクといえるだろう。
「CB400FOURに限らずですが、今の旧車は本当に綺麗なバイクかそれ以外かに二極化していて、買取価格にも雲泥の差が出ています」(以下、カッコ内は岡本さん)
買取車両はカスタムされていることも多いとのこと。
「マフラーをヨシムラなどの黒のショート管に換装されているものが多いです。他にもハンドルをノーマルよりもアップにしたり、絞ったりされています」
人気があるのはカスタムをしていないノーマル車両だという。
「リプロパーツなどを使って、できる限り純正に近い形を保っている車両の方が現在は人気です。ただ、何かしらカスタムしてある車両が多いので、その分、フルオリジナルに近いと希少価値も上がって金額も高くなっています」
販売価格は408ccの320万円前後に対して398ccは450万円前後。やはり、398ccの価格が高くなる傾向にあるそうだ。
CB400FOURオーナーになったら気を付けるべきこと
そんなCB400FOURオーナーになった場合、どんなところに気をつけるべきなのか。
「買取車両を見ると、キャブレター内の細かい部品がダメになっていたり、オイル漏れをしている場合が結構あります。エンジントラブルの際にオーバーホールは腰上だけでいいのか、腰下も必要なのかによって金額も大きく変わってきますので、オイル漏れは必ずチェックした方がいいですね。また可動部でいうと、フロントフォークのインナーチューブやリアサスペンションはサビが出やすいので交換されていることも多いですが、純正パーツがないので社外パーツで代用されていることがほとんどです。ただ、技術も進歩していて再メッキなどで復活させられることもあるので、取り外したとしても純正パーツは大切に保管しておいた方がいいと思います」
■Information
取材協力:バイク王茅ヶ崎絶版車館
【場所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋1-10-26
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】水曜日
【備考】記載の情報は取材時のもの。車両の在庫状況や現車確認を希望の場合は0120-222-393まで要問い合わせ