今回は、ASUSから近日登場予定のNVIDIA ION搭載Mini-ITXマザーボード「ASUS AT3N7A-I」を紹介したい。通常のAtomプラットフォームでは実現できない高パフォーマンスが魅力のNVIDIA IONチップセットに、デュアルコアのIntel Atomプロセッサを組み合わせた上位クラスのMini-ITXマザーボードだ。国内での店頭予想価格が18,000円ほどと、比較的抑えられている点でも注目の一枚となっている。
ASUSTeK AT3N7A-I
■主な仕様 | |
メーカー | ASUSTeK Computer |
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製品名 | AT3N7A-I |
フォームファクタ | Mini-ITX |
対応ソケット | Intel Atom 330 オンボード |
対応CPU | Intel Atom 330 オンボード |
チップセット | NVIDIA ION |
対応メモリ | PC2-6400/5300(2スロット、最大4GB) |
拡張スロット | PCI×1 |
ストレージ | SATA×3ポート、eSATA×1ポート |
RAID機能 | SATA(RAID 0/1/0+1) |
ネットワーク | 10/100/1000BASE-T×1(Realtek RTL8112L) |
オーディオ機能 | 8ch HDオーディオ(VIA VT 1708s) |
インタフェース | USB 2.0×8ポート(+ピンヘッダにより2ポートの拡張が可能) |
映像出力端子 | HDMI×1、D-Sub×1 |
まずは仕様のポイントを確認しておきたい。CPUはIntel Atom 330、動作周波数1.6GHzのデュアルコアである。チップセットはNVIDIA IONで、高性能なDirectX 10世代の統合型グラフィックス機能を備えている。装着可能なメモリが、一般的なデスクトップPCと同じ240pinのDDR2 SDRAM DIMMなのも使い勝手が良い。拡張スロットも普通の32bit PCIとなっている。
Mini-ITXだと、どうしても用途が限定されがちなのだが、AT3N7A-Iであれば、CPUも比較的強力ではあるし、フォームファクタの小型さを活かしたまま、例えば、NVIDIA IONの動画再生支援機能を利用したHDコンテンツ鑑賞マシンなど、タワー型のデスクトップPC並とは言わないまでも、かなりマルチに使える小型マシンを簡単に組み上げる事ができるだろう。
NVIDIA IONの実性能については何度かベンチマーク記事も掲載しているので、既にご存知のことかと思うが、改めてチェックしてみると、やはり結構な実力であることを再認識させられる。以下のデータはNVIDIA調べになるが、3D系ベンチの結果は、そこそこのゲームを遊ぶには現実的な数字が出ているし、非IONのMini-ITXでは困難なDirectX 10サポートであることも大きい。さらにGPGPU技術のCUDAを利用できるので、一般アプリでの恩恵も期待できる。
テスト構成では、AT3N7A-Iはメモリが1GB DDR2 800MHz×2(デュアルチャンネル)、D945GCLF2はメモリが2GB DDR2 533MHz×1(シングルチャンネル)で、他は同一条件 ※スコアはNVIDIA調べ |
ボードのもう少し細かいところも見てみよう。ネットワーク関連では、Realtek RTL8112LチップによるGigabitEthernetが1系統。サウンド機能はVIAのVT1708sチップによるもので、8chのHDオーディオをサポート。それらも含めバックパネル部のオンボード端子は豊富で、USB 2.0は8ポートあるし、eSATAポートまで備えている。映像出力端子はHDMIとD-Subの2系統。プラットフォーム性能の高さとあいまって、サイズの小ささを感じさせない充実ぶりと感じる。ちょっと残念なのは、SATAポートの数が物足りないあたりだろうか。
Mini-ITX普及の起爆剤として期待
自作市場におけるMini-ITXという括りのなかで、現時点でのメインストリームと言えるのは、それでもAtom+945GC構成のマザーボードだろう。パフォーマンスで言えばNVIDIA IONの方が優れているというのは当然なのだが、しかしながら、弱点があるとすれば、その最たるものは価格だと筆者は思っている。
そういった現状にあって、この構成で18,000円前後と割安感のあるAT3N7A-Iが登場する意味は小さくない。発売後に普及が進み、もし上手い具合に市場がこなれてくれれば、1万円台中盤もねらえる初値である。さらに、ASUSブランドのマザーボードであるという安心感も重要だ。Atom登場時に次ぐ、Mini-ITX自作を盛り上げる起爆剤として期待したい。