つい最近もAMD 780Gチップセットを搭載したマザーボードが人気となるなど、ここのところグラフィックス統合型マザーボードが盛り上がりを見せている。ただ、話題をIntelプラットフォームに限定してしまうと、Direct X10世代の製品はIntel 4 Seriesのみであったし、ややさびしかった感があったのも事実である。
そのような状況のなか、満を持して登場したのがNVIDIAのグラフィックス統合型チップセット「GeForce 9300 mGPU」だ。チップセット名からもわかる通り、GeForce 9シリーズGPUの機能を盛り込んだDirectX 10世代の新型で、下手なディスクリートGPUであれば凌駕してしまう3Dパフォーマンスも秘めている。今回は、そのNVIDIA GeForce 9300を早速搭載した、エムエスアイコンピュータージャパンの「MSI P7NGM-Digital」を紹介したい。
MSI「P7NGM-Digital」
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MSI P7NGM-Digital |
| ■主な仕様 | |
| メーカー | MSI |
|---|---|
| 製品名 | P7NGM-Digital |
| フォームファクタ | マイクロATX |
| 対応ソケット | LGA775 |
| 対応CPU | Core 2 Extreme QX/X、Core 2 Quad/Duo、Pentium Dual-Core、Celeron |
| 対応FSB | 1333/1066/800MHz |
| チップセット | Geforce 9300 mGPU |
| 対応メモリ | PC2-6400/5300×4スロット(最大16GB) |
| 拡張スロット | PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI×2 |
| ストレージ | SATA×6(RAID0/1/0+1/5/JBOD対応)、PATA×1 |
| ネットワーク | 1000Mbps×1(Realtek RTL8111C) |
| オーディオ | 8chオーディオ(Realtek ALC888) |
| インタフェース | USB2.0×4(他ヘッダピン×6)、IEEE1394×1(他ヘッダピン×1) |
繰り返しになるがチップセットはGeForce 9300で、これはサウスブリッジにあたるnForce 730iも統合された1チップ構成のチップセットとなっている。16基のシェーダプロセッサを持ち、動画支援に第2世代のPureVideo HDのサポート、マルチグラフィックス技術ではHybrid SLIの構成が可能といったあたりが特徴だ。
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チップセットはGeforce 9300 mGPU |
これを搭載するP7NGM-Digitalだが、グラフィックス統合型マザーボードのトレンドにもなっている、コンパクトなフォームファクタ(マイクロATX)に多彩な映像出力インタフェースというポイントをしっかり踏襲。バックパネル部にはDVI-DとD-subの他、HDMIポートも標準装備している。
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グラフィックス統合型マザーボードらしくマイクロATXサイズ |
バックパネル部には映像出力インタフェースを豊富に装備 |
"All Solid Capacitors"と"All Shielded Choke"を謳っている通り、ボード上の電解コンデンサは全て耐久性に優れた固体タイプ、チョークコイルはEMI干渉を抑制するシールドタイプというのがポイントで、製品寿命や安定動作で優れる。さらに、同社独自のシステム管理ユーティリティ「Dual CoreCenter」や、「Live Update」といった、良好なシステム状態を維持する際に使い勝手の良い機能も搭載しているので、長期稼動を目的としても比較的安心できる。
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固体電解コンデンサやシールドタイプチョークコイルを全面採用し、信頼性を高めている |
通常用途ならこれで十分、リビングにもオススメ
グラフィックス統合型マザーボードを選ぶ最大の理由は、おそらく「コスト」かと思う。さて、MSI P7NGM-Digitalの実勢価格は1万円台中盤あたりが見込まれ、別途グラフィックスカードも必要としないので、確かに安く組み上げることができる。
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MSI P7NGM-Digitalの製品パッケージ |
ただ、安いコストのトレードオフで、特に3Dパフォーマンスはある程度割り切らないといけない、というのがこの種の製品の常であったのだが、GeForce 9300は、これまでとは一線を画す性能を備えている。これを搭載するP7NGM-Digitalであれば、ネックだった3Dゲームもそこそこのレベルまで問題なく遊べてしまうし、ヘビーユーザーでも無い限りは、この1枚で殆ど不便を感じることはない。仮に、後々性能不足を感じても、PCI Express x16スロットによるアップグレードの余地は残されている。
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PCI Express x16があるので、将来的により高い性能が必要になっても安心 |
SATAも標準で6ポートと十分。大容量ホームサーバも視野に入る |
加えて、P7NGM-Digitalは、大画面テレビに繋ぐようなリビングPCにピッタリのマザーボードだ。標準でHDMI出力をサポートし、Blu-rayタイトルでも利用できる動画再生支援機能のPureVideo HDも心強い。ボードサイズはコンパクトな筐体に納まるマイクロATXだし、チップセットも高性能の割には消費電力も発熱も少ない。リビングPCならではのニーズを多く満たしており、テレビサイドに相応しいマシンを無理せず実現できるだろう。
