Intel製デスクトップCPUの最上位として新たに登場したCore 2 Extreme QX9770を皮切りに、IntelプラットフォームでのFSBの最高速度が1600MHzに引き上げられることは周知のとおりだ。この1600MHz FSBに対応するチップセットとして用意されているのがIntel X48 Expressである。MSIではさっそく同チップセットを搭載したマザーボード「X48 Platinum」の投入を予定している。今回は、この次世代のハイエンドマザーボードを紹介しよう。

MSI「X48 Platinum」

Intel X48 Expressを搭載するMSI X48 Platinum

主な仕様
メーカー MSI
製品名 X48 Platinum
フォームファクタ ATX
対応ソケット LGA775
対応CPU Core 2 Extreme QX/X、Core 2 Quad/Duo、Pentium D/4、Celeron
対応FSB 1600/1333/1066/800MHz
チップセット Intel X48+ICH9R
対応メモリ PC3-12800/10600/8500/6400×4スロット(最大8GB)
拡張スロット PCI Express x16×4、PCI Express x1×2、PCI×1(黄色のx16スロットはx4帯域)
ストレージ SATA×8(チップセット×6・Sil 5723×2)、PATA×1(Marvell 88SE6111)
RAID機能 チップセットSATA(RAID 0/1/0+1/5)、Sil 5723 SATA(RAID 0/1/JBOD)
ネットワーク 1000Mbps×1(Intel 82566DC)、1000Mbps×1(Realtek RTL8111B)
オーディオ 8ch HDオーディオ(Realtek ALC888)
インタフェース USB2.0×12、IEEE1394a×1(VIA VT6308P)

Intel X48を搭載する「X48 Platinum」では、FSBサポートが1600MHzに引き上げられるほか、メモリのサポートにも1600MHz駆動のDDR3-1600が追加される。これは、まだJEDEC準拠していないオーバークロック規格であり、Intelが独自に提唱するXMP(eXtreme Memory Profile)でサポートするものである。当然同製品でも対応がうたわれているほか、従来どおりのDDR3-1333/1066/800、FSBも1600MHzに加え1333/1066/800MHzがサポートされている。

バックパネルには、一般的な各種インタフェースのほか、2ポートのeSATA、CMOSクリアスイッチも用意されている

1600MHzのFSB、DDR3メモリをサポートするIntel X48 Express

サウスブリッジは引き続きICH9世代で、X48 PlatinumではICH9Rを採用している

マザーボードのデザインはIntel X38 Expressを搭載した同社X38 Diamond/Platinumとよく似ている。拡張スロットレイアウトは、青い2本のPCI Express 2.0 x16スロットに、黄色い2本のPCI Express x16スロット(帯域はx4)、2本のPCI Express x1に1本のPCIとなる。黄色のスロットは、サウスブリッジからIDT 89HPES16T7ZHスイッチを介し動作している。

4本のPCI Express x16スロットのうち、青の2本は2.0対応のx16レーン、黄色の2本は1.1対応のx4レーン

その他のハイエンド向け機能も、X38 Diamond/Platinumから引き続き搭載する。ループ形状の大型ヒートシンクである「CIRCU-PIPE」、バックパネルのCMOSクリアスイッチに加え電源・リセットのオンボードスイッチ、動作状況を示す「LED Poster」、フロント端子の接続を容易にする「Mコネクタ」、「Dual CoreCell」も備える。

起動時の状況を文字として表示するLED Poster

Mコネクタや電源・リセットスイッチも搭載

Dual CoreCellに対応している

ストレージポートは、SATAが内部に6ポートとeSATA×2ポート、PATAを1系統備える。SATAのレイアウトは、内部6ポートのうち、4ポートがICH9Rのもので、他2ポートはSil 5723CNUチップによるもの。eSATAの2ポートはICH9Rの機能だ。PATA用にはMarvell 88SE6111-NAA1チップが搭載されている。ポート数は十分に豊富だ。

オンボード追加SATAチップとしてSil 5723CNUを搭載

1系統のUltra ATA/133機能用にMarvell 88SE6111-NAA1を搭載

ギガビットイーサネットは2系統装備し、PCI Express接続のRealtek RTL8111Bチップ、Intel 82566DCチップが搭載されている。オーディオチップはRealtek ALC888で、その他IEEE1394チップはVIA VT6308Pを搭載している。

2系統のGbEのうち、1系統はRealtek RTL8111B

もう1系統のGbEチップはIntel 82566DC

8ch HDオーディオチップにはRealtek ALC888を搭載

IEEE1394チップはVIA VT6308Pを採用

基本構造を大きく変えなかったことで信頼性も期待できるX48 Platinum

パッケージもX38 Platinumと似ている

Intel X48 Expressを前にして、ひとつ気になるのは導入のタイミング。X38の登場で買い替えたユーザーが、さらにここで買い替えというのは難しいところだ。しかし、より高いクロックを標準サポートするチップセットというのは心強いもの。基本的にはX38 Diamond/Platinumを新チップセットでリフレッシュしたという印象だが、大きく変更されなかったことで、新設計のマザーよりも回路面などでは信頼性が高いという見方もできる。X38 Diamond/Platinum譲りのDual Channel PWMというCPU電源回路、そのほか盛りだくさんのハイエンド機能は引き続き充実しており、X48のタイミングを待ちわびたユーザーには注目の製品だろう。