こんにちは! 「モテる男養成マネーアドバイザー」の森田朝美です(「モテる男養成マネーアドバイザー」の名前の由来は第一回目をご覧下さいね)。今日は「超円高を利用した"攻めの投資"」についてのお話です。
ここしばらくずっと円高が続いていますよね。9月5日現在のドル円は77円台半ばです。
ちなみに1年前の為替は85円を超えていました。
円高になると海外旅行も安く行けるし、海外ブランド商品も値下げしているからラッキー、と考えている人もいるかも知れませんが、実は輸出企業にとっては、大ダメージとなるのです。
参考までに、トヨタ自動車の場合、トヨタの想定為替レートは1ドル=80円としているため、1円の円高で年間の営業利益は約340億円減り、いまの水準が続くと年約850億円の減益となります。
だから円高というのはかなり大変なことなんです。
オススメするのは「外貨建てMMF」
とはいえ個人の場合、せっかくですから、この超円高を利用した攻めの投資を検討してみてはいかがでしょうか?
円高というと、為替が絡みますから、まず頭に浮かぶのは「外貨預金」だと思いますが、私がオススメするのは「外貨建てMMF」です。
MMFとは、「Money Market Fund(マネー・マーケット・ファンド)」の略で、一般に高格付け債券や短期金融商品で運用する高利回りの外貨建て投資信託です。
MMFの場合、手数料が0.25円~0.50円程度で済むことが多く、いつでも換金できます。ですから、急な為替の変動にも対応することが可能です。逆に言えば、預けた時よりも早い段階で円安になれば、短期での為替差益が期待できます。
仮に、米ドルのレートが1ドル=77円として、100万円を米ドル建て外貨MMFに預けた場合のシミュレーションをしてみます。某大手証券会社の、為替の手数料、片道0.5円、利回りは0.18%で計算すると、まず預けた100万円が1ドルいくら以上になれば、利益となるかというと、1ドル=約77.9円となります。ということは、1年後に1ドル=78円以上であれば、それ以降は利益となるのです。
わずか0.18%の利回りですら、これだけ有利となります。となると、それ以上に高金利の通貨で、さらに円安になれば、利益が期待できるのです。
高金利通貨の代表は「豪ドル」
高金利通貨の代表と言えば、豪ドルです。
参考までに豪ドルMMFで運用した場合のシミュレーションもしてみましょう。先ほどと同じく、100万円を1豪ドル=81円の時に預けたとします。
この大手証券の豪ドルMMFの利回りは、現在4.233%で、この利回りで1年後に換金した場合、為替がいくら以上になると利益になるかというと、1豪ドル=約79円です。
ということは、預けた時の為替以下(81円→79円)になっても利益が出るのです。さらにそれ以上円安になれば、プラスαとして為替での利益がつくのです。
また、預けて早い段階に円安になれば、いったんそこで解約し、また円高になった時点で再度預けると、為替差益だけで何度も利益を得られる可能性もあります。
レアルなどは、ある程度の投資経験者向け
ただし、高金利通貨と言っても、例えばブラジルのレアルなどは、短期間で激しく変動する場合がありますので、ある程度投資経験がある人向けと言えます。
米ドルの場合、最近、為替はそれほど動いていないのですが、ユーロや豪ドルなどは米ドルに比べ変動はかなりあります。
そのため、過去の水準と比較してみて、円高水準と思われる局面では、今後円安になることを見込めば、利回り以上に為替差益もある程度期待できるといえるでしょう。
株やFXへの投資は抵抗があるという方でも、外貨MMFであれば、1万円程度の少額からスタートすることが可能です。
MMFは証券会社全般で取り扱っている商品のため、大手や中小証券だけでなく、ネット証券でも取扱いがあります。証券会社の窓口の取引に抵抗がある方や、忙しくてなかなか時間が取れない方はネット証券が便利です。またネット証券の方が、手数料が安いこともあります。
現在、あまりに急激な円高のため、今後、調整が入り、円安に向かう可能性が高いと思われます。したがって、上記などを参考に"稼ぎ力"を身に付け、せっかくの今の超円高をうまく生かしていただきたいと思います。
執筆者プロフィール : 森田 朝美(もりた あさみ)
ララコンサルティング代表。証券会社、銀行、保険会社等の金融機関と上場会社での勤務経験を持ち、現在主にセミナー講師として活動。あるファイナンシャルプランナーに自身で設計した資産運用プランを「完璧」だと評価されたことがきっかけで、投資教育への道へ入る。「金融業界側の視点」「公開会社側の視点」「投資家側の視点」の三つの視点から、実践的で分かりやすい講義内容を心がけている。企業研修として、大手企業、外資系企業などでの企業年金セミナー、金融学習教会主催のマネーマネジメント講座、自主企画セミナー「30代OLのための初心者向け株式講座」などで講義。その他、「日経新聞勉強会」などを主催している。ブログはこちら。