こんにちは。「モテる男養成マネーアドバイザー」の森田朝美です。第1回の記事で、「投資センスを身につけてモテる男になろう」と書きましたが、投資センスを身に着ける第一歩として、経済現象を身近に感じることが大切になります。
「経済なんて学んだこともないしわからない」と思う方は多いと思いますが、そんなことはありません。私も大学で経済が専門だったわけではありませんが、「経済」を身近に感じながら毎日生活しています。
「B級グルメ」ブーム、そのわけは?
例えば、ここ数年、B級グルメが人気で、各地でB級グルメグランプリが開催され、多くの人で賑わっていることはご存知の通りだと思います。また、テレビや雑誌などでも、ワンコインランチなど格安ランチを紹介する番組が多いですよね。
それ以外にも、安い食事の代表といえば、牛丼業界やファストフード。牛丼業界では、各社競ってどんどん料金を下げています。牛丼1杯が300円以下で食べられるなんて、一昔前だったら考えられません。また、ファストフード業界も、お値打ちなセットメニューなどの登場で、500円もあればお腹いっぱい食べられるようになっています。
一方、高級な食材と言えば、代表格が寿司やうなぎ、ステーキなどが思い浮かびます。それ以外にも、ホテルの食事なども挙げられます。
以前は、グルメ番組といえばこうしたものがたくさん紹介されていましたが、いつの間にか、こういった高級な料理を紹介する番組は少なくなっています。
つまり、今のメディアでは、いかに安くお値打ち感があるものを食べられるか、というテーマのグルメ番組が中心となっているのです。
これはなぜかというと、「デフレ」と言われる状況のためです。デフレというのは、物価がどんどん下がっていく状況を指します。これに対して「インフレ」とは、物価がどんどん上昇していく状況のことを言います。
景気がいつまでたってもよくならず、残業も減り、給料もなかなか増えない傾向にある状況の中、限られた収入の範囲内で節約できるところでまず最初に思い浮かぶのが「食費」です。そのため、いかに食費を安く済ませるかといったことに視聴者の関心が高いため、安くてお値打ち感のある食事の紹介が増えているのです。
ですから、逆に言えば、メディアで高級食材の特集がまた以前のように増えてきたら、景気は回復局面にあると推察することができます。この例でもわかるように、「経済」というのは自身の身近なところから感じることができるものなのです。
今後インフレになる可能性も考慮を
ちなみに、インフレ局面では、株や土地の値段が上がります。これはなぜかというと、インフレになると、物価やサービスの価格が上がります。そうすると、そのモノやサービスを提供している企業の収益(利益)が増えます。その増えたお金で、企業は設備投資を行ったり、従業員の給料を上げたりすることができます。
そうなると、その企業の従業員はさまざまな場所でお金を使うようになり、お金が世の中に循環していきます。さらに、余ったお金は投資などにも向けられるようになり、そのため株や土地の値段も上がっていきます。かつてのバブルというのは、こういった金余り現象が過熱した結果起こったものです。
となると、デフレの時にはどういう投資行動が考えられるでしょうか?
デフレの現在は、定期預金などの固定金利の金融商品では金利が低く、もし現在定期預金にお金を預けていて、今後インフレで金利が上がると相対的に不利になります。
株などはすでにかなり値段が下がっていますので、今後インフレになり株価が上がる可能性があると考えるなら、お金に余裕のある人は、株や株が入った投信を買っておくことを考えてみてもいいかもしれません。ちなみに、3年前のリーマン・ショック直後の株価が大きく下がっているときに、積極的に株に投資をした人で、3カ月ほどで3割も株が値上がりをした人が私が知っている中でも結構いました。
値下がりした株が多い現在は、以前に比べれば、"バーゲンセール状態"といえるかもしれません。もちろんこれからすぐに株が上昇するというわけにはいかないかも知れませんが、今のうちに買ってもおくというのも、一つの選択肢だといえます。ただ、もし買う場合は、一度にたくさん買うのではなく、タイミングを見て、時期をずらして少しずつ買うのが、リスク分散の手法としても有効です。
景気というのは、好況と不況を繰り返します。この「景気循環」は、これまでの歴史の中で示されてきた現象です。いつまでこの不況が続くかは誰も分かりませんが、景気が回復する時に備えて、今のうちから資産形成を考えておくというのも、この景気循環に沿った行動といえるでしょう。
執筆者プロフィール : 森田 朝美(もりた あさみ)
証券会社、銀行、保険会社等の金融機関と上場会社での勤務経験を持ち、現在主にセミナー講師として活動。あるファイナンシャルプランナーに自身で設計した資産運用プランを「完璧」だと評価されたことがきっかけで、投資教育への道へ入る。「金融業界側の視点」「公開会社側の視点」「投資家側の視点」の三つの視点から、実践的で分かりやすい講義内容を心がけている。企業研修として、大手企業、外資系企業などでの企業年金セミナー、金融学習教会主催のマネーマネジメント講座、自主企画セミナー「30代OLのための初心者向け株式講座」などで講義。その他、「日経新聞勉強会」などを主催している。