連載コラム『公認会計士直伝! お金に振り回されない生き方』では、公認会計士の平林亮子氏が、公認会計士としての仕事をする中で分かってきた"お金との上手な付き合い方"について、マイナビニュースの読者の方々に"伝授"します。


みなさんは、天国や地獄の存在を信じますか?

私は、死後の世界はあると思っていますが、それがいわゆる天国とか地獄といった構図ではないだろうと思っています。

とはいえ、

「じゃあ、どんな世界なの?」

と聞かれても、答えはないのですが。

………もちろん、ここで宗教や哲学について語ろうというわけではありません。

拙著『競わない生き方』にも書いたことで、とあるマンガの受け売りなのですが、天国と地獄には、同じものが置いてあるそうです。

それは、10人以上で囲めるくらいの大きなお皿に載ったたくさんのお料理と、お皿よりも長いくらいのお箸。

大きなお皿には、そこにいる人が生きて行くのに十分な量のお料理が乗っている。

でも、同じものが置いてあるのに、天国の人々のお腹は満たされ、地獄の人のお腹は満たされないそうです。

長ーい箸で、自分の口に運ぼうとするのは、かなり難しい。

それにもかかわらず、地獄にいる人々は我先にと箸を持っては自分の口に運ぼうとする。 激しい取り合いになるけれど、誰一人満足に食べられません。

それに対して、天国では、長い箸で料理をとって、向かい側にいる人の口に運び、

「お先にどうぞ」

と分け合うことで、みんなのお腹が満たされるのだそうです。

お金は、幸せの循環を作り出す道具

私達は、地球上の資源を分け合って生きるしかありません。

地球の資源は、国も個人もこぞって、

「自分のものだ!」

と主張しあっていますが、究極的には、地球のものであって、特定の誰かのものではないのかもしれません。

そして、土地も食料も、誰のものでもないとしたら、それらの交換手段として生まれたお金も、誰のものでもないかもしれません。

まして、現代のお金は、実物財産の裏付けのない

「信用」

によって存在できるだけの紙切れです。

お金も、地球から一時的に借りている道具に過ぎないのかもしれません。

そう考えると、自分の手元にどれだけコレクションできるか躍起になるより、借りている道具をよりよく使い、できるだけたくさんの幸せを生み出すようにすることが大切なのだと思います。

自分のお金だと思うと、必要以上にしがみついてしまう。

でも、きっと、お金は、天国にある大皿料理と同じで、幸せの循環を作り出す道具。

金は天下の回りもの。

自分の所にやってきた「みんなのお金」をどう使うか。

お先にどうぞ、と分け合えるか。

そんな風にお金と付き合うことができたら、この世は天国に近づくことができると信じています。

(※画像は本文とは関係ありません)

執筆者プロフィール : 平林 亮子

公認会計士。「美人すぎる公認会計士」としてTVやラジオ、雑誌など数多くのメディアに出演中。お茶の水女子大学在学中に公認会計士二次試験に合格。卒業後、太田昭和監査法人(現・新日本有限責任監査法人)に入所。国内企業の監査に多数携わる。2000年、公認会計士三次試験合格後、独立。企業の経営コンサルタントを行う傍ら、講演やセミナー講師など多方面で活躍。テレビの情報番組のコメンテーターを始め、ラジオ、新聞、雑誌など幅広いメディアに出演している。