特集「新入社員マネーA to Z」では、新入社員の皆さんにお伝えしたいお金の話をリレー形式でご紹介します。
お給料を表す言葉は様々
4月からの新生活、社会人になり初めてお給料をもらうという新社会人の方も多いのではないでしょうか。お給料=給与を表す言葉として「月給」「月収」「年収」「手取り」などという言葉を耳にしたことはありませんか?
また、これらの違いをきちんと理解できていますか? 今回は、新社会人も、そうでない人も必見の、月収と月給と手取り額の違いについてご紹介します。
月給と月収の違いとは?
「月給」と「月収」は一見同じような意味の言葉だと思われがちですが、実はこれらは違うものを指します。
「月給」とは1カ月単位で定められた賃金のことで、毎月固定の基本給のことを指します。これには基本給と毎月固定の手当(役職手当など)が含まれます。
つまり、月給は毎月の固定給ですので、状況によって変動する残業手当や通勤手当といった諸手当や、インセンティブのような業績に応じて支払われる給与などは含まれていません。毎月固定で支払われるというのがポイントで、状況によって変動する残業手当や通勤手当などは含まれないことも覚えておきましょう。
一方で、「月収」はボーナスや残業代などの諸手当を含めた年間の総収入(=年収)を12で割った金額です。毎月の給与明細に記載されている金額が「月給」であり、求人広告などで「給与」と書かれている場合は、「月収」を示していることが多いようです。
年収と月収の違いとは?
「月収」を理解するには、「年収」についても理解しなければなりません。
「年収」と「月収」の違いは、多くの方が理解している通り、年収は「1年間の収入」で月収は「1カ月間の収入」です。年収は月給(=毎月固定の基本給)の12カ月分に残業手当・通勤手当などの諸手当やボーナスを加えた金額となります。
そして、この「年収」を12カ月で割ると「月収」になります。先ほど、求人広告に記載されている給与は「月収」である場合が多いということをご紹介しましたが、逆にこれを12倍すれば年収がわかるというわけです。
ここまで「月給」「月収」「年収」についてご説明しましたが、これらの関係をまとめると以下の式のように表すことができます。
手取りと源泉徴収
「月給」「月収」「年収」と並んで、「手取り」という言葉もよく耳にするのではないでしょうか。実はこの「手取り」と「月給」「月収」の違いを勘違いしていると、もらえた金額が少ない!ということが起きてしまうので、「手取り」についても理解しておくといいでしょう。
みなさまもご存知の通り、働いて給与を得た人は所得税や住民税を納税する義務があります。また、会社員であれば、社会保険料を支払っています。会社員の場合、これらの税金や社会保険料は給与から「源泉徴収」されています。
所得税は、会社が社員の給与からあらかじめ天引きして、全社員分をまとめて国に支払っています。このように個人に代わって会社が行っている税金や保険料の支払い及びその仕組みのことを「源泉徴収」と呼んでいます。また会社によっては、労働組合費や退職金の積立金、社宅の家賃などが給与から天引きされる場合もあります。
「手取り」とは、毎月支払われている「月給」から、社会保険料や所得税、住民税など源泉徴収されるものを差し引いた金額のことです。つまり、実際に自分の手元に受け取れる金額と考えることができます。
「年収」や「月収」を実際にもらえる金額だと思って認識を誤ってしまうと、「手取り」額を見たときに思ったよりも少ないと感じてしまうかもしれません。まずは、「月給」「月収」「手取り」の違いをきちんと理解しておくことが大切です。それらを認識した上で改めて見てみると、毎月もらう給与明細の見方が変わってくるかもしれませんよ。