特集「新入社員マネーA to Z」では、新入社員の皆さんにお伝えしたいお金の話をリレー形式でご紹介します。
今回は、先日楽天が主催した「新社会人 マネーのいろは」講座より、新社会人の皆さんに覚えておいてほしいお金のルールを紹介します。
お金は3つに分けて考える
「新社会人 マネーのいろは」講師でFPの風呂内亜矢さんによると、お金のやりくりは「使う」「守る」「増やす」の3つに分けて考えると良いそう。
風呂内さん「『使うお金』は毎日の支払いやいざというときに使うお金。目安は100万円程度で、すぐ使える状態で置いておきます。『守るお金』は5年~10年の間に使うことが決まっているお金で、目安は500万円まで。結婚資金や住宅購入資金、転職や失職したときの生活費などが想定されます。『増やすお金』は10年以上使う予定のないお金で、目安は500万円以上。老後資金などが当てはまります」
金融商品とのマッチングが重要
多くの人は預貯金や定期預金でお金を管理しています。しかし、「用途に会わない金融商品の購入はおすすめできません」と風呂内さんが説明するように、金融商品はいろいろな特徴があり一長一短です。
これひとつだけあれば大丈夫、というオールマイティな商品はなく、マッチングが重要です。そのお金をどのように作っていくかによって、適当な金融商品は異なるというわけです。
風呂内さん「『使うお金』に必要なのは流動性、『守るお金』に必要なのは安全性、『増やすお金』に必要なのは利殖性です」
金融商品でいうと、「使うお金」はいつでも使える預貯金が向いています。一方、解約(売却)に手間がかかる債権や投資信託などは流動性が低いので向かないそうです。
「守るお金」では安全性が高く、預貯金より金利が高い定期預金が適しています。対して、株は評価額の変動を直接受け、リスクもリターンも高いためマッチングしないといえるでしょう。
「増やすお金」は原則10年以上の期間をかけて運用するため、リスクがあるもののリターンも期待できる株や一般に分散投資しやすい投資信託などが適しています。一方、預貯金は金利が低くほとんど増えないので、増やすお金を作る手段としては効率が悪いといえます。
3つのお金実例
講習では、風呂内家が実施している3つのお金の運用術も紹介されました。
例えば「使う(守る)お金」は地方銀行のネット支店やネットバンクの超短期定期預金、個人向け国債、普通預金金利が0.1%の口座にあずけているそうです。一方、「増やすお金」はNISA口座でETFや個別株を購入しているとのこと。
またポイント活用術として、家庭用決済は「楽天カード」と家族カードで一元管理。ゴールドカードとアプリ利用でポイントアップ6倍とし、もらった楽天ポイントで父の日や母の日のプレゼントなどを購入しているといいます。
仕事用決済は還元率2%のプリペイドカードである「LINE Pay」を利用されています(ただし2%還元は2018年5月30日で終了)。定額支払いには使えないこともありますが、還元されたLINEポイントは残高にチャージすることができます。
最後に新社会人のポイントとして、同じ給与の場合、税金や社会保険料の関係で手取りは年々下がること、稼げる期間は定年までの約30年で、残りの30年は使い続ける可能性があること、新社会人になると生活サイクルが変わるため、マネールールの見直しが必要であることが述べられました。
おわりに
以上、簡単ではありますが「新社会人 マネーのいろは」講座より、新社会人に覚えておいてほしいお金のルールをご紹介いたしました。
毎年様々な企業が行っている初任給の使いみち調査では、多くの新社会人が「初任給は貯蓄する」と回答しています。その大多数は普通預貯金や定期預金を選んでいるかと思いますが、お金を増やす手段はたくさんあります。初任給を貰ったら、そのお金が3つのタイプのどれに当たるかを考えた上で、どの金融商品を利用するかをじっくり検討してみてはいかがでしょうか。